日経ウーマノミクスプロジェクト

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ジブ研セミナーリポート テーマ:多様な時代を生き延びる女の「心のビューティー」を考える

自分を研究、心の手綱を持つ

 ライフスタイル、ワークスタイルの多様化が進む現代。多くの価値観があり、かつ常に変化しています。どうしても不安が先立つことがありますよね。そんなモヤモヤを吹き飛ばし、これからを「生き延びる」には、どうしたらよいのでしょう。日経ウーマノミクス・プロジェクト実行委員会は2月23日、そごう横浜店(横浜市)で「多様な時代を生き延びる女の『心のビューティー』を考える」と題した「ウマノミゼミナール特別編ジブンらしさ研究セミナー」を開催。コラムニストの河崎環さんが、今を生きる女性の意識の持ち方について話しました。

他人は異星人、価値観の違いは当然

 「多様化が進むと、上下関係も無くなります。人と自分を比べること自体、意味が無くなる時代が来るかもしれません」。河崎さんは切り出しました。例えば、スマホを急速に浸透させたiPhoneが日本で登場したのは2008年です。今は20年で価値観がすべて変わってしまう時代。しかも、将来を正確に見通せる人はいません。だからこそ、自分で自分をほめるのだと強調します。「心のビューティーとは、混迷の時代にどうやって自分をほめてあげるのか、自分が何者かを決めるにはどう考えたら良いのか、意識することなのです」

 日本人初の女性宇宙飛行士、向井千秋さんを取材した際、「女性だから」「日本人だから」と逃げ道を作らず、ひたすら努力し続けていました。話を聞き感動するとともに、向井さんの生き方をヒントに、多様化する社会を生き延びるために必要な女性の「心の習慣」を考えました。「自分の好きな自分でいる」「新しいことを否定しないミーハー精神を持つ」「他人は異星人であり、価値観は違って当然と考える」「できるだけ言い訳をしない」。すぐに実践できることもありそうです。

多様性は女性の味方

 だからといって、多様な時代を怖がることはありません。「私たちの味方です」と河崎さん。「どんな人がそこにいてもいい」という寛容さを持てば、「どんな自分がいてもいい」と思えてきます。「自分にも他人にも高いハードルを課しているまじめな人は、一度それをはずすと楽になります」。他者を理解するには、まず自分を理解する。心がざわついた時には、原因は何なのか、自分の心をのぞき込んでみる。「自分を研究することで、心の手綱を自分の手の中に持っておきましょう」とアドバイスを送りました。

 セミナーの最後には、参加者から事前に寄せられた質問に河崎さんが答えました。
Q:幹部社員への登用で女性が優遇されることを「逆差別」と言う人がいて、モヤモヤします。
A:世の中のルールが変わっていることに気付いていないのです。今の女性は働かざるを得ない。優遇されているのではなく、当たり前のこと。女性の管理職は増えるべきです。
Q:50歳ですが、現場仕事が中心で疲れてきました。心の持ちようを教えてください。
A:35歳~42歳くらいが少ないため、現場で働く40~50代は多くなっています。いいかげん楽をしたいと思うかもしれませんが、手を動かさないと、頭は動きません。現場を離れると世間との感覚がずれることもあります。現場で働けることをむしろ幸運と考えてください。

 終了後は「モヤモヤしていたことがすっきりした。多様化で人と比べることに意味がなくなるという考え方が印象に残った」(40代・会社員)などの声が聞かれました。明日からの行動を見直すきっかけになったようです。

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