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働き女子が「勇気をもらった!」 映画「ドリーム」会員向け試写会

1960年代の米国の宇宙開発を陰で支えた3人の黒人女性の実話を描いた映画「ドリーム」(9月29日全国公開、配給:20世紀フォックス映画)の日経ウーマノミクス会員向け特別試写会が9月14日、都内で開かれました。応募総数420名超から当選した約40名が2時間7分の作品を鑑賞。映画を見て何を感じ、何を思ったのか――働く女性や管理職の男性などそれぞれの立場から感想をいただきました。

米国初の有人宇宙飛行を支えた女性たちの実話

作品は1960年代初頭、米バージニア州にある米航空宇宙局(NASA)ラングレー研究所を舞台に、3人の黒人女性が米国初の有人宇宙飛行に多大な貢献をした知られざる史実を描いています。まだ人種差別が色濃い時代。キャサリン・G・ジョンソン、ドロシー・ヴォーン、メアリー・ジャクソンの主人公3人が理不尽な障壁にキャリアアップを阻まれながらも、夢をあきらめずに自らの手で壁を乗り越え、未来を切り開いたサクセスストーリーです。

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(c)2016Twentieth Century Fox

会員からは「とても素敵な映画」「久しぶりによい映画を見ました」「深く感動しました」といった感想が相次ぎました。32歳の女性会社員は「ヒューマンドラマとして黒人・白人の関係性の変化や、家族・友人・仲間の温かさ、そして宇宙に関わる仕事に熱い思いを持って向き合う情熱、いろいろな観点から楽しめる」と評しています。アンケートでは鑑賞した82%が「非常に良かった」と答え、「良かった」は16%、「普通」2%で、否定的な回答はゼロでした。

映画を見た働く女性たちの声で多かったのが「勇気をもらった」「元気づけられた」という内容です。「男女差別・人種差別の世の中で、自分が達成したいという気持ちを腐らせずに持ち続け、パワフルに活躍する女性に元気づけられました。手に職をつけることの重要性にも気づけました。私も頑張ります」(女性、30歳、IT企業・営業)「主人公の女性たちの情熱と努力にとても刺激を受け、前向きな気持ちになれました」(女性、29歳、会社員)「自分の仕事に誇りを持てるよう、私もビジョンや夢を持って仕事をしようと決めた時間となりました。この映画を見て本当に勇気をもらえました。よかった!」(女性、28歳、事務)・・・などなどです。

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映画「ドリーム」会員向け試写会の当選倍率は10倍だった

主人公の女性たちは決して声が大きいわけでもなく、我が強いわけでもありません。「明るく前向きに、腐ることなく進んでいく姿が素晴らしかった。本当はもっともっとたいへんなことがあったと思う」(女性、44歳、サービス業・管理職)「厳しい環境のなかで努力して働き、その結果、実力を認めてくれたという事実。現在の女性活躍を進めるために、ぜひ多くの人に見てほしい作品」(女性、41歳、金融機関)「知性と才能、人間力にあふれる力強く美しい女性たち。いい仕事をするためには、自分自身が自信と美しい心を持つこと。そして一生懸命に情熱を持ってやり遂げること。この2つに改めて気づくことができました」(女性、42歳、看護師)

「未来を自分で勝ち取っていく姿に共感」

自らのキャリアや経験と重ね合わせ、刺激を受けた方も多かったようです。「機会を与えられないところから、未来を自分で勝ち取っていく姿に共感しました。男性優位の建設会社で女性エンジニアとして働いています。技術力を高め、よい建物をつくるという目標に向けて、前向きに頑張りたいと改めて思いました」(女性、44歳、建設)「私が働き始めたときは、まだ女性エンジニアはわずかでした。主人公たちのようにマイノリティーであることを認め、一歩でも進む努力をする人がいたからこそ、今の環境ができたのだと思います。私もそのことを忘れずにキャリアを積んでいきたいと思います」(女性、47歳、技術者)

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(c)2016Twentieth Century Fox

一方、こんな意見もあります。「自分自身がガラスの天井に阻まれていると感じている。今までかなりの努力をしているつもりだが、映画を見て、まだ今まで以上に努力しなければならないかと思うと、気が重くなった。でも素敵な映画でした」(女性、35歳、会社員・マーケティング)。作品は主人公たちの努力とともに、周囲によるサポートも描いています。「偏見を持つ人たちが多いなかで、数人の理解者が彼女たちを力強く勇気づけていた事実に心が温まりました」(女性、54歳、会社員)

主人公のひとり、キャサリンの実力を認めたケビン・コスナーふんする上司役に対しては次のような声がありました。「上司は厳しい人ですが、結果を出すなら黒人女性でもチャンスを与えて評価し、自ら白人用・黒人用の区別を撤廃する。素敵な上司だと思いました。あのような上司のもとで働きたいです」(女性、31歳、事務)。また52歳の男性会社員は「3人の非常に優れた能力を差別意識のために生かせないのは、組織にとっても不利なこと。今から50年後の人々に『平成の頃はバカなことをしていたものだ』と言われないようにしたい」と、現代の組織運営においても共通の課題があることを指摘しました。

ファッションにも注目、「自分ももっと輝きたい」

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(c)2016Twentieth Century Fox

映画が描いていた当時の人種差別について「たった半世紀前なのにこんな差別があったことに少しびっくりしました。私自身も女性差別を嫌というほど味わって今のキャリアを手に入れたので、共感もしました」(女性、46歳、経理)「1960年代に黒人差別が残っているとは思いませんでした」(女性、40代、事務)といった驚きが一部にありました。また「私自身、イエローとして差別をされ、つらい思いをしたことがありました。マイノリティーの中で力強く前向きに生きる姿が実話とあって、深く感動しました」(女性、45歳、サービス業)との声もありました。

映画「ドリーム」は物語を彩る音楽やファッションにも注目です。ファレル・ウィリアムスが担当した音楽について「1960年代の世界観がでていてよかった」(女性、30歳、IT企業・営業)「音楽も映画に合っていたインパクトがあった」(女性、32歳、会社員)との感想がありました。また「主人公たちはファッションもメークもいつも素敵で尊敬しました。自分も女性としてもっと輝きたいと強く思いました」(女性、36歳、事務)と、働く女性の身だしなみに関する感想も印象的です。

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鑑賞後のアンケートには働く女性の熱い思いが多く寄せられた

「強い心と謙虚な気持ちを忘れずに、またあきらめずに仕事に真摯に向き合っていきたいと思いました」(女性、40歳、会社員・財務)など、この映画に勇気と元気をもらったという感想はまだまだ多くありました。また「自分には能力があるのに機会がないと不満を言うのは簡単だけど、主人公のひとり、ドロシーは先見の明をもって自分に機会が回ってくるように行動している点が何とも考えさせられた。ただ管理職になりたいとわめくのではなく、そして自分だけでなく他の女性の未来まで考えて行動するところ、それこそが真の管理職だと思った」(女性、32歳、会社員・法人営業)といった主人公たちの仕事ぶりに刺激を受け、自らの参考にする方もいました。

働く女性が仕事やプライベートで壁にぶつかったときには、映画「ドリーム」で壁を乗り越える勇気やヒントを得られるといいですね。ある女性はこう記しています。「鑑賞後、こんなにスッキリする映画も少ないですね。本当に面白かったし、女性はすべからく見るべきだと思いました」

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