イベントリポート

W杯ここに注目! トップリーグ選手に聞くラグビーの魅力と楽しみ方

日本初開催となるラグビーワールドカップが9月20日に開幕。出場20チームが全国12カ所の試合会場で激突し、決勝戦がある11月2日までの期間中は世界中がラグビー熱で沸きあがります。日経ウーマノミクス・プロジェクト実行委員会は開幕を控えた9月11日、東京・丸の内でラグビー観戦を楽しむためのイベントを開きました。トップリーグに所属する「NTTコミュニケーションズシャイニングアークス」の現役選手3人がウマノミ会員らと交流し、初心者でもすぐに実践できるラグビーの楽しみ方やワールドカップの注目点を披露。9月になっても暑さが続くなか、運動中や観戦中に気を付けなければならない熱中症対策を一緒に学びました。

選手が語るポジションの役割

イベント会場はラグビーファンの交流拠点として、三菱地所グループが11月3日まで期間限定で開設している「丸の内15丁目プロジェクト Kominkan」。当日夕方は激しい雷雨となりましたが、イベントは無事に定刻午後6時45分にスタート。ワールドカップ関連グッズが並ぶ会場内は、ラグビーに興味のある参加者とゲストのトップリーグ選手の陽気な語りで、すぐに外の雨を感じさせないさわやかな空気が広がりました。

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イベント会場はゲストの選手たちと参加者が間近で、徐々に一体となった雰囲気に(東京・丸の内)

ジブンらしさ研究所が9月中旬に実施た「女のホンネアンケート」 では、ラグビーのルールが分からないという人が67%もいましたアンケート結果こちら)。ラグビーのルールや魅力を分かりやすく解説するこの日のゲストはシャイニングアークスの三浦嶺選手、湯本睦選手、松尾将太郎選手です。3人とも20代。最年長の三浦選手はフォワード8人で組むスクラムの最前列真ん中、背番号2の「フッカー」というポジションです。司会の三須亜希子さんがちょっと気になることを尋ねます。
 三須さん「スクラムの密集の中で選手は何か声を出してるんですか?」
 三浦選手「スクラムは力と力のぶつかり合い。相手を押し込む力が最大になるように、掛け声を出して8人が同じタイミングで押す練習をしています。押し合いの迫力はラグビー観戦の醍醐味ですね」

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三浦嶺選手はNTTコミュニケーションズの経営企画部に所属。1990年生まれ、東京都出身

湯本選手は背番号9の「スクラムハーフ」。スクラムなど選手の密集から出るボールを受けて、バックスにつなぐポジションです。パスのスピードは攻撃力を大きく左右するため、技術とセンスが求められます。
 三須さん「湯本選手も小柄(身長164センチ)ですが、ラグビー選手の中では比較的体格の小さい方が多いポジションですね」
 湯本選手「チームで一番多くパスを放るポジションで、フォワードをリードしてバックスにつなげる重要な役です。体格は小さいですが、どのポジションでもできますよ」

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湯本睦選手はアプリケーション&コンテンツサービス部に所属。1994年生まれ、大阪府出身

松尾選手は入社1年目の新人で、ポジションは背番号10の「スタンドオフ」。バックスの最前列にいて、スクラムハーフから受けたパスを次にどう展開するかを判断するチームの重要な司令塔です。
 三須さん「若くしてチームの司令塔なんですね」
 松尾選手「ゲームをコントロールするポジションです。パスもキックも技術が求められるし、メンバーとしっかりコミュニケーションをとって戦術を決める役割があります。試合状況に応じて臨機応変に戦術を変える頭脳が求められ、チームの勝敗を大きく左右する立場といえます」

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松尾将太郎選手はICTコンサルティング本部所属。1996年生まれ、福岡県出身

ワールドカップの注目点

ゲスト3選手が自らのポジションについて説明し、会場の参加者もチームの中での選手の異なる役割に関心が高まった様子です。「それぞれのポジションの役割と動きに注目するのもラグビー観戦の楽しみ方のひとつですね」と三須さん。そのうえでワールドカップで注目する選手や海外チームを3選手に語ってもらいました。

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司会のフリーアナウンサー、三須亜希子さんはスポーツ観戦が趣味。東京マラソンを完走した経験も

三浦選手が優勝候補とみるのは南アフリカです。前回2015年大会では日本が南アを逆転勝利し「世紀の番狂わせ」と話題になりましたが、今大会直前の9月6日の試合で南アは日本に完勝しました。「フォワードの力強さとバックスの展開力の両方を備えたとても強いチーム。自分と同じフッカーのマルコム・マークス選手は次のシーズンでシャイニングアークスに来るのでレギュラー争いのライバルです」と目を光らせます。

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会場の「丸の内15丁目プロジェクト Kominkan」にはワールドカップの関連グッズなどが展示中

湯本選手が見どころと指摘するのは「ワールドカップ3連覇を狙っているニュージーランド」です。「ラグビー王国の実力を肌で感じられる貴重な機会ですし、スタンドオフ(10番)のボーデン・バレット選手は実力だけでなく、イケメンなので注目してください」と笑顔で参加者にアドバイスしました。松尾選手は9月11日現在で世界ランキング1位のアイルランドを挙げました。「気になるのは自分と同じスタンドオフ(10番)で昨年の最優秀選手賞を取ったジョナサン・セクストン選手。予選で日本と対戦するので注目してほしい」と語りました。

熱中症の予防法と対処法

会場には「南アフリカの試合を神戸まで見に行きます」「ニュージーランドの試合に行きます」という参加者も。そこでイベントの第2部では、試合・練習中や観戦中に気を付けたい熱中症の対策について、ゲストの選手と参加者が一緒になって学びました。コーディネーターは高校時代にラグビー部マネジャーをしていたという大塚製薬の金子真彩さんです。

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トップリーグ選手と一緒に熱中症対策を学ぶ

最初に金子さんが熱中症の基礎知識を説明し、その後はクイズ形式で熱中症の対処法をゲストに出題しました。最初に指名されたのは湯本選手。「隣の松尾選手が熱中症を疑う症状があります。どうしたらいいですか?」との問いに、スラスラと答えます。「最初に『大丈夫ですか?』と意識確認をし、涼しい場所に移動します。その後にスポーツドリンクをキャップを開けずに渡して、本人が自分で飲めるかを試します」。「びっくり! 完璧ですね」と金子さんは目を丸くします。「予習してきたので」と湯本選手は笑顔で応えました。

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熱中症に関するクイズを出題する大塚製薬の金子真彩さん

松尾選手も「水をかけて体を冷やすことが大事」という対処法に関する出題に見事に正解。三浦選手も「どんな飲み物を飲ませるとよいでしょうか」という問いに「脱水状態で汗と一緒にミネラル分も失っているので、電解質が入っているスポーツドリンクが最適」と答え、金子さんも「お見事」とうなりました。

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経口補水液とスポーツドリンクの違いは?

さすがスポーツ選手。熱中症対策は完璧のようです。最後の質問は「経口補水液とスポーツドリンクの違いは何?」。ここでも三浦選手が自信ありげに答えます。「経口補水液のほうがより体液に近い」――。一瞬の間を置いて、金子さんがにっこりしました。「ザンネーン! 実は体液により近いのはポカリスエットのようなスポーツドリンクのほうです。経口補水液は熱中症になった病者用に作られていて、塩分が濃くなっています」と解説しました。熱中症の予防にはスポーツドリンクをこまめに摂取することが大切ということです。

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来場者の中からゲストの選手の背番号と同じ入場番号だった3人には、会場の小型販売機の栄養調整食品をプレゼント

ラグビーの楽しみ方と熱中症対策を学び、さぁ、ワールドカップです。4年に1度のラグビーの祭典、世界最高峰の試合をここ日本で思う存分に楽しみましょう。

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