イベントリポート

小学生が記者デビュー! 取材体験ワークショップinエコプロ2019

初めまして、「日経こどもエコ新聞」の記者です――。東京・有明の東京ビッグサイトで2019年12月に開催されたエコプロ2019で、小学3~6年生の17人が記者の仕事を初体験しました。プロの新聞記者から取材・執筆のイロハを学び、ライオンの展示ブースで同社の環境の取り組みを取材して短い記事執筆に挑戦。記事の一部は実際に12月末の広告特集紙面にも掲載されました。子ども記者のデビューの様子をリポートします。

子ども記者団がライオンブースを取材

「よろしくお願いします!」。12月初旬の土曜日、エコプロ2019のライオンブースで同社の担当者と名刺交換する元気な声が響きました。声の主は日経ウーマノミクス・プロジェクトで募集した子ども記者団。3つのチームに分かれて、同社のリデュース(使用量の削減)、リユース(再利用)、リサイクル(再資源化)の「3R」の取り組みについて説明を聞き、質問しながら熱心にメモを取っています。

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エコプロ2019のライオンブースで、本物の新聞記者のように名刺交換から取材スタートです

子ども記者のみなさんは、この日初めて取材・執筆の基本の「き」を教わったばかり。先生は日本経済新聞社編集局企業報道部の桂裕徳デスクです。桂デスクは現在、企業ニュースを中心にした紙面を手掛けるほか、大学で新聞を教材にニュースの読み方や作文指導の授業も担当しています。

わかりやすい文章を書くコツとして、大事なこと、結論から書いていくという新聞記事の「逆三角形の法則」や、学校で書く感想文と記事との違いなどを伝授してもらいます。併せて今年のライオンブースが取り上げるプラスチック問題についても予習です。桂氏から「飲む水などを通じて、毎週クレジットカード1枚分の廃プラを摂取している可能性がある」などのニュースを紹介。参加者のみなさんは真剣にメモしながら耳を傾けます。

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日本経済新聞社編集局企業報道部の桂裕徳デスクに取材・執筆のイロハを教えてもらいました

それぞれがつかんだ「ニュース」を言葉に

今回のライオンブースは「今日から始めよう! 身近なエコ習慣」がテーマ。海洋への流出などに国際的な関心が高まるプラスチック問題に焦点を当て、製品のパッケージに使うプラスチックの3Rの取り組みを、代表的な製品とともに紹介しました。

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ライオンの担当者の説明を一生懸命メモ。記事にまとめる材料を集めます

リデュースのコーナーで取り上げられた洗濯用洗剤の「トップ スーパーNANOX(ナノックス)」は、洗剤使用量が従来の約半分で済むためボトルを小さくでき、容器原料のプラスチックの量を減らしています。リユースではハンドソープ「キレイキレイ」が登場。本体ボトルを買い続けたケースと詰め替えを使った場合、それぞれの1年間のプラスチック使用量を、リンゴの重さで比較しました。

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ライオンブースでは、実際の製品ボトルやパッケージなどを見ながら同社の3Rの取り組みを学びました

リサイクルのコーナーでは台所用洗剤「Magica(マジカ)」のボトルに、飲料用ペットボトルなどから再生したプラスチックを約10%使っていることを紹介。ブースではほかに使用済みハブラシをリサイクルする同社独自の活動や、6月に発表した2050年までの新しい環境目標について展示しました。

取材が終わるとさっそく記事執筆です。すごいと思ったことやおもしろいと思ったこと、大事だと思ったこと。ピカピカの新人記者のみなさんは、それぞれがつかんだ「ニュース」を自分の言葉で、わかりやすく書いていきます。書けたら、日本経済新聞の記者出身者が添削。アドバイスをもとに書き直して、見事、17人全員が時間内に記事を仕上げることができました。

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桂デスクをはじめ、日経記者出身者が一人一人の作文にアドバイスしました

「記者」の肩書が入った名刺。取材で使った残りは、家に持って帰ってもらいました。これからも伝えたいことをどんどん言葉にして、小さな名記者になってくださいね。

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作文を書く表情は真剣そのもの。取材でつかんだ「ニュース」を自分の言葉で表現していきます

ここからは子ども記者団のみなさんの記事を紹介します!

リデュース(使用量の削減)取材班 代表的な製品:洗濯用洗剤「トップ スーパーNANOX(ナノックス)」

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3Rは環境問題にとって、大切なことだと思いました。

小学4年 阿形 瑞生記者
「リデュースの大切さ」

リデュースとは使用量を減らすことです。ライオンでは積極的にプラスチックをリデュースしています。話を聞くと、工夫が色々あったのでその中のいくつかを紹介します。
 1つ目は、洗剤の容器を小さく変えたことです。次は、つめかえ用を作り、使うプラスチックの量をへらしたことです。最後は、石油だけを使わず、バイオマスプラスチックという植物性の原料も使っていることです。
 リデュースは家庭でも取り組めるので、みなさんもやってみてください。

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ライオンは洗剤の容器もどうすればよいか考え、努力していると思い、自分も何ができるか考え、環境保護に貢献していきたいと思いました。

小学5年 石井 里桜奈記者
「プラスチックを削減するために何ができるか」

洗剤や歯ブラシなどをつくっているライオンという会社はプラスチック削減に取り組んでいます。
 1つ目は、昔の洗濯用洗剤の容器はプラスチックを使った大きな容器だったが、今は小さな容器にしてプラスチックの量を減らしています。
 2つ目は、2個以上使っていただく方にはつめかえ製品をすすめるようにしています。
 ライオンは洗剤や歯ブラシをつくるだけでなく、環境問題にも貢献していることが分かりました。

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世界の環境のために、ぼくら子どもたちも工夫できる。

小学6年 大槻 駿記者
「Reduce(リデュース)」

ライオンという会社はプラスチックのごみ問題の解決に取り組んでいる。プラスチックをなるべくつかわないために、せんざいボトルなどを工夫している。
 たとえば、小さいプラスチックボトルに大きいボトルより多くの回数洗えるせんざいを入れたり、より効果があるせんざいを作っている。
 ぼくはライオンの方からしんせつにせつめいをしてもらった。こんな工夫をしている会社はなんてすばらしいことをしているのだろうと深く思いました。

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容器を小さくするといいことがいっぱいあってすごいと思いました。

小学3年 大坪 海翔記者
「容器を小さくするといいことたくさん!」

①スマートに入れることができる! 小さくなるとスマートに収納できます。
 ②じかんがみじかくなる! あわぎれがよいので、すすぎ1回ですみ、せんたく時間を12分くらいみじかくすることがきたいできます。
 ③小さいと、おかいものがラクチンになるので女せいやおとしよりにもやさしいです。
 ④小さい、でもたくさんつかえる! じつは大きな容器のタイプより回数多くつかえます。

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環境に優しいバイオマスプラスチックの製品が増えるといいと思います。

小学6年 鎌倉 美波記者
「コンパクトだけどたくさん使える!?」

今までより容器はコンパクトなのに、中身はたくさん使える洗たく用洗ざいを知っていますか。
 ライオンの「トップ スーパーNANOX(ナノックス)」は容器をコンパクト化(リデュース)しプラスチックを減らしています。容器に植物性のプラスチック、バイオマスプラスチックも使っていて環境に優しいです。重さも軽くなり、買い物が楽になります。
 中身も植物性の洗ざいで、少しの量でもキレイになるので、ボトルを小さくしても、たくさんの回数使うことができます。

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小さな洗剤でも、大きな役割があるのを初めて知られてよかったです。

小学5年 立川 芹菜記者
「小さな洗剤のすごさ!」

小さな洗剤のすごさは4つあります。
 1つ目は洗剤置き場がスマートになります。コンパクトでも安定感もあります。
 2つ目は洗たくの時間が短くなることです。泡もすぐに洗い流せます。泡切れがいいのです。
 3つ目は軽くて小さいことです。お買い物も楽になり、女性やお年寄りにオススメです。
 4つ目は小さいのにたくさん使えることです。濃縮タイプだから、小さく見えても実は従来より回数多くたくさん使えます。またつめかえの製品は、プラスチック使用量を81パーセント減らしています。

リユース(再利用)取材班 代表的な製品:ハンドソープ「キレイキレイ」

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ライオンでは様々な取り組みを行っていることが分かりました。

小学4年 小林 宏輔記者

みなさんがいつも使っている「キレイキレイ」を例にリユース(再利用)について説明します。
 もし本体ボトルの中身がなくなったら、また新しいボトルを買うというくりかえしになっている方もいると思います。しかし続けていると、4人家族で1年間に約43個使うことになってしまいます。しかし、つめかえ用パックを使うと、ボトル1個とパック約53個までへります。
 その他にも使用済み歯ブラシを集めて植木ばちを作る取り組みもしています。これからも再利用に取り組んでほしいと思いました。

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一つの商品に環境を考えた工夫がこんなにあるなんてとてもおどろいた。

小学5年 高橋 昊記者

プラスチックの問題はとてもしんこくだ。だが、一人一人の努力が実を結ぶこともある。その一つが「3R」だ。今回は3Rの一つ、「リユース(再利用)」について書く。
 リユースを取り入れた商品はたくさんある。代表例として「キレイキレイ」を挙げる。キレイキレイは、つめかえることでごみを減らせる。1年間、4人家族で使うと、容器材料のプラスチックの使用量で約2.6キログラムの差が出る。ただつめかえするだけで、ここまで減るのだ。
 本体にもつめかえる時期が分かるような工夫がある。このような、人にも環境にも優しい商品がもっと世に広まって欲しいと思った。

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地球のためのエコは、身近なことから始められる。

小学4年 竹下 雄惺記者

「身近なもので毎日エコ」を約束しているライオン。ハンドソープ「キレイキレイ」も本体ボトルとつめかえ用が一緒に発売されている。2回目以降、つめかえ用を使うとごみを減らせるからだ。
 例えば4人家族の場合、本体ボトルを1年間使い続けると、ボトルのごみは3キログラム、りんご10個分にも及ぶ。しかしつめかえ用を使うと、0.4キログラム、りんご1.5個分ですむのだ。
 つめかえやすくするために、ボトル口を広くするなどの工夫もしている。
 「継続は力なり」。まさにエコといえるだろう。

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今までもエコ活動を行っていたがとても大切なことだと実感した。

小学5年 辻本 彩香記者

4人家族でハンドソープ「キレイキレイ」を1年間使うと、すべてボトルの場合、原料のプラスチックは約3キログラムにもなる。これはリンゴ10個分と同じ重さだ。しかし詰め替えを使うと、リンゴ1.5個分と同じ約0.4キログラムまで減らせる。
 このように身近でかんたんにできるリユース(再利用)のエコ活動はたくさんある。他にもハブラシは捨てずに回収ボックスに入れたり、コンパクトせんざいを使ったり、再生プラスチックを使った商品を選んだり。一人ひとりの少しの努力が未来の地球環境を守るのだ。

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これからもつめかえをずっと使い続けたいと思いました。

小学3年 林 悠乃記者
「つめかえを使うとごみがへる!」

4人家族で「キレイキレイ」を1年間使うとき、すべて本体ボトルを買うと材料のプラスチックは3キログラム、つめかえて使った場合は、0.4キログラムと、つめかえたほうが2.6キログラムすくなくなる。
 容器のプラスチック量をくらべると、本体ボトル1本とつめかえ用パッケージ12枚分がほぼ同じ。1年間、4人家族で使う場合、本体ボトルは約43個ひつようで、つめかえるなら本体ボトル1個とつめかえ約53個。ボトルをくりかえし使うほうが、ごみがへることがわかった。

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一つ一つの商品に意味があるのがわかって、楽しかったです。

小学3年 井田 かれん記者

プラスチックの問題について、とてもだいじな話があった。  ハンドソープの「キレイキレイ」は中身がなくなったら、つめかえ用のものを売っているから、なん回も入れ物ごと買うのではなくて、入れ物をリユース(再利用)して中身のつめかえを買うとべんり。つめかえを買うとごみが少なくなり、入れ物ごと買うと、ごみが多くなってしまう。
 つめかえてつかったばあい、本体ボトルとつめかえのパッケージにつかわれるプラスチックの重さは0.4キログラム。すべて本体ボトルをつかうと3キログラムになる。つめかえ用を買ったほうがいいと思った。

リサイクル(再資源化)取材班 代表的な製品:台所用洗剤「Magica(マジカ)」

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家や外でリサイクルをすることで環境が変わるのにおどろきました。

小学5年 安里 颯太記者

ライオンは環境にやさしい洗剤として、植物原料や生物多様性に配慮した原料を使い、大気も汚さない製品づくりを心がけている。製品をコンパクト化して船や鉄道でより多くお店まで運べるようにしたり、また節水、節電で製品を開発したりすることにも取り組んでいる。つめかえ用製品を使えば、プラスチックのごみの量を減らすことができる。
 ペットボトルをリサイクルして、細かいフレークやペレットという材料に姿を変えて作った再生プラスチックを使い、環境にやさしい容器も作り出している。リサイクルをすると、資源を大切にしたり、ごみを減らしたりできるところが良いと思う。
 ぼくは海にプラスチックのごみが流れ込んだりしないよう、お店に行くときにエコバッグを持っていこうと思った。身近なことでもいいので環境にやさしくなるようなことを心がけようと思った。

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お金も大事だけれどこれからのためには環境も大事にしたい。

小学5年 小倉 康希記者
「リサイクル問題、お金か環境か」

ライオンの台所用洗剤「Magica(マジカ)」を取材しました。マジカは容器の原料にペットボトルをリサイクルした「再生PET樹脂ペレット」を10%。まだ一度も使われたことのないPET樹脂ペレットを90%使って作られています。
 作るときに、再生PET樹脂ペレットのほうが費用が高くなります。しかしライオンは価格も環境も大切にしてバランスよくリサイクルをしています。再生ペレットを作る費用がもっと抑えられればお金にも環境にも優しくなると思いました。

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これからもっとペットボトルのリサイクルをしていきたいです。

小学4年 末松 優記者

今日はリサイクルについて取材しました。なぜリサイクルをしないといけないかというと、うめ立てしょぶんじょうを長くつかうためです。リサイクルできるのにすててしまうと、しょぶんじょうがいっぱいになって長くつかえなくなってしまいます。
 ライオンのブースで「Magica(マジカ)」の容器をリサイクルしたペットボトルを使って作っていることを教えてもらいました。ペットボトルはリサイクルに出されているものを、衣類を作るためにもつかうので、すべてを容器にすることはできません。
 ペットボトルをリサイクルして容器ができるまでを説明します。まずペットボトルからフレークというぎざぎざしたこまかいプラスチックになります。その次にペレットというまるい小さいプラスチックの材料になり、それから容器を作ります。

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ペットボトルをリサイクルすることがどれだけ大事か分かった。

小学6年 辻 真優記者

今回はリサイクルについて紹介する。リサイクルといえば、ペットボトル。リサイクルされたペットボトルはこなごなにくだいてフレークにし、さらにペレットという材料の形にして「Magica(マジカ)」のボトルになっている。ちなみにこの取り組みは今から20年ほど前の2000年ごろから行われている。
 マジカのボトルはまだ使っていないPET樹脂約90パーセントとペットボトルをリサイクルした再生PET樹脂約10パーセントを配合して作っている。2種類のPET樹脂を使い作っていることにはおどろいた。
 今は再生PET樹脂が足りていない。なので、ペットボトルをリサイクルすることが大事だということが分かった。

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私も環境のために、たくさんのペットボトルを集めようと思った。

小学6年 日向 彩乃記者

持続可能な社会へ、いま世界で様々な取り組みが行われている。その中で、ライオン株式会社も色々な工夫をしている。
 例えば、「Magica(マジカ)」の容器。飲料用ペットボトルなどからの再生プラスチックを約10パーセント使用している。だが、再生プラスチックを使うより、新しい原料を使った方がコストはかからない。ライオンの方は「お金はかかるけど、地球のためなら」とおっしゃっていた。
 ほかにも容器のプラスチックの使用量を減らしている製品などがあった。これからも、環境を守るためにがんばってほしい。

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