イベントリポート

なりたいキャリアの未来をつかめ 女子学生のためのセミナー in 岡山

日経ウーマノミクス・プロジェクト実行委員会が2016年から地方都市でも開催を始めた「女子学生のためのキャリアセミナー」。5カ所目となった岡山大学(12月21日開催)には約70人の学生が集まりました。「晴れの国おかやま」の学び舎で、働く女性たちのリアルな体験談に聞き入り、それぞれが思い思いに小春日和の陽だまりのようなあたたかいアドバイスを受けたようでした。

「キャリアの参考になった」の声も

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さまざまなキャリア女性のロールモデルが示された

岡山市にある岡山大学津島キャンパスはJR岡山駅から約2.5キロ。新幹線が止まる駅から最も近い国立大学です。市街地中心部に近い約64万平方メートル(東京ドーム約13個分)の広大なキャンパスは平坦な地で、自転車が学生の足としてフル回転しているようです。この日は総合大学らしく、文、法、農、薬、経済の各学部をはじめ、大学院からも女子学生が集いました。

セミナーではまず日経ウーマンオンラインの常陸佐矢佳編集長が「いま女子学生が知っておくべきキャリア×ライフ戦略」をテーマに講演しました。常陸編集長は1988年に創刊した月刊誌「日経WOMAN」がメーンテーマとしてきた「仕事」「暮らし」「キャリア」「資格取得」「時間管理」「恋愛&結婚」などの変遷をひもときながら、女性が働き続けるための理想と現実を述べました。その中で、日経WOMANが2016年に各界で最も活躍した女性を表彰する「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2017」の受賞者をパネルで紹介したくだりに見入っていた学生からは「キャリアの参考になった」と、ロールモデルがイメージできたような声も聞かれました。

自己学習の大切さと助けられている実感

続いてのパネル討論には3人の社会人女性が登壇しました。東京海上日動火災保険・岡山支店の橋本佳奈さん、野村総合研究所・IT基盤HRM部の三谷千恵さん、ノバルティスファーマ・人事統括部の竹内淳子さんです。3人とも30代で、学生にとっては身近なお姉さんのような存在でもあります。

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パネル討論では実際の仕事について具体的な話が広がった

学生時代、働くことについて「かっこいい人」のイメージを抱いていたという竹内さんは、就職活動を振り返って「短期間のお見合いと思って楽しんだ」そうです。印象に残っている一コマは、30人程が集まった部屋で紙と3色ペンを渡されて、自分を表す絵を描いてプレゼンしてくださいと言われたこととか。絵を描いて自分を表すアナログな難しさを体験しながら、結局は「自分らしさを表せる会社にたどりつけるかがカギなのかな」と言います。その面接試験に竹内さんは無事合格したそうです。

「入社してからも自ら学び続けることが大切」と話すのは橋本さんです。職場には学生時代と違い様々な世代の人たちがいます。社会人になれば学生のように定期的にテストがないから勉強から解放されると考えるのは間違い。仕事の対価として給料をいただいているわけで、例えば受けた研修に対して求められるのは、いかにアウトプットの質と量を充実させるかなど、自己学習は重要だと言います。さらに「仕事は大変ですが、頑張っていれば必ず誰かがどこかのタイミングで手を差し伸べてくれる」と、助けられている実感を深めているようです。

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懇親会ではあちらこちらで質問が出た

三谷さんは仕事のやりがいを感じる瞬間について「自分のやっていることがどう役に立っているかを実感できたとき」と言います。SE(システムエンジニア)になって2年目、郵政民営化のシステム対応をやっていたとき、世の中の変わり目に関わっているのだという思いがわいてきたそうです。さらに採用担当だったときは、やり取りを繰り返す中で「相手の目が輝きだすときがあって、ああ伝えられたかな」と感じたときや、インターンシップで1年ほど関わってきた学生が「うちに決めます」といったときなどをあげました。

陽も傾き、3人のパネリストを囲んで、サンドイッチをつまみながらの懇親会では、あるあるネタなども披露されたようで、和やかで笑いも起こるひと時となりました。本音に近づくことで、働くことへの疑問がひとつ解けた人もいたようで、女子学生にとっては貴重な時間が過ぎていきました。

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