イベントリポート

夏野菜と快眠で夏バテを吹き飛ばそう

例年に増して厳しかった今年の夏。食欲が落ち、寝苦しくて夏バテしてしまった人も多いのではないでしょうか。「美味しい夏野菜と上質な睡眠で幸せな自分に!」をテーマに8月8日、東京・大手町のJAビルにある農業・農村ギャラリー「ミノーレ」で丸の内キャリア塾スペシャルセミナー(主催:日本経済新聞社クロスメディア営業局、協賛:JAグループ)が開かれました。野菜でキレイ・プロジェクト主宰で野菜ソムリエ上級プロの西村有加さんとエアウィーヴの快眠プロデューサーの長谷川恵美さんを講師に招き、すぐに生活に取り入れられる食事と睡眠改善のポイントを学びました。

手軽においしく! 夏野菜の時短レシピ

セミナーはJAグループやさいの日week「JAベジカレッジ」とコラボレーションし、やさい睡眠学科として開講。関東地方に台風が接近する雨模様にもかかわらず多くの熱心な受講生が足を運んでくれました。

会場にはおいしそうなだしの匂い。各自のテーブルに夏野菜を使ったメニューが試食として用意されています。メーンの「土佐ハーブのベジ茶漬け」は、高知県で生産されるミョウガやショウガなどの薬味類「土佐ハーブ」を生かした一品。爽やかな香味野菜の香りが食欲を刺激し、山盛りの野菜もどんどん食べられます。トッピングする「ニラナムル」は生のニラを手作り調味ダレであえるだけの簡単レシピ。ニラを加熱しなくて済むため栄養素が壊れず、調理時間の短縮にもつながります。

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「土佐ハーブのベジ茶漬け」(中央)には「ニラナムル」(右手前)をトッピングしたり、だしをかけたりして楽しみました。「土佐甘とう」(右奥)はそのままトースターで焼くだけで手軽に食べられます。「ミョウガ酢ソーダ」(左)はさっぱりした味わいと鮮やかな赤紫色が目にもおいしい一品

「ふだん仕事で忙しい参加者のみなさんにおすすめです」と西村さん。そのほかミョウガをスライスしてブルーベリー黒酢に漬けたものをソーダで割ったジュース「ミョウガ酢ソーダ」など、手軽に野菜を食べられるメニューが紹介されました。

西村さんによると夏バテは屋内外の温度差による自律神経の乱れや質の良い睡眠がとれていないことのほか、水分やミネラルが足りなくなったり、食欲がなくなって栄養不足になったりすることも原因になるそうです。酢や梅干し、かんきつ類など酸味のある食べ物や、食欲を刺激し消化にもいい香味野菜、香辛料をうまく使いながら、水分が豊富で紫外線から体を守る成分も豊富に含む夏野菜を上手に食べることが夏を美しくハッピーに過ごすコツだと教えてくれました。

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西村さんは「夏野菜にはどんなものがありますか?」などと会場に質問しながら楽しく解説してくれました

健康と美容に効く6つの快眠法

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「みなさん、よく眠れていますか?」と長谷川さんが尋ねると、手が挙がったのは数人。日本人は、特に女性の睡眠が短いそうです

続いて長谷川さんが登場し、睡眠の重要性とぐっすり眠る秘訣についてのレクチャーです。日本人は先進国でもっとも睡眠時間が短いといいます。作業効率の低下や交通事故などによる経済損失は5兆円に上るそうです(出所:日本大学医学部教授・内山真医師)。睡眠中は様々なホルモンバランスの調整や成長ホルモンの分泌が促されるため、睡眠時間が5時間未満になると肥満のリスクが4割増加するという研究もあります。睡眠不足は美容にも大敵です。

とはいえ仕事や家事、育児に忙しいとなかなか睡眠時間を確保できないもの。長谷川さんが教えてくれたのは「黄金の90分をしっかりとる」というアドバイスです。「黄金の90分」とは眠りについてから最初の90分のこと。深い睡眠が集中する時間帯で、「ここでしっかり眠れると全体の睡眠サイクルが整い、自律神経の調整や記憶の定着にもプラスになる」と長谷川さん。睡眠中に出る成長ホルモンの約80%が分泌されるのもこの時間帯です。成長ホルモンは「天然美容液」ともいわれ、肌のターンオーバーの促進や抗加齢(アンチエイジング)、脂肪分解などのうれしい働きがあるそうです。

そんな上質な睡眠を実現するための6つのポイントについても教えてくれました。まずは朝起きたら太陽の光を浴びて生体リズムを整えること。日中に適度な運動をすること。食事は就寝の2~3時間前までに。眠る前は部屋の照明を落とし、スマートフォン(スマホ)などもなるべく控えて光の刺激を避けます。就寝の1時間半くらい前までに38~40度のお風呂に入ると、眠るころに体の深部の体温が下がってスムーズに眠れます。楽に寝返りできる寝具を選ぶことも重要です。

長谷川さんは借金のように蓄積した睡眠不足を指す「睡眠負債」という言葉が話題になっていることに触れ、「睡眠負債を返済し、快眠資産を築きましょう!」と強調していました。

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受講生のみなさんは熱心にメモを取りながらセミナーに耳を傾けていました

最後に西村さん、長谷川さんへの質疑応答です。野菜が好きでいろいろ買っても、一人暮らしだと使いきれず無駄にしてしまうことがあるという悩みに対しては、「新鮮なうちにトマトで煮込むラタトゥイユなどに調理して冷凍保存を」と西村さん。いろいろな色の野菜を組み合わせ、葉や実、根などの部分も複数組み合わせると栄養バランスが良くなり、睡眠にもいいといいます。クーラーをつけっぱなしにすると具合が悪くなるが、つけていないと寝苦しくて起きてしまうという悩みには、長谷川さんが「扇風機などで空気を循環させたり、氷枕で頭を冷やしたりすると効果的」と助言していました。

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