STORY 大和証券グループ vol.2

粘り強く挑み続ける 
お客様の人生に寄り添うために

大和証券 大森支店クライアントサポート課
小田 舞香さん

大和証券の小田舞香さん(28)は入社6年目の昨春、電話の問い合わせに対応するコンタクトセンターから支店の営業職へと異例のキャリアチェンジをした。「もっとお客様の人生に寄り添えるようになりたい――」。難関資格をめざし努力を続けるのは、子育てしながら経営陣の一員として活躍する一人の先輩女性の存在がある。挑戦し、成長して、今度は自らが後輩のロールモデルになろうと心に決めている。

「命の次に大切な資産」を預かる

「こんなことも手伝ってもらえるのね」。しばらく取引がなかった女性がマイナンバー届け出のために来店したときのこと。30分もかからず手続きは完了。たまたま窓口で対応した小田さんが近況を尋ねると、女性は最近不動産を相続し、どう対処すればいいのか分からず困っているという。すぐに相続専門のコンサルタントと一緒に詳しく話を聞き、不動産の仲介業者を紹介。数カ月後に無事に売却が成立すると、女性はその代金の運用について再び相談に訪れた。「相続の悩みが解決したと、大変喜んでくださった」と小田さんは微笑む。

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小田さんは2019年4月、事務系の電話のオペレーターから支店の営業職に転じた

小田さんの仕事は個人顧客に金融商品やサービスを提案すること。店頭での対応のほか、商品の案内をしたり、運用状況について説明したりする電話の数は一日に数十件にも上る。窓口では、簡単な事務手続きであれば10分で終わることもあるが、時には2時間以上にわたりじっくりと資産形成のニーズや困りごとを聞いていくことも。証券会社の扱う商品はリスクとリターンが隣り合わせ。目減りしてしまうリスクがあるだけに、「命の次に大切といわれる資産を預かっているプレッシャーを常に感じながら仕事をしています」。

現在働く大森支店(東京・大田)へは2019年4月に異動した。それまでは入社以来、同社のコンタクトセンターで取扱商品や手続きに関する問い合わせに対応するオペレーターとしてキャリアを積んできた。金融関係の仕事をしていた父のもとで自然とお金の流れに興味を抱き、大学は商学部で学んで証券会社に。オペレーター職をめざしたのは、結婚や出産などのライフイベントを経ても長く働けるイメージがあったからだ。

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時に2時間以上にわたりじっくりと資産形成のニーズや困りごとを聞いていく

入社5年目に小田さんが営業職への異動を希望したとき、「大丈夫なの?」と家族からも会社の同期からも心配されたという。小田さんをチャレンジへと突き動かしたのは、当時コンタクトセンターを担当していた女性役員との出会いだった。

先輩女性との出会いと憧れ

ワーキングマザーとして初めて役員になったという大先輩。家庭と両立しながら第一線で活躍している姿は素直にかっこいいと感じた。それまで女性は結婚や出産をしたら仕事をセーブするものだと漠然と思っていたが「自分も将来、会社を背負っていける人材になりたい。そのためには証券会社の根幹である営業の経験が必要不可欠」と考えた。

コンタクトセンターでは受けた電話はその場で完結し、基本的に同じ相手から再び電話を受けることはない。小田さんは「今度は一人のお客様と長く付き合い、人生に寄り添う仕事をしよう」と目標を定め、個人の将来設計や資産運用の相談に乗るファイナンシャルプランナー(FP)の最上位資格「CFP」認定取得の勉強を始める。全科目合格率は1割を切る難関だ。

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キャリアのスタートはコンタクトセンターでのオペレーター。今も電話で応対するときにそのスキルをフル活用

CFPをめざしたのは、異例の異動を希望する以上、「会社に対して自分は本気だと示す意味もありました」。憧れる女性役員の先輩から「仕事をがんばるには、楽しみや目標を見つけること」と教えてもらったことも背中を押した。多忙な仕事と勉強を両立するため、会社が提供するeラーニングを活用し、通勤や休日に出かける時にもスキマ時間を見つけてスマホから講義動画を視聴し、知識を叩き込んでいった。全6科目のうち2科目に合格したところで、晴れて支店への異動が決まった。

念願だった営業の仕事。しかし厳しい試練が待ち構えていた。コンタクトセンターにいたとき、電話応対のスピードや内容の質を表彰する社内制度で部内1位を取るほどの努力家。粘り強く取り組めば目標を達成できるという自信があったものの、一日に100件電話をしても全く話を聞いてもらえない日が続いた。話す内容を書き出してスラスラ言えるようにし、オリジナルのノートを作って業務の進め方を見直しても契約が取れない。「最適な提案手法を確立できず、思い悩んだ」と小田さんは明かす。

流れを変えたのは、相続の悩みを解決し、新規契約に結び付いた冒頭の女性とのやり取りだ。自分がひたすら話し、提案するのではなく、ふとした会話から相手のニーズを知ったことが突破口になって契約に結び付いた。「いくら良い商品でも、お客様にとって必要なければ買ってもらえない」。そう気づいた小田さんは、まず徹底して相手の話を聞くスタンスに180度転換。それから徐々に契約数を増やしていった。

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異動直後、契約が取れずもがいていたとき周囲のサポートにも支えられた

未来の後輩のロールモデルに

ニーズを聞かせてもらえる信頼関係を築くためには――。小田さんの武器の一つは直筆の手紙だ。きっかけは商品購入後のアフターケアで電話をしてヒアリングしたことをもとに何度も提案して、それでもなかなか投資額を増やしてもらえなかったとき。電話だけでは相手のニーズも、自分の提案も伝わりにくい部分がある。何か他に方法はないかと知恵を絞り、初めて手書きで手紙を書いてみた。それがきっかけで来店につながり、新たな契約の獲得に成功した。以来、小田さんはいつも季節に合わせたA4の便箋を引き出しに常備。会った時に盛り上がった話への感想や、教えてもらったことへのお礼を手紙につづり、電話よりも表情が見えるコミュニケーションの方法としてフル活用している。

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一文字一文字丁寧につづる手紙で伝わる思いがある

小田さんの熱意を知った周囲もサポートしてくれる。もっと様々な経験を積みたいと相談すると、支店長自らが勉強会を開いてくれたり、支店の新規開拓会議に参加する機会を与えてくれたり。挑戦しようとする人にチャンスを与える社風を改めて実感している。「CFPも全科目合格して資産形成の大切さを伝えていきたい。投資を始める一人でも多くの方に選んでもらえる会社にしていきたい」。小田さんの目標は経験を積むごとにどんどん高まっていく。これからもまっすぐに挑戦を続け、いつか自分を変えた先輩のように未来の後輩のロールモデルになる日を目指している。

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