特集

わたし、ゴルフはじめます!(4) 人生に新たな彩り、心も体も変化

日経ウーマノミクス・プロジェクトがパートナー企業、アコーディア・ゴルフと一緒に始めた新企画「わたし、ゴルフはじめます!」。今年6月下旬から練習を始めたゴルフ初心者の女性2人がついにゴルフ場デビューを果たしました。コースを利用したラウンドレッスン(実地講習)ではありますが、打ちっぱなしの練習場とはさすがに勝手も、気持ちも違います。生まれて初めてゴルフ場のクラブハウスやコースに足を踏み入れ、彼女たちは何を感じたのでしょうか。そして、ゴルフが生活の一部に新たに加わったことで、彼女たちの日常にどのような変化が起きたのでしょうか。

「一緒に過ごす時間や会話が増えた」

「わぁ、広い!」「緑が気持ちいいね」――ラウンドレッスンの舞台は千葉県四街道市にあるアコーディア・ゴルフの四街道ゴルフ倶楽部。クラブハウスの向こうに広がるコースを目にしたウマノミ会員の宮澤千絵美さんと田中美穂さんはともに感嘆の声を上げました。この日は長かった2020年の梅雨が明け、真夏の日差しが照り付ける8月5日。初めてゴルフクラブを手にしてから約1カ月半の間、2人は宮下洋平レッスンプロからゴルフのイロハを学び、仕事帰りや土休日にも時間を見つけて自主練習に励んできました。

680x420_a907.jpeg
アコーディア・ゴルフ「四街道ゴルフ倶楽部」のクラブハウス。2人は都内の自宅から電車を使って到着しました

クラブハウスのロッカールームで着替えを済ませたお二人はすっかりゴルファーに変身。宮澤さんはピンクのトップスに黒のキュロットとレギンス、シルバーのゴルフシューズ、田中さんはネイビーのトップスに水玉のグレーのスカート、白のゴルフシューズ姿で、上から下までコーディネートはばっちり。前回のレッスン後に受けたアドバイスがしっかりと生きています。しかも、宮澤さんは新品のゴルフクラブのハーフセットも購入しました。この日に備えるため、お二人とも家族から力強いサポートを受けたそうです。

680x440_062.jpeg
初めてのゴルフウエアに身を包んだ宮澤千絵美さん(左)と田中美穂さん。帽子からシューズまで新調し、気分も上がります

ワーキングママの宮澤さんはゴルフを始めてから、夫とともに車で自宅近くの練習場に通うようになりました。「以前より一緒にいる時間が増えました」と、ちょっぴりはにかみながら話します。練習場ではボールを打つ姿を夫がスマホで撮影してくれることもあるそうです。夫婦共通の趣味を持ち、一緒にコースを回る――。そんな夢に一歩近づいた手応えを感じている様子です。地元の図書館で、これまで手にしたこともないゴルフの雑誌のページをめくることも。ウエアやゴルフシューズも夫と一緒に買いに行きました。ゴルフがこれまでの日常に彩りを添えた感じです。

680x320_image2.jpg
宮澤さんは夫にスマホで撮影してもらった練習時のスイング動画を宮下プロに送り、アドバイスを返信してもらって研究していました

不動産関係で働く田中さんも、ゴルフが趣味の父親と「LINE(ライン)を交わす頻度が増えた」といいます。ウエアやゴルフグッズの購入に際し「相談するため実家に戻ったら、『いきなりショートコースに行くぞ』と父親に言われ、母親と3人でコースを回りました」。その後、ゴルフショップで必要なものを買ってもらい、父が持っていたボールをもらって帰宅したそうです。「もうコースに出たのか」「ボールの飛距離はどれくらいか」。普段は寡黙な父親からゴルフネタでよくラインが舞い込むようになり、「私のことを気にしてくれているみたい」とうれしそう。ゴルフが父娘のコミュニケーションを促す潤滑油になっている様子です。

大切なのは距離のつかみ方

さて、いよいよコースでのラウンドレッスンですが、その前にまだ2人が使ったことがないクラブ、グリーン上のボールを転がしてカップインに使うパターの練習がありました。四街道ゴルフ倶楽部の練習グリーンで宮下プロのパター講座の始まりです。

680x420_a949.jpg
ラウンド前のパターレッスン。宮澤さんは購入した自分のクラブで、田中さんは四街道ゴルフ倶楽部の最新のレンタルクラブで臨みました

「大切なのはボールからカップまでの距離感をつかむこと」と宮下プロ。2人には最初にボールを下手投げでカップに向けて投げるように指示しました。3回ほど投げてから、次はパターを右手だけで握り、カップに向けてボールを打ちます。この二つの手順を踏むと距離感をおおよそ体でつかめると宮下プロは説明します。

右手だけで打ったボールが「カラン」という音と共にカップインした田中さん。「やるじゃない」。宮下プロから声をかけられると、「やったー」と思わずガッツポーズを見せました。「パターはフィーリング。実際のグリーンは傾斜がつきもので、ボールを打つ強さはパターの振り幅で加減し、振るテンポは一定に」と宮下プロ。「2パットで上がることをまずは目標にして」とアドバイスします。

680x430_a955.jpg
ボールの下手投げと片手打ちでカップまでの距離感をつかんでから、両手でパターを打つ練習に

いざ、コースへ バンカーや斜面など様々な状況に対応

パター講座は30分ほどで終わり、午後2時半からラウンドレッスンが始まりました。四街道ゴルフ倶楽部アウトコース1番はパー5のロングホール。ドライバーを手にまずは宮澤さんがティーグラウンドに立ちました。「練習場と違って、方向感覚がわかりませんね」と話した後、「当たればいい」という気持ちで打った記念すべき第一打は、コース先の右側斜面に当たってはね返り、フェアウエーの真ん中付近へ。ラッキーでした。

680x420_a967.jpg
宮澤さんの記念すべきコースでのファーストショット。ボールはやや右に出たが、斜面に跳ね返ってフェアウエーの真ん中に

ティーの高さを入念にチェックした後、アドレスに入った田中さんの第一打は残念ながらティーグラウンドのちょっと先にボールが転がっただけ。「距離感もわからないし、コースと練習場は全く違う」という田中さん。その気持ち、よくわかります。練習なので気を取り直して、もう一度打ち直し。今度は低い弾道でまっすぐ飛んでいきました。

680x420_a973.jpg
田中さんの打ち直しのドライバーショット。ボールは低い弾道でまっすぐ飛んでいきました

1番ホールは女性用ティーグラウンドからグリーンまでの距離が481ヤード(1ヤード=約91センチメートル)。途中は「山あり、谷あり」(宮澤さん)で、バンカーもあれば、ラフもあります。つま先上がりや左足下がりなど、足下が平坦な練習場とは違うコンディションの中、いかに対応すべきか。はたまたボールをバンカーに入れてしまった際は、どう抜け出すか。グリーン近くからのアプローチショットは――。OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)で一つ一つ、宮下プロからノウハウを教わりながら、何とかグリーンにたどりつくことができました。

680x410_004.jpg
ボールはつま先上がりの急斜面に。宮下プロはクラブの軌道をいつもより寝かせてスイングするようにアドバイス

笑顔がこぼれるコースラウンド

2番ホールはパー3、120ヤードのショートホール。宮下プロが与えたミッションは、いかに少ない打数で上がるかという「スコアチャレンジ」。共にドライバーを手にした二人でしたが、残念ながら「ワンオン」はなりませんでした。でも田中さんはグリーン手前のフェアウエーに1打目をつけ、4打でカップインに成功し「ボギー」、宮澤さんは5打で終え、コース初心者としては上出来でしょう。

680x480_014.jpg
グリーン周りからのアプローチショットの練習。体重を左足にかけ、左腕とクラブが一直線になる小文字の「y」字にして打ちます

3番ホール、パー4のミドルホールで宮下プロが与えた課題は「プレーファスト」。ゴルフには様々なルールやマナーがあります。プレーを遅らせて後続プレーヤーに迷惑をかけないことも大切なマナーです。ティーグラウンドに立って、素振りして打つまでの時間を宮下プロが計測します。結果は田中さんが1分20秒、宮澤さんが55秒。「あれこれ考え、準備するより、早く打つ訓練も大事」と宮下プロ。「目標は40秒以内」といいます。

680x430_008.jpg
コースに慣れてくると、いいショットが続くようになりました

このホール、田中さんの第一打のドライバーショットがOBになりましたが、それ以外はお二人ともいいショットが続きました。緑豊かなコースを楽しく会話しながら歩いていると、2人とも自然と笑顔がこぼれます。宮澤さんは4打目のボールがグリーンオン。パット2打目が惜しくもカップ5センチ手前でとまり計7打となりました。田中さんはOBが出たものの計8打でまとめました。この日のラウンドレッスンはこれでホールアウトです。

680x485_miyazawa070.jpg
宮澤さんは「コースは打つ環境が毎回違って難しいですね」と言いつつ、笑顔でコースラウンドを楽しんでいました

1カ月半で感じたゴルフの魅力

レッスンがスタートした当初は、汗がにじむほどでしたが、夕方には暑さも和らぎ、ヒグラシの鳴き声が響きます。「ゴルフを始めた当初は筋肉痛に悩まされましたが、だんだん打てるようになってくると楽しさが増してきます。実際のコースは高低差もあり、自然の中での開放感も最高」と宮澤さん。「最初はこの先どうなるかと不安の方が大きかったのですが、練習に通えば通うほど上達するのがわかり、ナイスショットがでると気持ちがいいです。運動不足の解消につながり、健康面でも体力がつきました。こころなしか体も引き締まったような」と田中さん。これまでのゴルフとの日々を振り返ってのお二人の感想です。

680x485_tanaka069.jpg
「ゴルフを始めた当初は壁にぶつかっていた」という田中さんも、この日はいいショットが続き、笑顔がこぼれます

宮下プロもこの1カ月半の2人の様子を振り返り、「これまでの練習の成果が出た。この短期間での仕上がりぶりは立派」と絶賛。「ゴルフは息の長いスポーツで、3ホールを回ってはしゃいでいたのを懐かしく思う時がくる」と彼女たちのこれからにエールを送りました。

次は、宮澤さんは夫婦で、田中さんは親子で、ハーフラウンドあるいは全18ホールのラウンドプレーをして、本格コースデビューするのが目標です。家族と共通の趣味を通じて喜びや楽しみを共にする幸せ。さらには仕事の関係者や友人たちとゴルフを楽しんだり、新たなゴルフ仲間を作ったりと夢が広がります。これから先、ゴルフがお二人の生活に彩りを与え、人生を実り豊かなものにしてくれるものと信じています。

680x440_079.jpg
宮下プロの熱心な指導で宮澤さんと田中さんはこれからの人生にゴルフという新たな彩りを手に入れました

【連載】
 ●わたし、ゴルフはじめます!(1) 未経験2人が初練習、筋肉痛が...
 ●わたし、ゴルフはじめます!(2) タイプ別クラブの扱いに四苦八苦
 ●わたし、ゴルフはじめます!(3) 非日常のおしゃれを楽しもう

会員登録すると、イベントや交流会への参加、メールマガジン購読などご利用いただけます。