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子どもの「ハレの日」に花を添えよう、家族の装いにひと工夫

まもなく春の卒園・卒業・入学式の季節がやってきます。平成の最後に子どもの「ハレの日」を迎えるご家庭では、そろそろ準備が気になりますね。昨年11~12月に実施したジブンらしさ研究所のアンケートでは、ハレの日に何を着ていけばいいのか悩ましいとの声が多く寄せられました。周囲から浮きたくない、でも親子の思い出になる一日にしたい――。世はSNS(交流サイト)全盛時代。写真やビデオで振り返った時にも思い出に花が添えられているようなひと工夫をしてみませんか。

働くママは忙しい、だからこそ早めの準備を

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働くママは毎日が忙しいからこそ、ついつい特別な日の準備を怠りがちです。ギリギリになって慌てたという失敗談はよくある話。「長男が着たセレモニースーツを次男に着せようと数年ぶりにクローゼットから出したら、白いシャツに黄色いシミが・・・」「親子でスーツを用意してバッチリ!と思いきや、油断して子どもの靴を忘れていた」といったエピソードがジブ研アンケートにも寄せられました。

働く女性を多く取材している日本経済新聞女性面の佐々木玲子編集長によると、袴などをレンタルする場合も早めに予約しないと好きな柄が残ってないリスクがあります。最近は小学校の卒業式でも袴姿の女子がいます。せっかくの晴れ着なのにお気に入りでないと子どもも残念な気持ちになりますね。かく言う佐々木編集長も子どもの卒園式前日に慌てて自らの衣装を買いそろえた口。「閉店間際に飛び込んだ百貨店になじみの店員さんがいたので、コサージュなどもそろえてもらい、なんとか助かりました」と反省気味に振り返っていました。

周りへの同調だけではもの足りない、子どもへの思いを大切に

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もうひとつ、佐々木編集長にはこんな失敗談も。「小学校の卒業式でのこと。息子にワイシャツ、ネクタイと合わせ、紺のカーディガンを着せたところ、他の男子児童の大半は紺のジャケットを着用。息子から『恥ずかしかった』とこぼされました」。ジブ研アンケートでも卒園・卒業・入園式の装いについて最も多かった声が、「周囲から浮かないか」という心配でした。ほかの人たちと同じようにしておきたいという意識はやはり強いようです。地域や園・学校によってセレモニーの雰囲気は大きく違っていますから、周囲がどのような装いで参加しているかは、ママ友や先生などの関係者から情報収集しておく必要があります。

とはいえ、周囲に同調するだけでは家族の思い出が淡白になりかねません。「幼稚園の入園式で保護者のほとんどが紺色のスーツ姿。わが子は自分の母親がわからなくなり、よその母親について行った」なんていう体験談もアンケートにありました。また「仕事で忙しいと、子どもの行事はつい事務的にこなしがち」と佐々木編集長。その感覚が失敗につながる例もあります。保育園の入園式に単なる「登園初日」の感覚で臨み、子どもも普段着、自分も仕事着で参加した30代女性は「入園式での予期せぬセレモニー感に焦り、普段着で式に臨ませた自分の薄情さを後悔した」そうです。

注意すべきなのは、周囲から浮かないことではありません。こんなケースもあります。「卒園式で1人だけ和装のママがいました。とても素敵で式に込めた思いが伝わり、感動しました」。マナーを守り、周囲に不快な思いをさせなければいいのです。そのうえで最も大切にしたいのは、主役である子どもへの思いではないでしょうか。

特別感を演出、家族の思い出に「彩り」を

では、子どもの心に「ハレの日」がよりよい思い出として残るように、親はどんな工夫ができるのでしょう。ジブ研アンケートにそのヒントとなる事例が寄せられています。

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「長男とパパはスーツとネクタイの色をそろえました。長男は少し恥ずかしそうにしながらも、うれしそうで良かったです」/「女の子とママの服のトーンがあっている親子はステキだなと見るたびに思います」/「めったにしない編み込みをしてあげると、娘はとてもうれしそうでした」

いずれも子どもに対する愛情が感じられますね。せっかくの「ハレ」の日です。「ケ」(日常)とは違う特別感があるほうが、親子ともども思い出が鮮やかになって心に刻まれるのではないでしょうか。親子のリンクコーデなどは、子どものハレの日を親も一緒になってお祝いしている感じが伝わりやすいのかもしれません。子どもが大きくなり、写真やビデオで振り返った時にはなおさらです。

子どもにとって通っている園・学校の卒園・卒業・入学式は一度しかありません。もちろん式典そのもので味わう感動が一番大きなものですが、当日の親子の装いを工夫すれば思い出に花を添えることができます。家族の絆が一段と深まるきっかけになるかもしれません。何げなく流され過ぎていく一日ではなく、事前の準備と工夫でより思い出深い一日にしてみてはいかがでしょう。

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