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わたし、ゴルフはじめます!(1) 未経験2人が初練習、筋肉痛が...

日経ウーマノミクス・プロジェクトがパートナー企業のアコーディア・ゴルフと一緒に取り組む新企画「わたし、ゴルフはじめます!」。新型コロナウイルスの影響で、当初予定より2カ月ずれこみましたが、緊急事態宣言も解除され、ようやくスタートできる状態になりました。ゴルフに興味はあるけれど、一歩踏み出せずにいる――。そんな女性の背中を押して、ゴルフの魅力を知ってもらい、人脈づくりやこれからの人生をより豊かなものにしてもらおうとサポートするのが、この企画の趣旨です。たくさんの応募の中から選ばれた女性2人のレッスン初日から念願のコースデビューまでの道のりを、これから随時リポートします。

「夫と共通の趣味を」「定年退職した父と一緒に」

新企画を始めるにあたり、今年3月に日経ウーマノミクスの女性会員を対象に参加希望者を募りました。約50人の申し込みがあり、書類選考と面談で最終的に選ばれたのが宮澤千絵美さんと田中美穂さんのお二人です。家具・インテリアメーカーにお勤めの宮澤さんは中学2年生の娘と小学4年生の息子を育てる働くママ。「子育てで大変な時期が一段落し、これからはゴルフをする夫と夫婦共通の趣味や話題づくりのために」というのが応募動機でした。「上達したら社内外の人脈づくりにも役立てたい」といいます。不動産関連の田中さんは、今春定年退職した父親の趣味がゴルフ。リタイヤ後もゴルフを続けやすいようにとの親孝行の心から、父娘で一緒に行けるようになりたいと思ったのがきっかけでした。ゴルフを通じて幅広い世代の人と交流を深め、自らの世界を広げたいとの思いもあってチャレンジを決意したそうです。

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宮澤千絵美さん(左)と田中美穂さんはこれまでの人生でゴルフは全くの未経験。チャレンジの始まりです

初回のレッスンは6月25日。緊急事態宣言が解除されて、間もなく1カ月というタイミングでした。会場はアコーディア・ゴルフが運営する打ちっ放しの練習場、アコーディア・ガーデン東京ベイ(東京・大田)です。京浜急行電鉄「平和島」駅から徒歩約8分の距離にあり、1階と2階に計60打席、さらにパターとバンカーの練習場も備え、充実した設備と都心とは思えぬ開放感がたまりません。梅雨時ながら、この日は雨も上がり、時おり吹く風が心地よく感じられました。

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「わぁ、広ーい」。アコーディア・ガーデン東京ベイに到着して2人は同じ感想を口にしました

平日の夜とあって仕事帰りのお二人でしたが、宮澤さんはスカート姿からストレッチが効いた黒のパンツとTシャツ、それにスニーカー姿に変身。ベージュのブラウスとワイドパンツ姿の田中さんは、靴だけランニングシューズに履き替え、レッスン会場の2階打席に登場しました。新型コロナ対策で2人ともマスク着用です。

ゴルフ用手袋は自ら用意、購入スタイルに世代の違い

真新しいゴルフ用グローブ(手袋)を用意して初回のレッスンに臨んだお二人でしたが、その調達の仕方ひとつとってみても、ゴルフ初心者ならではの苦労がうかがえます。宮澤さんは夫に付き添ってもらい、近所のゴルフショップへ。「店員さんが最近は両手が流行っているって言ったので」と両手グローブを購入しました。宮澤さんはポスト団塊ジュニア世代です。一方、ミレニアム世代の田中さんはネットでグローブについて検索し、自分の手の採寸から始め、サイズをチェックし、お手頃価格のものをフリマアプリで探して買いました。購買行動に世代の違いが出ています。

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宮澤さんと田中さんのゴルフデビューをサポートする宮下洋平ティーチングプロ

2人のコーチ役はアコーディア・ガーデン東京ベイ所属の宮下洋平プロです。ジュニアの頃からゴルフプレーヤーとしての腕を磨き、その後、教える側に転身し現在、JPGA(公益社団法人日本プロゴルフ協会)公認のティーチングプロをお務めです。日焼けした肌がこれまでのゴルフキャリアをしっかりと物語るようです。

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最初はアイアンの「ウェッジ」を使って練習。まずは握り方から

午後6時前、3人そろったところで挨拶を交わし、さっそくレッスン開始です。アコーディア・ゴルフが事前に用意してくれた女性用のゴルフセットの中から、2人が取り出したのが「ウェッジ」。アイアンと呼ばれるクラブの一本で、「シャフト(クラブの長さ)が短く、初心者に扱いやすいので」とクラブ選択の理由を宮下プロは説明してくれました。

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2人ともゴルフクラブの握り方から一苦労。でもこの基本がとても大切

レッスンはまず、クラブの握り方(グリップ)とアドレス(クラブの構え方)から。教わったのは「インターロッキンググリップ」と呼ばれる握り方です。左手のこぶしの山が見えるようにまずはクラブを握ります。その後、左手の人差し指を浮かせ、中指との間に右手の小指をはさみ込み、左手の親指を右手で覆い隠すように握ります。アドレスは両足を肩幅程度に開き、両膝を軽く曲げ、胸を張りながら前傾姿勢をとり、グリップがおへそ付近にくるようにします。そして打席のマットに置いたボールと直角になるようにクラブを構えます。

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クラブの握りができたら、宮下プロは手首やひじの使い方を丁寧に教えていきます

「正しいグリップができていれば、クラブを振る際も手首がきちんと動く。腕力がなくても、リストワークさえしっかりできれば、子どもでもOK」と宮下プロ。何事もやはり基本が大事ですね。「わぁー、小指がつりそう」。宮澤さんがさっそく悲鳴を上げると、田中さんも「クラブが重たい!」とポツリ。そんな2人に「最初のうちは慣れないので大変ですが、一緒に頑張りましょう」と宮下プロが励まします。

記念すべき人生初の一打、ゴルフボールの行方は...

打席で何度か素振りをした後、いよいよティーアップし、少し浮かした状態のボールをまずは試し打ちです。記念すべき2人の第一球の行方は――。

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宮下プロは2人の最初のスイングを注意深く観察。修正点を的確に指示していきます

「ビギナーズラック」という言葉は、残念ながら2人には当てはまらなかったようです。2人のボールはいずれも約1メートル斜め先へと力なく転がり、その後、階下へとポトリ。「あー、当たる気がしない」。早くも田中さんから弱気な発言が飛び出します。そこで宮下プロがある秘密の道具を持ち出しました。サイコロのような形をしたクッションです。マットの上に置き、その側面の下部をクラブで打つよう2人に命じたのです。それからもう一つ、ボールを打つときは、ティーアップせず、マットにじかに置いて打つよう立て続けに指示が飛びました。「コースに出たら大半はティーアップせずに打つことになるので」(宮下プロ)。おっしゃるとおりです。

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握りを再確認。クッションを打ってボールに力を伝えるスイングの感覚を身に付けます

「グリップはこう」「足は肩幅」「腕はなるべく曲げずに」。基本の動作を教わったとおり一つひとつ確認しながら打席に立つ宮澤さんは、中学時代は陸上部、高校時代はバスケットボール部だったそうです。「小さくて、おまけにとまっているボールは苦手なんです」。そう謙遜されますが、ボールのつかみは端から見ていてもなかなかのものでした。「今、いい音がして、まっすぐいきましたね」「やった、40ヤード超えしました」。ボールがまっすぐな方向へと飛び、次第に飛距離がのびていくにつれ、宮澤さんは笑顔が増え、冗舌さを増していきました。

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教わったことを逐一確認しながらボールを打つ宮澤さん。レッスン開始から1時間半を過ぎたころスイングはさまになってきました

一方、その隣の打席で、ボールを1球打っては、何度もクッション練習を黙々と重ねる田中さん。やや非力なせいか、クラブに田中さんが振り回されているように見えました。「ティーアップして打った時より、急激に良くなってきましたよ」。傍らで見守る宮下プロの励ましにも、どこか上の空でした。「ボールを打った瞬間、クラブが一緒に飛んでいきそう。握力が弱く、圧倒的にパワーが足りない気がします」。田中さんの自己分析でした。家で映画を見るのが好きで、どちらかと言えばインドア派のせいか表情は自信なげです。

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なかなか飛距離が出ない田中さん。弱音を漏らしながらも懸命にクラブを振り続けました

集中すると、時間がたつのが早いもの。時計の針は間もなく午後8時、レッスン修了時刻です。「背中がつりそう」(宮澤さん)「握力がなくなりました」(田中さん)――2時間真剣に打ち続けるのはかなりの運動量。普段使わない筋肉に負荷をかけ、2人ともカラダの節々にダメージを感じているようです。

「ゴルフはメンタルなスポーツです。うまくいけばラッキー、初めはうまくいかないものだと思って淡々とやっていきましょう」。初回のレッスンを終え、宮下プロから田中さんへのアドバイスでした。

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宮下プロがタブレット端末でスイングを撮影。自らのフォームを確認します

宮澤さんには「習ったことを言葉に出して確認しながら打つのはいいことです。アウトプットしていると記憶が定着するんです」と彼女の練習スタイルをほめた上で、「ずいぶんと飛距離が出るようになりました。これからいい思い出を作っていきましょう」と激励しました。

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宮澤さんは宮下プロが指導した内容を一つずつ確認しながら、丁寧にスイングしていたのが印象的です

悲喜こもごもの2人にサプライズプレゼントがありました。アコーディア・ガーデン東京ベイの榎本和彦支配人からで、「60分間打ち放題」の無料チケットが各8枚、贈呈されたのです。次回の公式練習は2週間後。8月初旬にはコースを使ったレッスンが控えています。「自主練、しっかりお願いしますよ」と釘を刺す宮下プロ。「練習した時は、その時の様子をスマホで撮影して送って下さい。チェックしますから」と宮下プロは至れり尽くせりのサポートで奮起を促します。

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アコーディア・ガーデン東京ベイの榎本和彦支配人から自主練習ができる無料チケットが2人にプレゼントされました

「先生の顔に泥を塗るわけにもいきませんから」。そう自分に言い聞かせる田中さん。宮澤さんは「駅のホームで傘で素振りしているおじさんの気持ちがわかる気がしました。筋肉痛が心配だけど、今夜はぐっすり眠れそうです」と笑顔で話し、東京ベイを後にしました。全くのゴルフ初心者の2人のこれからに目が離せません。

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ゴルフコースのデビューに向けて初心者2人の挑戦は始まったばかりです

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