イベントリポート
「前田有紀さんと行く信州花の旅」会員限定バスツアー・前編
2018.08.03
日経ウーマノミクス・プロジェクト5周年と個人会員20万人突破を記念した会員限定バスツアー「前田有紀さんと行く信州花の旅」が8月3日、十数倍の応募倍率をくぐり抜けた強運の女性会員23人とともに開催されました。朝8時~夜9時30分までのお楽しみ満載のツアーの様子を、ドキュメントで2回にわたってお届けします。前編は、講師を務めた元テレビ朝日アナウンサーでフラワーアーティストの前田有紀さんの素敵なメッセージとフラワーアレンジメントのレッスンです。
中央自動車道で一路、夏の信州へ
<午前8時> 東京・新宿の都庁前に時間どおりに集まった参加者のみなさんが、ウマノミ事務局スタッフから旅のしおりなどが入ったバッグを受け取りバスに乗車。定刻どおり夏の信州に向けて出発しました。
車内では朝食のサンドイッチが配布され、スタッフから一日の流れの説明や参加者のみなさんによる自己紹介。中央自動車道で一時間余りがたったころ、バスの進行方向にぱっと盆地がひらけます。左手にはこんもりした桃畑、右手にはぶどう畑。山梨県の甲府盆地です。
<午前9時40分> バスは最初の休憩地点、双葉サービスエリア(山梨県甲斐市)に。さっそく特産の白桃や巨峰のソフトクリーム、天然氷のかき氷などの味覚を楽しむ参加者も。天候は快晴。真夏の明るい日差しと入道雲が空に広がっています。
「人生のカジを切るのは自分」前田さんのキャリアを変えた花の魅力
<午前10時> 休憩をはさみ再びバスは出発。スタッフによるウクレレの演奏で盛り上がったあと、講師の前田さんのお話です。
2013年に10年間アナウンサーとして勤めたテレビ局を退社し、現在はフラワーアーティストの肩書でパーティーやイベントの装飾、企業とのコラボ商品の開発などで活躍する前田さん。そんな思い切った転職のいきさつを明かしてくれました。
テレビ局に勤めていたころは朝の番組に出演するために未明に出社する日もあれば、夜通し番組を収録する日もある不規則な生活。仕事は充実していたものの、プライベートを楽しめていないと感じていたそうです。子どものころから自然に憧れがあったといい、ある日、自宅に花を1輪だけ飾り始めました。
「それだけで大きな違いが生まれました」と前田さん。仕事で落ち込んだときも、帰ればきれいに花が咲いているのを見ると元気になる。分刻みで動く仕事に駆け回るなか、花はゆっくりしたペースで咲いて散っていく。自然の時間の流れを感じることができたといいます。
花の数が1本からやがて2、3本と増えていき、アレンジメントを習い始めて数年たったころ、自然や緑とかかわる仕事への転職を思い立ったと話してくれました。
13年にテレビ局を退社して、ガーデニングの本場である英国・コッツウォルズに半年間留学。大都市でも花関係のワークショップやイベントが多い国柄に触れ、「都会でも花のある暮らしを提案したい」と、帰国後に履歴書を持って「就活」し、生花店に就職しました。花の仕事の勉強になっただけでなく、初めて接客の業務に携わり、レジを打つときには手が震えたそうです。「人生の勉強にもなった」と振り返りました。
3年間の生花店での勤務を経て独立。今年5月には法人化して社長となりました。転職を決めた当初は、大企業を退職することを周囲に反対されたそうです。けれど、「これをやりたいという思いを確信に変えられるのは自分にしかできないこと。人生のカジを切るのは自分しかいない」との力強いメッセージに、参加者は深くうなずいていました。
冷たい川の水に足を浸しながらフラワーアレンジメント体験
<午前11時40分> 今回の目玉プログラムであるフラワーアレンジメント体験の会場である片桐花卉園(長野県飯島町)に到着です。涼しい川岸まで移動するとテントの下に花卉園の看板品種であるアルストロメリアなどの花や、とりどりの葉物の植物が並べられています。花卉園のオーナーの片桐鏡仁さんからそれぞれの名前や特徴を聞いたあとは、いよいよ前田さんの指導によるアレンジメント講座です。
「みなさんが"この子"って気に入った花を2本とって、次にグリーン(葉物)をふわっと添えて。ヤマゴボウの実など動きのあるものは高い位置に出るように入れると自然の空気感が出ます」。冷たい川の水に足を浸しながら前田さんの説明を聞いて、参加者は真剣な面持ちでオリジナルの花束を仕上げていきます。
前田さんは一人ひとりの花束を見て、丁寧にアドバイスしていました。完成したあとは川のほとりで集合写真をパチリ。次は昼食と自由時間の会場、みはらしファーム(長野県伊那市)をめざして移動です。