イベントリポート

肌の奥に成分浸透させ、うるおい力鍛える

気温がグンと下がり、乾燥した毎日が続く冬。女性にとって肌の不調が気になる季節です。お手入れをしっかりしているつもりでも、荒れていた、化粧のりが悪い、なんてことありますよね。そこで、肌のプロフェッショナルに不調の原因、ケアの方法を聞いてみようと、2017年12月7日に開催された「かしこくキレイ!~肌の好不調の原因、教えます。」(主催:日経ウーマノミクス・プロジェクト実行委員会)をのぞいてみました。

「ラメラ」を修復、潤いを抱え込む

会場には約80人の女性が詰めかけました。皆さん、美しい肌になるためのポイントを聞き漏らすまいと準備万端です。ゼネラルナビゲーターを務めるキャスターの榎戸教子さんの紹介で、スキンケアのエキスパート、オルビス商品企画部化粧品企画チームの栗原美幸さんが登壇しました。

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オルビスの栗原美幸さんは肌本来の力を引き出す製品の企画開発に携わっている

栗原さんは肌本来の力を引き出すことを重視した製品の企画開発に携わっており、17年に発売した化粧水「アクアフォース」を担当しました。まずは皮膚のメカニズムとトラブルの原因の説明からスタート。肌は表面の「角質」とその下の「角層」から成り立っています。角質にトラブルが起こると、角層から潤いが逃げてしまいます。放っておくと内部がどんどん乾き、「インナードライ」と呼ばれる状態になってしまいます。こうなってしまうと、「保湿成分などを表面に塗っても応急処置でしかなく、根本的な解決にはつながりません」と栗原さんは強調します。

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ゼネラルナビゲーターを務めた榎戸教子さん

風邪の対応として、ひいたときに風邪薬を飲むのではなく、ひきにくい体をつくることが大事なように、「肌もその力を鍛えることが求められます」と栗原さん。オルビスでは「うるおい力を鍛える」と表現します。ここで鍵となるのが、「ラメラ」です。

あまりなじみのない言葉ですが、ラメラとは肌の奥、角層の中の「角層細胞」や「細胞間脂質」などがミルフィーユのように重なっている部分を指します。ここに隙間ができると潤いが飛んでしまい、肌は乾燥。放置するとインナードライ状態となってしまうのです。通常の保湿だと肌の上から覆うだけで、中は隙間が残ったままです。「ラメラを修復し、隙間を埋めてあげることが重要になります」(栗原さん)

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トークタイムでは皮膚のメカニズムから丁寧に説き起こした

オルビスが開発した新成分「うるおいマグネットAQ」は肌の角層に浸透し、隙間を埋め、潤いを抱え込み、肌と水分をつなぎとめる働きをするといいます。うるおいマグネットAQ配合の化粧水をつけることで、肌を根本から鍛え直すことが可能になるそうです。ラメラの修復を意識してケアをするといいと栗原さんはアドバイスします。

濃密な泡をつくって洗顔

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きめ細かな泡の作り方を実践

日々のお手入れとして欠かせない洗顔のポイントについても解説がありました。水分はぬるま湯ぐらいの温度がお薦め。手を洗った後、洗顔料を1~2センチ程度取って泡立てます。手で泡立てるのが好きという栗原さん、「時間がない時や少し面倒な方はネットを使っても問題ありません」。泡立てる際には泡をできるだけ細かく、濃密にします。手の平を返しても垂れず、洗顔時に顔と手が直接触れずにすむくらいのクッション性が出たらベストです。

濃密にするには泡に水分を少量ずつ加えるとうまくいきます。モコモコになった濃密泡で洗顔した後、10~20回くらい念入りにすすいで、生え際などに泡が残らないようにすることも忘れずに。余計な成分がついていない状態にするわけです。

ポイントに応じてグループの製品と交換

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好調なポーラ・オルビスホールディングスの業績について泊さつきさんが説明

セミナーの最後には持ち株会社であるポーラ・オルビスホールディングスでIRを担当する泊さつきさんがグループの取り組みと現状について説明しました。同社はマルチブランド戦略を採用しており、国内を中心に展開する「基幹ブランド」、M&A(合併・買収)で傘下に入った海外を中心に展開する「海外ブランド」、基幹ブランドに次ぐ「育成ブランド」をそろえます。その中でも価格帯によってきめ細かく分かれており、基幹ブランドなら「POLA」は2万円前後のハイプレステージ製品、「ORBIS」は1000~5000円のミドル製品が並びます。「Jurlique」などは海外ブランドに位置づけています。

しわ改善効果がある「ポーラ リンクルショット メディカル セラム」の大ヒットで17年12月期の連結営業利益は前の期を41%上回る380億円と予想しています。

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株主優待として送付している商品も並んだ

また同社の株主優待制度は保有株式数・保有年数に応じてポイントを付与する制度になっています。「たまったポイントに応じて、お好きなグループの商品と交換ができます」と泊さん。会場には一部の製品が置かれていました。

トークタイムの後は場所を移して交流会が開かれました。栗原さんをはじめポーラ・オルビスの担当者らが参加者の問い合わせに丁寧に答えていました。

参加者からは「肌の仕組みまで説明してもらい、とても勉強になった」「洗顔時の泡立て実演が非常に分かりやすかった」「普段ネットを使って泡立てているが、手で泡立てるポイントが分かってとても良かった」という声もあり、皆さん大変満足されていました。肌を根本から鍛えなおし、1年を通して「うるおい力」を身に付けていきたいですね。

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交流会では参加者から質問が次々飛び出した

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