日経ウーマノミクスプロジェクト

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ジブ研セミナーリポート

テーマ:仕事がもっとうまくいく! 上質な眠りで理想の自分に

少なくとも6時間は睡眠を確保

 仕事や家事に追われると、つい睡眠を犠牲にしてしまいがちです。でも、そのせいで「疲れやすい」「集中力がない」「気分が晴れない」といった問題が起こっているかもしれません。上質な眠りを手に入れるにはどうすればいいのでしょうか。日経ウーマノミクス・プロジェクト実行委員会は6月13日、西武池袋本店(東京・豊島)で「仕事がもっとうまくいく! 上質な眠りを手に入れて理想の自分に」と題した「ウマノミゼミナール特別編ジブンらしさ研究セミナー」を開催。快眠セラピスト・睡眠環境プランナーの三橋美穂さんに快眠術を教えてもらいました。

不足は体にも心にも悪影響

 三橋さんはまず、参加者にいくつか質問を投げかけました。「寝つくのに30分以上かかる」「眠りが浅くて何度も目が覚める」「朝、なかなか起きられない」「十分な睡眠時間がとれない」「仕事中に眠くて仕方ない」。それぞれ挙手する人が3~4割います。皆さん悩みは深いようです。

 「よい睡眠がとれていないということは、脳機能が低下したままだということです」と三橋さん。集中力や記憶力不足でミスをするだけでなく、病気のリスクも高まるそうです。食欲を促すホルモン「グレリン」が増え、抑える「レプチン」が減るため、太りやすくなるとか。「ダイエットがうまくいかないのは、眠っていないことが原因かもしれません」

 イライラしたり、落ち込みやすくなったり、不安感が強くなったり。肌が荒れたり、くすんだりといったことを引き起こす要因にもなるとのことです。体にも心にも影響が及ぶことがよく分かります。

 逆に、よい睡眠がとれていると、集中力や記憶力が高まって仕事の生産性や成績が上がったり、若々しくなったりといったことが期待できます。「ストレスに強くなり、余裕も出てくるので、周囲にもやさしくなれます」(三橋さん)。パートナーにも心穏やかに接することができそうです。

スマホやパソコンを寝る前に見ない

 三橋さんは睡眠の質(眠りの深さ)と同時に量(睡眠時間)も大切と強調します。ある調査では日本人の睡眠時間は6時間未満が4割に達していました。日々の睡眠不足の蓄積が借金のように積み重なり、悪影響を及ぼす「睡眠負債」という言葉も注目されています。三橋さんは「個人差はあるけれど、働き盛り世代は7~8時間はほしいところです。少なくとも平日は6時間の睡眠を確保してください」と話します。

 「不足分は昼休みの15分の仮眠で補いましょう。睡眠不足をカバーしたい休日は、早く寝て遅く起きることを心がけるといいですね」。寝た時刻と起きた時刻のちょうど中間の時刻(中央値)が平日と休日でズレることで生じる体の不調を防ぐわけです。

 ベッドに入って30分以上眠れないと寝つきが悪いといえますが、だからといって1分で寝てしまうのも睡眠負債が蓄積している可能性があり、こちらも問題です。

 良質な睡眠を得るための工夫も三橋さんは言及。「明かりを消して眠る」「スマホやパソコンを就寝前に見ない」「寝起きが悪い人は目覚まし時計を遠くに置く」など、すぐ実践できることを教えてもらいました。最後に「日中の活動を充実させるには、夜しっかり眠ることが大切です。1日の時間を睡眠も含めた全体として考えることは、人間の成長にもつながっていくと思います」とまとめました。

 参加者からは、「眠る時間がもったいないと思っていましたが、今回お話を聞いてきちんと眠ったほうがよいと分かりました」(40代・会社員)、「今日から6時間寝て、目覚まし時計は遠くに置くようにします」(40代・会社員)といった声が。睡眠についての意識を改めたひと時になったようです。

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