イベントリポート

ともに学び、ともに進もう ~ 女性リーダー養成講座 in 新潟県

日経ウーマノミクス・プロジェクトが企画協力し、新潟県が主催する「自分らしく前向きに働く~女性社員のスキルアップ講座」が7月、新潟県内の4会場(上越市、長岡市、新潟市東区、同中央区)でそれぞれ始まりました。管理職・リーダーを目指す県内の女性社員を対象にした計3回(7月、8月、10月)の連続講座です。1回あたり6時間の講座で、講義とグループワークを繰り返す実践的な内容です。梅雨真っ只中の7月17日、長岡市で開かれた第1回目の講座の様子をのぞいてきました。

働く女性の現状を知る

全国屈指の規模を誇る「長岡まつり大花火大会」(8月2日、3日)を半月後に控え、JR長岡駅前は花火大会間近のムードが高まっていました。駅から車で10分ほど、信濃川の対岸にある「ハイブ長岡」が女性リーダー養成講座の会場です。県内4会場とも定員は約30名。長岡会場には32人の働く女性たちが集まっていました。

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第1回目の講座は、今年3月まで日本経済新聞「女性面」編集長を務めた佐々木玲子・日本経済新聞社人材教育事業局部長が講師です。受講者は「女性が働く環境と期待される役割」と題した佐々木講師の講義を聞き、4~5人のグループでワークをしながら、ビジネスにおけるスキルとマインドの両面を引き上げていきます。

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佐々木玲子講師(左)のソフトな語りに、参加者の心が自然と和んでいきます

講座ではまず働く女性はいま、どんな状況にあるのかを確認しました。全国と新潟県の女性の就業者数や正社員比率を比較し、改正男女雇用機会均等法や改正育児・介護休業法など法制面の変化などにも触れ、5~10年後の自身の働く姿をイメージしていきます。全国の民間企業の女性比率(2018年)は係長クラスで18%、課長クラス11%。この日の参加者は地元企業で主任や係長の肩書を持つ女性たちです。「皆さんは、こうしたまだ少ない貴重な方々のおひとりでいらっしゃるんですよ」と佐々木講師は語りかけます。

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なぜ女性は自信がないのか

女性管理職比率は欧米諸国に比べ、日本はきわめて低いのが現状です。「難題に直面した時にやりとげる自信があるか?」との問いに、女性は男性に比べて自信があると答える人は少ないようです。佐々木講師はこうしたアンケート結果を紹介し、「女性の自信のなさは何がネックになっているのでしょうか」と会場に投げかけます。各グループは与えられたテーマについてディスカッションしながら、研修は進んでいきます。

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午前の部が終わり、昼食の時間にも各グループは食事をしながら「リーダー像」について話し合いました。午後の部は早速、そのリーダー像についてのグループ発表です。佐々木講師はリーダーシップ発揮のために大切なことを考えてもらうために、2つの問いかけをしました。「仕事で大事なことは?」「経営とは?」――。会場のあちらこちらで熱心な意見が交わされます。

新聞記事などの情報をビジネスに役立てる手法についても学びました。「ニュースは連続ドラマ、経済記事も連続ドラマ」。新聞記事の各ページから共通するキーワードを拾い、何が読み取れ、これからどんなことが起きるかを予測してみます。

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自分の思いを伝える

6時間にわたった講座の最後は、今日学んだことを振り返り、これから取り組んでみたいことについて各人が発表します。持ち時間は90秒。自分の思いを分かりやすく伝えるトレーニングです。グループメンバーはその発表についての印象や改善点などをフィードバックします。

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リーダーに必要なスキルとマインドを身に付ける連続講座は次回8月、最終回10月と続きます。第2回目の講師は大手企業へのビジネススキル研修で実績がある合同会社キモト代表社員の木本幹則さん、第3回は日経ビジネススクールの研修講座で人気の株式会社タクト&アクト代表取締役の青木テルさんです。

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上司に勧められて参加したというメーカー勤務の女性は「物事を順序立てて考えることが苦手だったので参考になりました。男性ばかりの部署に女性は私ひとり。会社から自分が何を求められているのかなあと思い始めていたので、これからどういう立場でこの講座に臨めばいいのかを考えました」と話してくれました。

総務部に勤務する女性は「女性リーダーについてきちんと考えたことがなかったので良い機会です。自分が職場のロールモデルになれるように引っ張っていければなあ」とほほ笑んでいました。保育士の女性は「先輩に勧められて参加しました。女性ばかりの職場で気心が知れていると思われがちですが、日ごろから自分の思いを正確に伝えることの大切さと難しさを感じているので、スムーズなコミュニケーションが進むように学んでいきたいです」と話していました。

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