イベントリポート

夏はお肌の分岐点、内と外から鍛え直すエイジングケアを

さぁ、夏到来です。日焼けなど女性にとって肌のケアが気になる季節となりました。実は「ひと夏で女性の肌は5歳年をとる」と言われるほど、夏はスキンケアが大事な時期だそうです。では具体的にどんなケアをすればいいのでしょう? 6月5日に大阪で開催されたセミナー「いま、本当に必要なスキンケアとは?~うるおい肌のヒミツに迫る!」(主催:日経ウーマノミクス・プロジェクト実行委員会)をのぞき、解決策をさぐってみました。

紫外線、乾燥、温度差・・・肌にとって過酷な季節

司会を務めるキャスターの原田恵理子さんの紹介で、オルビスのPRマネージャー、島野麗子さんが登壇しました。島野さんはオルビス入社後、顧客対応や商品企画部門も担当した経験を持つスキンケアの専門家です。

夏はサングラスや日傘で紫外線・日焼け対策、乾燥や小じわ対策は冬に――。こんな風に思っている方が多いかもしれません。島野さんはそんな誤解の解消から説明を始めました。「外での紫外線ダメージ、室内での冷房による乾燥、室内外の温度差。実は夏こそ肌は過酷な状態にさらされます。夏のエイジングケアが肌の状態を左右する分岐点と言っても過言ではありません」

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オルビスの島野麗子さんは商品企画部門の経験も持つスキンケアの専門家

「本来の機能が発揮されている肌とそうでない肌では、いかにキメや毛穴の状態が異なるか」「見た目の若さは目元ではなく、実は頬にツヤがあるかどうかが決め手になる」。会場に詰めかけた約80人の女性は、スクリーンに映し出された肌質や頬の艶の違いがはっきりわかる写真を見つめながら、熱心に島野さんの言葉に聞き入っていました。

島野さんが特に強調したのは、肌の悩みが起きた時にその都度ケアを考える対処療法ではなく、肌本来の機能を高める根本対策の必要性です。風邪を引いた時に薬を飲むのではなく、普段から食生活や運動で身体を鍛え、風邪をひきにくい体質をつくることと同じだといいます。

肌細胞の「水の通り道」を増やす

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セミナーでは肌細胞のメカニズムから丁寧に説明した

では、肌本来の機能を高めるにはどうしたらいいでしょう。それを知るには、肌がうるおい不足になるメカニズムを理解することが重要です。バリア層、保水層、弾力層と役割の違う層で構成された皮膚は、加齢やストレスにさらされると、肌の細胞内で水を通すアクアポリンと呼ばれる成分(タンパク質)が少なくなることがわかってきました。この水を通す役割を担う成分が不足すると、細胞が小さく縮み、これが肌のハリの低下や乾燥などにつながってしまうわけです。

逆にいえば、すべての肌層の細胞内で「水の通り道」をたくさん増やしてあげれば、肌のうるおいも回復するはずです。オルビスでは長年の研究で、この「水の通り道」を増やすエキスを発見し、18年10月に発売したスキンケア製品「オルビスユー」に生かしたそうです。

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会場内にはポーラ・オルビスホールディングスの株主優待として提供している商品が並んだ

島野さんはもう一つの肌の抜本対策にも言及しました。それは「体の内部からアプローチする皮膚ケア」の視点です。玄米などにわずかに含まれるグルコシルセラミドと呼ばれる成分には、身体の内部に取り入れることで、体内でうるおいのもとであるセラミドを作り出す働きがあり、それにより水分が逃げにくく、外からの刺激に強い肌になることがわかっています。

19年1月にオルビスが発売した「オルビス ディフェンセラ」は、こうしたグルコシルセラミドの機能を400人以上を対象に検証、10年もの歳月をかけて研究して生まれた製品だそうです。消費者庁の許可を受けた「特定保健用食品(トクホ)」の中でも、肌への機能をうたった商品としては日本初の発売になります。

株主優待、ポイントに応じ商品と交換

セミナーの最後には持ち株会社であるポーラ・オルビスホールディングスでIRを担当する熊本宏美さんがグループのブランド戦略や業績などを説明しました。同社は国内を中心に展開するポーラやオルビスといった「基幹ブランド」、海外を中心に展開する「海外ブランド」、THREEをはじめとする「育成ブランド」をそろえて、多様化する嗜好やライフタイルに対応させています。商品もターゲットや価格帯によってきめ細かく分かれています。

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会社のブランド戦略や株主優待制度について熊本宏美さんが説明

19年12月期の連結業績は医薬品事業の売却の影響で売り上げこそ減収の見通しですが、営業利益は400億円強と10期連続の増益を計画しています。創業90周年を記念した配当も実施し、株主還元にもより積極的に取り組む姿勢です。同社の株主優待制度は保有株式数・保有年数に応じてポイントを付与する仕組みになっています。「株主の約半分を占める女性を意識した制度で、ポイントに応じて、お好きなグループの商品と交換ができます。また3年分積み立ててられるので、貯めて憧れの商品を狙う株主の方もいらっしゃいますよ」と熊本さん。会場には優待商品のお試しコーナーもありました。

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交流会では参加者からの質問が相次いだ

トークタイムの後は場所を移して交流会が開かれました。島野さんをはじめポーラ・オルビスホールディングスの担当者らが参加者の質問に丁寧に答えていました。参加者からは「外からでなく内からのケアも大事なのがわかり、肌の見方が変わりました」「肌細胞の仕組みがわかっておもしろかった」「スキンケアだけでなく株主優待の話も聞けて良かった」という声があり、皆さん満足していました。内から外から肌を根本から鍛えなおし、季節の変化に負けないトラブルに強い肌をつくっていきたいですね。

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