イベントリポート

あなたに一期一会のシアワセ!を 「美食女子」グランプリ商品を堪能

一般社団法人日本能率協会が主催する「美食女子会」が7月26日、東京・赤坂のイタリアンレストラン「青山エリュシオンハウス」で開かれました。招待されたのは日経ウーマノミクスの会員で、550人を超える応募者の中から選ばれた40人の女性たちです。3回目となった今回も、驚きと感動を呼ぶ創作料理が3~4人一組のテーブルを飾りました。食材に使われたのが「FOODEX美食女子」グランプリ2017を受賞した食品・飲料です。受賞した食品メーカーの努力の結晶と、一流シェフがプライドをかけて厨房で静かな火花を散らす――そんな手間隙をかけた余韻が口の中で絶妙なハーモニーを奏でるフルコースを紹介します。

アペタイザーで魅せる色香

bisyoku6_680x410.jpg
「美食女子会」の会場となったイタリアンレストラン「青山エリュシオンハウス」

一皿目のアペタイザー(前菜)に盛られたのは「旬の野菜とおからびじんのムース ごまドレッシング」「ホタテ貝のカルパッチョ 梅・桃・桜のグラニテとともに」「みそ風味のみみふわピザトースト えごまオイルのアクセント」の3品です。小皿には「北海道産サルシッチャを使ったとろけるカレースパゲッティ」が添えられました。

bisyoku3_680x410.jpg
前菜の3品。左から時計回りで「ホタテ貝のカルパッチョ 梅・桃・桜のグラニテとともに」「旬の野菜とおからびじんのムース ごまドレッシング」「みそ風味のみみふわピザトースト えごまオイルのアクセント」

しょうゆの原料である大豆を幅広く活用し、おからとごまをパウダー状にして「SOY Beauty おからびじん ごまドレッシング」(346円)にした正田醤油(群馬県館林市)。マーケティング部の今井彩さんは「カロリーを40%カットした分の物足りなさを補う点に苦労しました」と解説しながら「野菜にかけるだけでなく、冷やっこや冷しゃぶのたれにも」と勧めます。ただ「これをムースにして出されるとは?!」と、シェフの小技には素直に驚いていました。

bisyoku_a_680x303.png
正田醤油の今井彩さん(左)と横倉本店の横倉正一社長

 ホタテが恋をしているような、桜色とほのかな桃の香りを運んでくれたのは横倉本店(宇都宮市)の「まほろば歳時記 梅・桃・桜」(1296円)です。餃子とジャズとカクテルの街を標榜しているという宇都宮市。郷土愛にあふれる横倉正一社長は「ここに集った若い女性のみなさんから発信していただき、宇都宮にも来てください」と話していました。

「見た目がきれいで素敵」「ホームパーティーに最適」「子どもにも作ってあげたい」。参加者は早速、慣れた指先でスマートフォンの画面をタッチしならがインスタグラムやフェイスブックなどの交流サイト(SNS)に次々とアップしていました。

bisyoku_e_680x359.png
前菜の「北海道産サルシッチャを使ったとろけるカレースパゲッティ」(左)。参加者の多くは料理が運ばれるたびにスマートフォンで写真を撮影していた

会場では横倉さんの熱い思いに共鳴するかのように、モダンジャスの名曲「イッツ・オールライト・ウィズ・ミー」が小気味よく流れています。JJ・ジョンソンとカイ・ウィンディングが奏でる、食欲をそそるようなトロンボーンの音色に促されて、次はメーン(主食)へと進みます。

メーン料理に隠された奇想天外

メーンディッシュは「真鯛のミネラルむぎ茶炊き込みご飯」「ロカボナッツを包んだ仔牛のインボルティーニ アボカドディップとアボカドオイルで」「スーパーフードデリの衣をまとった海老のベニエ 花泡香のマヨネーズソース」。

bisyoku4_680x410.jpg
左から時計回りに「スーパーフードデリの衣をまとった海老のベニエ 花泡香のマヨネーズソース」「ロカボナッツを包んだ仔牛のインボルティーニ アボカドディップとアボカドオイルで」「真鯛のミネラルむぎ茶炊き込みご飯」

展覧会の絵が一堂に会したような大皿の中で、異彩を放ったのが伊藤園の「さらさら健康ミネラルむぎ茶」(40g:540円)です。ミネラル麦茶とバターでご飯を炊き上げたシェフの奇抜な発想もさることながら、「みなさん、この麦茶をバニラアイスにかけるとティラミスになるんですよ」と伊藤園マーケティング一部の植木史さんがこの新しいレシピを紹介した瞬間、「え~っ!」信じられないという声が会場に響きわたりました。伊藤園では「この感動を伝えたくて」と営業にも役立てているレシピだそうで、忍者のように七色に変身する味を「みなさん是非お試しあれ」。 また仔牛のインボルティーニには「ナッツのゴロゴロ感がなく、アボカドの青臭さもなくて、あっさり。いい意味で期待を裏切られました」との感想もありました。

bisyoku_b_680x314.png
伊藤園の植木史さん(左)。美食女子グランプリの受賞食品を使った創作料理に参加者は舌鼓

ドルチェの甘さに甘えない心意気

最後のドルチェの大皿を彩ったのは4品です。この日の料理を演出した青山エリュシオンハウスのシェフ、石塚充さんが「最も難しかった」と吐露したのがそのうちの1品「華やかな果実味のチョコレートのトリュフ」でした。

bisyoku5_680x410.jpg
左から時計回りに「華やかな果実味のチョコレートのトリュフ」「スイーツとうふカラメルとリラックスピーチのマチェドニア」「ベイクドアップルとココナッツオイルクリスピーのシュトゥルーデル」「マクロビ派ビスケットとシドルリ・ミニャールジュレのボンボンショコラ」

元となったは明治の「明治 ザ・チョコレート 華やかな果実味エレガントビター」(237~249円)。明治社内で「カカオクリエーター」を名乗る菓子商品開発部の宇都宮洋之さんがシェフに宛てたメッセージには「ダークなカカオの香りを保つため、チョコを溶かして使うべからず」とあったそうです。そこには「従来製品より砂糖を半分に控えた分、カカオの含有量を増した大人のチョコを提供する」という、カカオに人一倍こだわる宇都宮さんの意地がありました。

bisyoku_c_680x320.png
青山エリュシオンハウスの石塚充シェフ(左)と明治の宇都宮洋之さん

その意を汲み取ってアレンジした一粒の味はいかに。「明治のチョコは甘いイメージもあったけど、これはコクがありますね。ロゼワインにも合いそうです」との声が参加者から聞かれたのでした。石塚さんも「食べていただいたときの笑顔こそがシェフ冥利につきます」と安どの様子でした。

日本能率協会では毎春、アジア最大級の食品・飲料展示会「FOODEX JAPAN」を開催しており、この日の美食女子会で提供された食品は「FOODEX美食女子」グランプリの4部門で表彰されたものばかりです。同協会の草柳友美さんは「日本の女性たちに照準を合わせた食品を20~40代の女性たちが審査する」という、消費トレンドに敏感な女性目線にさらなる可能性を見出しているようでした。

bisyoku_d_680x320.png
日本能率協会の草柳友美さん(左)。会場では同じテーブルになった参加者同士で写真を撮影したり、連絡先を交換したりする姿もあった

連日の猛暑の中で本降りの雨模様だった一日でしたが、五感をフルに使った参加者たちは結婚披露宴の引き出物のような受賞商品が詰まったお土産を携え、足取り軽く会場を後にしていました。

 

会員登録すると、イベントや交流会への参加、メールマガジン購読などご利用いただけます。