日経ウーマノミクスプロジェクト

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ジブ研セミナーリポート

テーマ:ニュースで英語力を鍛える! 英語学習面担当おすすめの時短勉強法

語彙・発音身に付け、中学レベルの文法マスター

仕事はもちろん、プライベートでも英語が求められる時代です。もっと使いこなしたい、ちゃんとコミュニケーションをとれるようにしたいと思っている方はたくさんいることでしょう。日経ウーマノミクス・プロジェクト実行委員会は7月28日、西武池袋本店(東京・豊島)で「今夏はニュースで英語力を鍛える! 英語学習面担当おすすめの時短勉強法」と題した「ウマノミゼミナール特別編ジブンらしさ研究セミナー」を開催。日本経済新聞社の木村恭子編集委員が、コストパフォーマンスがよくて、上達も実感できる勉強法を伝授しました。

英語はスポーツ

日経新聞木曜日の夕刊で「Step Up ENGLISH」を担当する木村編集委員は、英語学習でまず重要となるのが発音記号だと話し始めました。日本語は母音5、子音16の合計21にとどまりますが、英語は母音だけで20、子音も24あり、合計で44に上ります。音の数が倍以上違うため、英語で曖昧な発音をしていると意味が伝わらなくなる危険性があると指摘。加えて「語彙を増やすことも必要です」と言います。

最新の科学的英語学習法、第二言語習得研究(SLA)では、英語をスポーツと同じように捉える考え方があるそうです。普通の人がいきなり甲子園に登場するなんてできません。基本動作を身につけ、ルールを学び、ようやく地区大会に出場。都道府県大会、全国大会へと駒を進めます。英語も同じ。基本動作である語彙と発音を身につけ、ルール、つまり文法を覚えることをおろそかにしてはダメ。「文法は中学で習う程度でかまいません」。一見地味ですが、こうやって目標を順番にクリアしていくことが、英語習得の最短ルートと強調します。

子供と違って、大人はすでに日本語を習得しています。知識も備わっています。とにかく英語になれるといった方法ではなく、「読む・聞く」といったまずはインプットをしっかり学習しましょうと木村編集委員はアドバイスします。「『読む・聞く』を学んで、語彙・発音を増やして『書く・話す』というアウトプットへつなげるという順番が、最新の科学的な勉強法です」

「読む・聞く」を具体的にどう学べばいいのか。木村編集委員はニュース、映画、ドラマなど、自分の興味や仕事に関係があるどんな分野でもかまわないと話します。例えばドラマなら、先に日本語で視聴してから英語に触れると、知らない単語が出てきても推測できます。ためしに3カ月、同じ映画、ラジオを徹底的に繰り返し見聞きして、シャドーイング(音声をすぐ復唱する)を重ね、空で言えるくらいになると、発音と語彙のベースができて自信もつくそうです。英語のアプリもたくさん出ていますので、自分に合ったものを探して活用するのもお勧めとか。

アクセントに気をつけて

語彙・発音に加え、もうひとつ重要なのはアクセントだと木村編集委員は教えます。長い文章を人前で読まなくてはならないときは、「発音記号とアクセントに気をつけて読むだけで、英語が話せる人に見えます」。

新聞を教材にする場合は、日本語の記事を読んだり、テレビを見たりしてニュースの背景を知れば、英語の理解力、記憶力が深まるとみています。いちいち単語の意味を辞書でチェックしなくてOKです。内容がわかればいいぐらいの気持ちで「英語で読む」発想になってほしいと伝えます。当日は資料として担当する夕刊の紙面を配布して、活用法を紹介しました。上級者だと日テレNEWS24の英語版サイトや、BBCの6 Minute Englishなども有効といいます。

「スポーツと同じで、目標をきちんと設定すれば、英語学習のモチベーションが下がることはありません」と木村編集委員。英語はスポーツであるということを頭に入れ、今後もニュースを活用して勉強してくださいと締めくくりました。

参加者は仕事で英語を使っている方も多くみられました。「TOEICの点数がよくても現場では困るので勉強はしていたのですが、直接仕事に役立つ題材を自分で探すことが大事なのだとわかりました」(会社員・40代)、「英語はスポーツということと、大人は英語のルールや型を身につけてからの応用が時短習得につながるというのが納得できました」(会社員・30代)。最先端の英語学習のノウハウを教わることができた有意義なセミナーとなったようです。

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