STORY アフラック vol.8

地元の長崎でリモート勤務、東京の本社業務に挑む

アフラック生命保険 ツールソリューション部 ツール審査課
後田 美里さん

新型コロナウイルスの感染拡大は、ビジネスパーソンに「どこに住むべきか」という問いを投げかけている。アフラック生命保険は社員のキャリア形成支援やダイバーシティ推進の一環として、地方に居住しながら、遠く離れた東京や大阪の業務を担うことができる「リモートキャリア制度」を取り入れている。生まれも育ちも長崎市という同社の後田美里さん(33)はいち早くこの制度に応募。慣れ親しんだ地元の長崎に拠点を構えつつ、これまで経験したことのない新しい仕事にチャレンジすることで、視野を大きく広げキャリアを切り拓こうとしている。

保険の「相互扶助」に興味、地域限定で入社

後田さんが就職活動に臨んだ2009年は前年のリーマンショックの影響で、就職氷河期の真っ只中。特に狙いを定めずに様々な業種の採用試験を受け、うち1社から内定をもらったものの、その結果には後田さん自身があまり納得できなかった。そんな時、大学の授業でたまたま受講したのが「保険論」の授業だった。多くの人が少額ずつ保険料を出し合い、困った時にお互いを支え助け合う「相互扶助」という保険の仕組みに興味を抱いた。これを契機にアフラックの採用試験に応募。地元にある長崎支社の地域限定社員として入社が決まった。

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大学4年時に受けた「保険論」の授業が入社のきっかけとなった

長崎支社では一貫して支社内の営業サポート業務で経験を積んだ。保険契約者との窓口役を担う代理店からの問い合わせ対応から、代理店向け研修の講師まで、支社での業務内容は多岐にわたった。九州各地の代理店が集まる約400人規模の懇親会の運営を務めるなど、今でも印象に残るやりがいのある仕事も数多い。後田さんは「代理店を支えることが、その先にいるお客様を支えることにもつながる」という信念を持って仕事に取り組んできたという。

だが一方で、東京や大阪から転勤してきた同僚や同期の仕事ぶりを見て、不安も覚えた。いろいろな勤務地や部署を経験している同僚や同期とは対照的に、自分は営業の狭い世界しか知らない。例えば新しい保険商品の販売促進について本社から指示を受けても、それがアフラックの他部署の業務とどう結びついているのか、深く理解できていなかった。「私の仕事って、他の部署でも通用するのかな」。そんな漠然とした悩みと不安を抱えていた2019年、アフラックで「リモートキャリア制度」が試験的に導入された。

キャリアの幅を広げるため一念発起

アフラックのリモートキャリア制度は、後田さんのような地方支社で地域限定社員として採用された人が、引っ越しすることなく東京や大阪に拠点がある部署に所属し、常に遠隔で業務を担う仕組み。地方の多くは営業支社機能しかないため、従来の地域限定社員は営業に関連する職務しか経験できなかったが、この制度を使えば居住地に関わらず、より幅広い経験を積むことができる。地域限定社員のキャリアの幅を広げたり、意欲的で優秀な人材を適材適所で活用したりするのが目的だ。

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オンラインツールを活用して上司と円滑なコミュニケーションを図る

営業以外の仕事に挑戦してみたいと考えていた後田さんは、パイロット(試験)運用の募集を見て迷わず手を上げた。アフラックには、リモートキャリア制度と別に、地方限定社員が3年間、採用地域外で勤務できる「一時転勤」というキャリア支援の仕組みもある。だが「引っ越しを伴う一時転勤は私にとってはハードルが高い。リモートキャリア制度は住む場所やプライベートなど仕事以外の環境は変わらないので、落ち着いて新しい仕事に取り組める」と考えた。

1か月間の東京研修でノウハウ学ぶ

2020年7月からはリモートキャリア制度の下、引き続き長崎市内に住みながら、東京の本社のツールソリューション部ツール審査課に所属している。ツール審査課は、保険商品のメリットや契約内容、条件などを記載したチラシやパンフレットなどの募集文書の内容を事前に審査している。記載されている説明は法的に問題ないか、その募集文書を作ることで期待通りの販売促進効果は得られるのかなど、同課がチェックする内容は多岐にわたる。 

配属される前に東京の本社で実施された1ヶ月間の研修に参加し、未知の業務内容をみっちり叩き込まれた。リモートキャリア制度は導入されたばかりなので、当然、東京で受け入れる側の社員も経験がない。通常、1〜2年ほどかかけて習得する審査業務のノウハウを、どうすれば短期間で習得してもらえるか。東京の本社側では周到な準備を進め、綿密に研修カリキュラムを作り込んでいた。

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東京勤務の同僚が後田さんを温かくサポートしている

リモート勤務を始める前の1ヶ月間の研修で上司や同僚と直接会って人間関係を構築していたため、長崎に戻った後も円滑にコミュニケーションをとることができた。また、ツール審査課では2年ほど前から外部委託をよりスムーズにするため様々な業務のマニュアル化を進めており、「後田さんに分からないことがあっても、マニュアルを調べればすぐに理解してもらえる体制を整えていた」と上司の菱山隆・ツール審査課長は話す。

上司や同僚の手厚いケアで不安解消

新しい部署に配属された後は、午前9時から午後5時まで、長崎市内の自宅で募集文書の審査を行なっている。困ったことがあっても、チャットツールで同僚や上司に相談すればすぐに答えが返ってくる。また、ビデオ会議のシステムを使えば同僚の顔を見ながら話すことができるほか、リモート勤務で困ったことがないか、定期的に上司がケアをしてくれる。先進的な取り組みだけに、「どうやってコミュニケーションをとっているの?」「いきなりリモートで新しい仕事を始められるの?」などと、同期からは興味津々に聞かれるが、実際、ストレスを感じる場面はほとんどないという。東京の本社で勤務する同僚の奥山巴絵さんは「後田さんからのチャットにすぐ返信するよう心がけている」という。

後田さんは「長崎支社で勤務していた時は、ツール審査課がチラシやパンフレットのこんなところまでチェックしているとは想像もできなかった」と生き生きとした様子で話す。新しい部署で働き始めて半年ほど経った今、自身の視野が広がったという手応えを感じている。同社は社員の多様な働き方を支援するため、リモートキャリア制度や一時転勤制度に加え、コロナ禍以前からテレワークを推進してきた。自宅で勤務する後田さんは、仕事が終わった後にパン作りに取り組むなど、ワークライフバランスをより充実させている。

リモート勤務を通じた他部署への挑戦も視野

アフラックでは2021年からリモートキャリア制度を首都圏以外全域の社員に対象を広げ、本格運用を開始。現在は、九州や北海道など各地に住む計13名の社員が同制度を活用している。後田さんは「自分の住んでいる場所にとらわれず、新しいことにチャレンジできるのはありがたい」と話す。

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自分の住む場所にとらわれないキャリア形成を目指す

2020年までは試験運用のため、受け入れ部署は一部に限られていたが、本格運用が始まった2021年1月以降は地方在住の社員を受け入れる部署が大幅に増えた。後田さんは「機会があれば他の部署にも異動してみたい」と、早くも次のステップアップを見据えている。

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