イベントリポート

ひと工夫で写真は変わる~新聞カメラマンが教えるワークショップ

「SNS映え」の写真ってどう撮ればいいの? 仕事で写真撮影を頼まれた! いつもの写真をワンランクアップする基本の「き」をベテランの新聞カメラマンが教えるワークショップが、2019年11月20日、東京・大手町で開かれました。日経ウーマノミクス・プロジェクトのパートナー企業・オハヨー乳業から提供された商品を「モデル」に撮影を実習する実践的な内容で、10倍を超える倍率の抽選をくぐり抜けた約50人のウマノミ女性会員が写真の腕を磨きました。

「大事な一瞬を生き生き伝える」報道写真のテクニック

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講師はベテランの新聞カメラマン、日本経済新聞社編集局写真映像部の矢後衛シニアフォトグラファー

少し冷え込んできた晩秋の夕刻。ワークショップに参加するウーマノミクス会員のみなさんがタリーズコーヒー日本経済新聞社太陽樹店(東京・千代田)に続々と集まってきました。この日は、日ごろみなさん写真を撮る機会も多いであろうカフェが会場です。各テーブルには撮影実習で使うオハヨー乳業の「ジャージー牛乳プリン」のモックアップ(模型)や紙ナプキン、小さな木製スプーンなどの小道具がセットされています。

講師を務めるのは日本経済新聞社編集局写真映像部の矢後衛シニアフォトグラファーです。矢後氏は入社以来、新聞社のカメラマンとして事件・事故から政治経済の要人、時にはスポーツと多種多様な分野の報道に携わってきました。

大事な一瞬を生き生き伝える一枚を撮るテクニックとは――。コツを教えてもらう前に、まずは1回目の撮影実習タイム。ここで、自分がいつもどのように写真を撮っているか手を動かしてみて、矢後氏の解説を聞く準備です。「では撮影をどうぞ!」。司会から掛け声がかかると、みなさんさっそく小道具を思い思いに配置してシャッターを切り始めます。矢後氏もテーブルの間を回りながら参加者の撮影ぶりをチェック。このあとの解説のポイントを考えている様子です。

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コツの解説を聞く前に、まずはいつもの撮り方で撮影してみます

実習タイムのあとはいよいよセミナー開始。レンズのケアや、スマホやカメラの構え方など撮る前に押さえておくべき勘所からレクチャースタートです。参加者のみなさんは、真剣な面持ちでテキストに書き込みながら矢後氏の説明に聞き入っています。実演を交え、実際に撮る際のヒントもちりばめられ、飽きさせません。

食べ物の撮影テクニックに話が及ぶと、みなさん関心の高いテーマだからか会場の熱気もいちだんと上がります。「立体的でおいしそうな写真は逆光で撮る」「アングルは斜め上45度から」など、すぐ試したくなる小技が次々と披露されると、会場から思わず「へえー!」と声が上がります。

マンツーマンでアドバイス

当日、会場の店内は照明を落とした空間。そのまま撮ると暗い写真になってしまいますが、そんなときにはスマホのライトを使うといいとのこと。矢後氏がふだん仕事で使っている撮影専用のライトの機材も登場しました。セミナーの最後には、この日のために矢後氏が街中で撮っておいた写真を例として掲示しながら、アングルや画面構成を比較すると、みなさん興味津々の様子でのぞき込みます。

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10倍を超える倍率の抽選をくぐり抜けた約50人のウマノミ女性会員が参加。会場はほぼ満席で、写真の撮り方への関心の高さが伺えました

プライベートの写真だけでなく、インタビュー風の写真や講演会の記録といった仕事上の写真の撮り方についてもレクチャー。写したいもの、伝えたいことは何か? 新聞カメラマンらしい視点で、「わかりやすい写真」はどのように撮るか、とっておきのコツを伝授してくれました。

矢後氏の解説を聞いたあとは2回目の撮影実習です。マンツーマンで矢後氏にアドバイスをもらう参加者の姿があちこちにありました。同じテーブルに座った同士で協力し合ってライトで照らしたり、葉や小花の造花などの撮影小道具をプラスしたりして1回目からレベルアップした一枚を次々とカメラに収めていきます。

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セミナーで学んだことを生かして2回目の撮影実習タイム。同じテーブルの参加者同士で協力してライトで照らしあう様子も

練習成果はSNSに

セミナーの後はお待ちかねの交流タイムが始まります。みなさんカフェの軽食を楽しみつつ、引き続き会場に残った矢後氏は参加者からの質問攻めに・・・。

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セミナー終了後も矢後シニアフォトグラファーは各テーブルを回り、参加者の質問に答えます

交流タイムではオハヨー乳業から、撮影実習用にモックアップをご提供いただいた「ジャージー牛乳プリン」についての紹介も。矢後氏がセミナーで「わかりやすい写真は引き算の発想で、シンプルに撮る」と説明していたことを引き合いに、「ジャージー牛乳プリンも引き算で作っています。国内で希少なジャージー牛のミルクを使い、濃厚でコクがある味わいを生かして余計な足し算をしていません」とマーケティング戦略本部デザート・フローズン企画課の田村元彦さんが紹介してくれました。商品は発売20周年を迎えたロングセラーですが、光に弱いジャージー乳で作られた中身を守るためにフタもカップも光を通さない素材を使うなど、進化を続けているそうです。

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オハヨー乳業マーケティング戦略本部デザート・フローズン企画課の田村元彦さんから、撮影実習用にモックアップをご提供いただいた「ジャージー牛乳プリン」についてもご紹介

交流タイムもあっという間にすぎていきます。この日、参加者の方々が撮った写真は「#日経ウーマノミクス・プロジェクト」「#オハヨー乳業」「#写真女子」などのハッシュタグをつけて、写真共有アプリのインスタグラムやツイッターなどのSNS(交流サイト)にアップしてもらいました。ぜひ練習の成果をみなさんもご覧になってみてください!

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