アンケート結果

悩ましい「配偶者の呼び方」
――アンケートで見えた本音

自分や他人の配偶者、みなさんはどう呼んでいますか。「夫」「主人」「旦那」に、「妻」「奥さん」「家内」――。日本語にはたくさんの呼び方があり、場面に応じてどれを選ぶか迷うことも多いのではないでしょうか。日経ウーマノミクス・プロジェクトが2月に実施したアンケートでは、配偶者の呼び方に「特にこだわりはない」と答えた割合はわずか14%。相手との関係性やシチュエーション、時代背景などさまざまなことに思いを巡らせながら相手に呼びかけている姿が浮かび上がりました。みなさまの貴重な声をご紹介します。

■配偶者の呼び方「こだわりはない」14%

 日経ウーマノミクス・プロジェクトは2023年2月7日~2月15日、インターネットで「配偶者の呼び方」に関するアンケートを実施し、男女1584人から回答をいただきました。

自分や他人の配偶者の呼び方についての考えを尋ねる質問で、「呼び方に特にこだわりはない」と答えた割合はわずか14%。「自分の配偶者または誰かの配偶者について、どう呼べばいいか悩んだ経験がある」との回答者が過半に迫る45%に及びました。

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昨今、「主人」や「家内」など、男女の主従関係や性別役割分担を想起させるものは避け、中立的な「夫・妻」「パートナー」といった呼び方をしたほうがいいという意見が聞かれるようになっています。ただ、アンケートでは、「どんなときでも中立的な呼び方をすべきだ」と答えたのは13%にとどまり、「目上の相手と話すときなど、『主人』や『家内』といった呼び方がふさわしい場面もある」(21%)、「中立的かどうかによらず、相手の望む呼び方をすべきだ」(20%)など多様な考えがみられました。配偶者の呼び方には、時代の流れやそれぞれの思いが色濃く映し込まれているようです。

■自分の配偶者、呼び方さまざま

「会社では『夫』、夫を知らない友人には『旦那』、夫を知っている友人には『名前』を使っている」(40歳女性、卸売・小売業・商業、一般社員)

「職場では夫か主人、友達には旦那、子どもを介して知り合った友達(ママ友)にはパパ、と呼び方を変えている」(43歳女性、卸売・小売業・商業、一般社員)

「基本的には夫だが、相手が旦那と言っている場合は合わせています」(41歳女性、その他、課長クラス)

「自分は旧姓のまま働いていることもあり名字で呼ぶ」(35歳女性、放送・広告・出版・マスコミ、一般社員)

「話す相手との親密度によって変えている。最も親しい人には『名前』、友人には『奥さん』、ほぼ初見の人には『連れ合い』」(51歳男性、その他、課長クラス)

■他人の配偶者も呼び方は使い分け

「子どもがいる方は○○のパパ、年配の方にはご主人、同年代や年下にはパートナー」(44歳女性、自営・自由業、その他)

「その人の言い方に合わせる。わからなければお連れ様。配偶者が異性とも限らないので」(54歳女性、自動車・輸送機器、主任/係長クラス)

「夫さんが通じる人なら夫さん。違和感を感じる人もいるのでご主人様をあえて使うこともある」(57歳女性、教育・教育学習支援関係、その他)

「夫さんやパートナーと呼びたいが、気心の知れていない人の前ではまだまだ呼びづらく、旦那さんと呼んでしまうことが多い。本意ではない」(36歳女性、放送・広告・出版・マスコミ、一般社員)

「相手が配偶者のことをどう伝えてくるかで、名前やパートナー、奥さまなどと使い分ける」(48歳女性、通信サービス、一般社員)

「配偶者さん(1回で聞き取ってもらえないと、奥さんと言い直す)」(58歳女性、自営・自由業、その他)

■どんなふうに呼んでほしい?

「他人との関係性による。妻、または名前にさん付け」(39歳女性、医療、一般社員)

「相手によって使い分けてくれればいいです。田舎なのでヨメサンと言わないと通じない場合が多いです」(46歳女性、自営・自由業、契約社員)

「二人の時はあだ名で呼ばれるが、他人の前では恥ずかしい。でも他の選択肢もしっくりこない」(47歳女性、卸売・小売業・商業、主任/係長クラス)

「しっくりくるものが無い。家内も奥さんも時代遅れな気がします」(49歳女性、素材、一般社員)

「相手によって使い分ける(親密度等による)」(61歳男性、情報処理・SI・ソフトウェア、経営者・役員)

■こんなときは悩ましい

「主人と呼ぶのは、自分を卑下している言葉と捉えられるのではと感じたことがある。が、結局主人が一番しっくりきて、使っている」(41歳女性、人材サービス、課長クラス)

「旦那さん、奥さんといった表現は好きではないが、夫さん、妻さんは違和感があるため、やむなく使っている」(35歳女性、素材、一般社員)

「他人の配偶者はご主人や奥様でいいけど、自分の配偶者は『主人』ではなく『夫』にすればよかったなと後悔」(59歳女性、機械・重電、一般社員)

「お連れ合いと呼んで通じるか不安。かえって不快な気持ちにさせないかどうかも気になる」(43歳女性、その他)

「自分が奥さんと呼ばれるのに抵抗があるにも関わらず、他の人の妻を『奥さん』以外の言葉で何と呼んだらよいかわからない」(40歳女性、自動車・輸送機器、課長クラス)

「『お前』と呼びたいがダメと言われた」(55歳男性、建築、一般社員)

「子ども関係はパパママで違和感ないが、会社友人関係はぴったりくる呼び名がない」(46歳女性、素材、本部長クラス)

「仲間内では奥さんが自然だけど、もしかして本人は嫌がるかもしれないと考えたことがある」(47歳男性、放送・広告・出版・マスコミ、経営者)

「自分の価値観・家族観が試されるような気がする。相手がなんと呼んでほしいのか、確かめようがない。自分が使いたい呼び方(夫さん・妻さん)は一般的ではないうえ、何かしらの主義主張を感じさせる」(51歳女性、卸売・小売業・商業、部長クラス)

■工夫もいろいろ

「友人の前では、夫のことを、旦那ちゃんと呼んでいます。ちゃんということで、旦那というちょっと嫌な呼び方を、軽減しているつもりなんです」(46歳女性、機械・重電、一般社員)

「どう呼んでいるかを聞いて、その方の思考や家庭の様子を想像して接している。ある種、ご家庭の環境を理解しやすいともいえるので個々の意見を尊重すべきだと思う」(41歳女性、コンサル・会計・法律関連、一般社員)

「1年ほど前から夫と呼ぶようになった70代後半の主婦です。自分自身がしっかり自立し、夫である人のことも一人の人間として尊敬したいからです」(76歳女性、主婦)

「夫が英国人なので、名前で呼びあう。私が住んでいた米国、香港、現在住んでいる英国でも、初めての相手は必ず、どう呼んでほしいのか教えてくれる」(53歳女性、食品・医薬・化粧品、役員クラス)

「私は妻の『父親』ではない。また支配的立場にあると思われたくない」(78歳男性、介護・福祉、役員クラス)

「こちらがどう考えて呼ぼうとも相手の気持ちが大事だと思う」(51歳女性、医療、一般社員)

「こういった言葉ひとつが周囲の意識を変えるため。変えたいので主従や役割分担を感じさせない言葉を選んでいる」(40代女性、食品・医薬・化粧品、主任/係長クラス)

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