アンケート結果

実はあなたも「インポスター症候群」!? 自信なくても前に進みたい

自分の力で何かを達成して評価されても、「自分にはそんな能力はない」「評価されるに値しない」と過小な自己評価をしてしまう「インポスター症候群」。日本経済新聞女性面と連動で3月に実施した調査には1601人が回答、うち6割が自由記述で体験談などを書き込んでくれました。女性面の中村奈都子編集長から皆様へのメッセージもぜひお読みください。

自分を信じ、思い描く働き方をかなえるには

日経ウーマノミクスの女性会員1180人の回答を分析すると、「実力不足がバレてしまうのではないかと不安になる」「人と比べて自分が劣っているように思う」という項目に「当てはまる」と感じる人がそれぞれ500人を超え、「当てはまらない」を上回りました。評価を受けたり褒められたりしても、自分に本当に実力があるのか信じきれず、昇進のチャンスを見送った、仕事に自信が持てないという声が続出。「現実問題、周りより劣っていて能力がない」と断じる深刻なコメントも出ています。

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反対に「当てはまらない」と感じた人が多かったのは、「自分の役職や待遇に対して、自分の能力が不足していると思う」「評価されても、自分はその評価に値しないと思ってしまう」という項目。自分に自信がないならこちらの項目にも当てはまるのではないかと思いますが・・・。読み解くヒントになりそうなのは、「そもそも高い評価など受けたことがない」というコメント。世界各国の男女平等の度合いをランキングした最新の「ジェンダー・ギャップ指数」で日本は153カ国中121位に沈んでおり、企業などで高い役職や待遇を受ける女性がそもそもまだ少ないという事情も見え隠れします。

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誰かから褒められても自信が持てない――。自分を信じて前に進んでいき、思い描く働き方をかなえていくにはどうしたらいいのでしょうか? 「自分はできない」と思う気持ちをエネルギーにして努力する、ドキドキしながら踏み出してみる。今回の調査では、自信のなさを受け止めて次の行動につなげている人も少なくなく、そんな考え方は参考になりそうです。

評価されて目立つと働きにくいという声や、責任の重い立場で働く不安なども寄せられ、企業なども管理職への女性の登用拡大をめざして女性の「自信のなさ」の克服に向け動き出しています(※参照:日経女性面掲載記事「自信ない症候群」を克服 管理職めざす女性たち)。インポスター症候群の背景には、現在の女性を取り巻くさまざまな背景が映し込まれているようです。

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【中村奈都子女性面編集長からのメッセージ】

お忙しい中アンケートにご協力いただいただいた皆様、本当にありがとうございました。子供時代の経験を書かれた方、よく分かります。私もあまり褒められず育った世代です。「総合職に転換すればいいのでは、といわれたが、いまだに手をあげられない」と書かれた方、私たちの記事が少しでも役に立てばうれしいです。皆さんの声が日経ウーマノミクス・プロジェクトを盛り上げ、いい紙面を作る原動力になります。一人ひとりが自然体で前を向いて歩けるよう、一緒に問題を解決していきましょう。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

【「インポスター症候群」に関するアンケート 実施概要】
  調査期間:2020年3月10日〜3月18日
  調査方法:日経ウーマノミクスのメールマガジンなどで募集、インターネットで回答
  回答数 :1601人(うち日経ウーマノミクス・プロジェクトの女性会員1180人)

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