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わたし、ゴルフはじめます!(2) タイプ別クラブの扱いに四苦八苦

日経ウーマノミクス・プロジェクトがパートナー、アコーディア・ゴルフと一緒に始めた新企画「わたし、ゴルフはじめます!」。ゴルフ初心者の女性が練習に挑み、コースデビューするまでの道のりをたどるドキュメントです。公募で選ばれたウマノミ会員のお二人は、前回のレッスンで生まれて初めてゴルフボールを打ちました。それから2週間。7月9日に再び「アコーディア・ガーデン東京ベイ」(東京・大田)で行われた2回目のレッスンの様子をリポートします。

2週間ぶりのレッスン、自主練で成長した2人

いやはや驚きました。チャレンジを始めた会社員お二人の成長ぶりにです。前回6月25日の初回レッスンで宮澤千絵美さんはまだしも、弱音を漏らしていた田中美穂さんは果たしてコースデビューできるだろうかと正直、不安がありました。でも、そんな心配はどこへやら。お二人ともこの2週間の間に、自主練をコツコツ重ねていました。

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2回目のレッスンに臨む宮澤千絵美さん(左)と田中美穂さん(中)。コーチは宮下洋平レッスンプロ

田中さんは今回の企画のレッスン会場である打ちっぱなし練習場、アコーディア・ガーデン東京ベイに仕事帰りの平日とオフの日曜日の2回通ったそうです。宮澤さんも仕事帰りに東京ベイで1回、そして休日には夫と一緒に自宅近くの練習場に2回通い、ひたすらアイアンを振る練習に励んだといいます。田中さんは「左右でブランドが違うのですが」とはにかみながら、前回の宮澤さんに倣って右手用のグローブを新たに新調、手にはマメまで作っていました。

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田中さんは自主練で薬指の付け根近くにマメができていた

気合い十分で臨んだ2回目のレッスンは時折、雨脚が強まり、雷が鳴るあいにくの天気の中、宮下洋平レッスンプロの合図で「前回の思いだし作業」から始まりました。さっそくアイアンの「ウェッジ」を手に、打席に立つお二人でしたが、素振りをする姿が前回と打って変わり、さまになっているではありませんか。

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まずはアイアンの「ウェッジ」を使って前回レッスンの復習から

宮澤さんがボールを打つと、「まっすぐ飛ぶね、いいじゃない!」。すかさず宮下プロから声が飛びます。打ったボールに勢いが加わっているのも分かります。

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きれいなフォームの宮澤さん。ボールもまっすぐ飛んでいきました

初回のレッスンでは、クラブに振り回されていた感じの田中さんも、この日は別人のよう。「スイングがきれいになったね。自分の体の中でクラブを振るスピードがわかってきたのかな」。宮下プロもべた褒めです。打ったボールが70ヤード近くまで伸びた田中さん。「こんなに飛んだのは初めて」と声も弾みます。「特訓の成果がはっきり出ていますね」と目を細める宮下プロ。アイアンに関しては、どうやらお二人とも課題クリアの様子です。

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田中さんも前回とは比べものにならないほど力強いスイングができていました

初めての「ドライバー」、勝手が違うクラブに戸惑い

ただ、この日はほかにもレッスンメニューが盛りだくさん。アイアンの復習に加え、ドライバーとユーティリティーと呼ばれるクラブの打ち方も練習しないといけません。実際のコースで主に第1打で使うのがドライバー。アイアンとウッドの中間にあたるクラブ、ユーティリティーも飛距離を稼ぐ上で重要なクラブの一本です。いかに少ない打数でグリーン上のカップにボールを入れられるか、それを競うのがゴルフ。ボールの飛距離はショットの正確性とともにスコアを左右するカギなので、侮れません。

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左側のクラブがドライバー、右側がアイアンのウェッジ。長さがまったく違います

まずはドライバー、ユーティリティー、アイアンの形状チェックから。「クラブのシャフト(軸)の長さや、ヘッドの角度が違うと、飛距離が変わってきます」と宮下プロ。「クラブが長いとスピードが加わり、ボールの飛距離が伸びます。ヘッドの角度が違えば、ボールが飛び出す角度が変わり、それも飛距離に関係してきます」。宮下プロは3本のクラブでボールを打ってみせ、飛距離やボールの弾道の違いを実践しながら教えてくれました。

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クラブの種類によってスイング時の軌道は異なってくる

クラブが変われば、振り方やアドレス(構え)、ボールとクラブの位置関係も変わってきます。アイアンは肩幅程度の足幅ですが、それより長いクラブの場合、足幅は広めに。クラブの振り方も、上からたたく感じで打つアイアンに対し、ドライバーは横から払う感じで打つように、と宮下プロ。ボールの位置は長いクラブほど体の中心より左側に置くのが鉄則。今日は覚えることがたくさんありますね。

もう一つ、ティーアップしてドライバーを打つ時の、ドライバーとティーの高さについて。ボールの上部がドライバーから半分くらい出ている高さがベストだそうで、ティーが低すぎると、ボールはうまく飛びません。

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ボールを載せるティーの高さ調整も大切

「あぁー、軽い」。思わず声が漏れた田中さんの傍らで「わぁー、長い」と宮澤さん。初めてドライバーを手にした時の感想です。素振りを繰り返した後、ティーアップしたボールを打とうとした田中さんから「SOS」の声が。「スイングがアイアンと全然違うので、わからなくなりました」

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いざ、ドライバーショットの練習へ

隣の打席で、宮下プロから教わったドライバーの振り方を一つ一つ確認しながら素振りをする宮澤さんは「これって、めちゃめちゃ不自然な格好なので、また筋肉痛になりそう」と苦笑いを浮かべます。

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「アイアンより長い分、ドライバーを振ると、遠心力が働き、うまくコントロールできません」。田中さんはその難しさを言語化します。

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ひじの曲げ伸ばしのエネルギーを使う

この日は道具やウエアに関する説明も受けるため、実技レッスンは1時間半と初回より30分短め。結果として30分刻みで次々クラブを持ち替えての練習となり、最後がユーティリティーでした。「また違うクラブですか?」。田中さんがぼやく気持ちもよくわかります。とはいえ次回は実際のコースに出てのラウンドレッスンです。少々スパルタも仕方ありません。

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ユーティリティーのスイングにも苦労します。いつのまにか日が暮れました

この日のレッスンで初めて握ったドライバーとユーティリティー。お二人の練習ぶりをチェックした宮下プロは、共通する問題点をズバリ指摘します。「きっちりスイングせずに、ボールに当てにいっている」。だから振り方がぎこちなく、ボールの飛距離も伸びない、というのです。

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クラブの種類に合わせたスイングを身に付けようと懸命です

解決する処方箋も合わせて提示してくれました。それは「ひじの曲げ伸ばしのエネルギーを上手に使う」こと。クラブを振り上げる際、曲がっている右腕を、振り下ろす過程でまっすぐに伸ばす。「曲げ伸ばしエネルギーを生かせば、ボールは結構飛びますよ」。そうおっしゃいましても...。説明を受けながらも、ぽかんとした表情を浮かべる2人に、宮下プロは「靴ベラ」を使ったユニークな練習法を披露してくれました。

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ボールにパワーを伝えるコツを実践してみせる宮下プロのスイングをしっかりと見て学びます

靴ベラの面積が広い側をクラブのフェース(ボールの当たる部分)に見立ててまず握ります。靴ベラの広い面がなるべく見えないように素振りができればOKという練習です。うまくできるようにするには、クラブの握り方(グリップ)がポイントになってきます。やはり基本はないがしろにはできません。

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「部屋の中では靴ベラを使って素振りをしてください」。宮下プロのおすすめ練習法です

一難去ってまた一難。アイアンの次はドライバーとユーティリティーの自主練が課題となりました。コースデビューを目指すお二人にとって避けて通れぬ関門です。ゴルフは実に奥が深い。でも、お二人の様子を見ていると、へこたれてはいられない、闘志のようなものがしっかりと伝わってきます。田中さんはさっそく宮下プロのスケジュールを確認、東京ベイ通いの自主練計画を練るため、自分の予定をチェックしていました。次回はいよいよアコーディア・ゴルフが運営するゴルフ場「四街道ゴルフ倶楽部」(千葉県四街道市)を舞台に、実際のコースを利用してのレッスンです。さあ、どうなりますか、お楽しみに。

【連載】
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