過去開催イベントのレポート

「お手軽フレンチとワインの楽しみ方」

大阪・ホテル京阪京橋で開催

 3月28日(月)、日経ウーマノミクス・プロジェクト実行委員会主催のセミナー「お手軽フレンチとワインの楽しみ方」が大阪・京橋のホテル京阪京橋で開かれました。今回はホテル京阪さんに全面的なご協力をいただき、応募に当選した約50人のウーマノミクス会員に、同ホテルの総料理長とソムリエがご家庭で簡単に作れるフランス料理とワインの楽しみ方について解説しました。軽めながらもオードブル、メイン料理、デザート…とそろった本格的なフレンチのコース料理とフランスワイン2種(赤と白)が参加者全員にふるまわれ、食事とワインを楽しみながら、お話を伺いました。

 まず、ホテル京阪ユニバーサル・タワー・シニアソムリエの髙橋幸一さんが登壇し、ワインの歴史、人気のワイン産地、人気のブドウ品種、ラベル(エチケット)の読み方、ワインの値段・価値についてコンパクトに説明しました。ブドウの品種は、「白ワインでは『シャルドネ』、『ソーヴィニヨン・ブラン』、『リースリング』、赤ワインでは『カベルネ・ソーヴィニヨン』、『ピノ・ノワール』、『メルロー』…この6種類をおさえておけば、世の中のワインの80%を制覇したことになります」とのこと。

 ワインのお値段について、「『安くて美味しいワインを教えてほしい』とよく聞かれますが、それはなかなか難しいです。高いワインはやはり美味しく、安いワインはそれなりです」としながらも、「人件費が安く、ブドウを手摘みすることで、品質が高い割に値段が安い南アフリカ産のワインはコストパフォーマンスが高い。オーストラリア産やニュージーランド産もお薦めです」

 フランス料理とワインとのマリアージュ(組み合わせ)については、「『魚には白、肉には赤』というセオリーは間違ってはいませんが、鶏肉など白身の肉なら濃いめの白ワイン、マグロやカツオなど赤身の魚にはボージョレなどすっきりめの赤ワイン、ピンクのサーモンなどにはロゼワイン…というふうに、食材の色とワインの色を合わせるのが一番分かりやすい方法です」

 次に、ホテル京阪京橋・総料理長の松田能幸さんが、「フランス料理の美味しさはソースなど『煮詰めたもの』の美味しさです」とフランス料理の本質を語りました。「フランス料理では、素材とソースは別のものとして料理します。よく料理用のワインのアルコールが残ってしまい、うまくいかないのは、たくさんのものを同時に入れ過ぎているためです。ソースならソースだけをよく煮詰めてください」。「近年は『モダンフレンチ』が流行し、今の若い人はソースも最小限しかかかっていないモダンしか知りません。料理の味は個々人の好みです。マスコミやフードライターの宣伝する価値観に流されず、自分の味覚を信じて楽しんでください」とアドバイスしました。

 出席者には、この日のメイン料理とほぼ同じ「ヒラメとポテトのポアレ ノイリー酒ソース」の簡単レシピが配られました。「たいていの料理本には『15分煮てください』などと書いてありますが、どのくらいの大きさのどんな形の鍋で煮るかによって、15分といっても全然変わってくるので困りますよね。私は『煮詰めて○○グラムにしてください』と言うことにしています。それなら鍋の種類や大きさに関係なく、誰でも同じ味になります。鍋の重さをあらかじめ量っておけば、料理の重さを簡単に量れます」と、普通の料理本には書かれていないコツを教えてくれました。

 その後、高橋ソムリエと松田シェフがそれぞれ客席を回りながら、会員の質問を受けつつ、フランス料理とワイン談議に花を咲かせました。その後も、ワインのコルク栓の抜き方、ワインは開栓後どのくらいもつのか、お酒の弱い人のワインの楽しみ方…などなど、すぐに役立つ話題が満載でした。その中から1つだけ、(高橋ソムリエでなく)松田シェフが教えてくれたコルク栓の上手な抜き方をご紹介。「ワインオープナーをコルクの真ん中に入れようとしても、どうしても端に偏ってしまいませんか。オープナーを最初から真っすぐにするのではなく、まず斜めにして、尖った先端をコルクの真ん中に突き刺してください。その後、真っすぐに立てて回してください」

 多くの会員の方にとって、大満足のセミナーとなったのではないでしょうか?

フランス料理とワインを楽しみながら、ホテル京阪のシェフとソムリエが解説
ウーマノミクス会員と歓談するソムリエの髙橋幸一さん