STORY ECC vol.6

いつもポジティブ、笑顔で最善策を提案

ECC ジュニア事業部 横浜センター センター長
大塚 愛美さん

ECCがフランチャイズ展開する「ECCジュニア教室」は全国で1万あまり。その横浜市にある約800の教室を統括する横浜センターのセンター長に2018年6月、大塚愛美さん(28)は就いた。教室を運営する「ホームティーチャー」と綿密にコミュニケーションをとり、助言や業務支援をするスタッフを続けながら、センター全体に目を配る。何があっても常にポジティブで、笑顔を添えて最善策を提案するのが大塚流だ。

育ててくれた「厳しい」先生

怖かった。そして、たくさんのことを学んだ。入社1年目、配属された神戸センター(神戸市)で担当したあるホームティーチャーのことを、大塚さんは今も鮮明に思い出す。

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「お願いしていたことがなぜできないの」と注意されたこともあると大塚愛美さん

年齢は70歳手前だった。自分にも、他人にも、生徒にも厳しかった。言葉遣い、自宅を訪問した際の礼儀作法には気を付けなさいと先輩から聞いていた。心構えはあったものの、質問に対して要領を得ない回答をすると、注意された。新入社員でまだ分からないことは多く、どうしてもやり残してしまうことが出てきた。すると「『お願いしていたことがなぜできないの』と言われて。引きずるタイプではないので、落ち込むのは1日で済み、2日目からは元気でしたが」と振り返る。

でも、厳しいだけではなかった。ホームティーチャーとどのような関係を築くのか、スタッフとして何をすべきか、やりとりの中で自然と身に付けることができた。「先生方から連絡が入るときは、困ってどうにかしてほしいと助けを求められるケースが大半。こちらは慌てることなく、丁寧に回答して、無理なことは『できません』と伝えることが大切だと分かった」。転勤すると、よくがんばってくれましたというお礼が添えられた手紙が届いた。細やかな心遣いだった。「経験を少し積んで、1年目の後半では少しお役に立てたと認めていただいたのでは」とほほ笑む。

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スタッフは40~70の教室を受け持ち、ホームティーチャーを支援する

ホームティーチャーへの研修や助言、新規開設者の開拓や生徒募集の手伝い――。ジュニア事業部の各地区センターにいるスタッフは、1人で40~70の教室を受け持ちながら、多様な業務を進める。新人もベテランも、担当数はほぼ変わらない。大塚さんも2013年、この一員に加わった。

英語を話す楽しさを実感し、地元関西の外国語大学に進学。キャンパスでは留学生と交流できる施設に入り浸っていたという。卒業後の進路としてECCを選んだのは、語学力を生かせるのはもちろん、昔から憧れていた教師のように人に教えることができ、仕事で多くの人と交流できるとの思いからだった。

異動先で貴重な経験重ねる

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「横浜では自分のアイデアで状況を変えられる醍醐味を実感できた」と振り返る

配属先の神戸センターでは、受け持つ教室への挨拶の電話から始まった。訪問する約束を取り付けること一つとっても、手探りで進めた。入社前に描いていたイメージとは違う。当初は戸惑いがあったものの、すぐに仕事が楽しくなり、2つの印象深い出来事を体験できた。ひとつは言うまでもない、先ほどの「厳しい先生」との出会い。もう一つはアドバイザーとしての成功だ。

ECCでは、開設から20周年を迎えるホームティーチャーを海外旅行に招待している。ただし、一定の条件を満たさなければならない。大塚さんが担当する該当者は生徒数が足りなかった。どうすればいいか。思いついたのが、コースの拡大。早速提案し、募集案内の手紙なども用意すると、見事に生徒が増え、条件を満たした。「自分のアイデアで状況を変えられる醍醐味を実感できた」と目を輝かせる。

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悪い話も包み隠さず伝えることで信頼を獲得

充実した1年目を終えた大塚さんにはここから、次々転勤を伴う辞令が下ることになる。2年目は横浜センター、4年目に高崎センター(高崎市)、そして6年目の今年、再び横浜センターに。大阪生まれの大阪育ちに、新しい世界が待ち受けていた。

「横浜ってどこだっけ」という見知らぬ土地で始めた2年目は、炊事・洗濯・掃除に苦労した。仕事はといえば、「1年目を2回体験しているような感じだった」。受け持った教室数こそ変わらないが、ホームティーチャーの雰囲気は少し違ったそうだ。

生活は大きく変わったが、ポジティブに考える姿勢を変えなかった大塚さんは、2年目に新規開設を手伝うという貴重な機会を得る。

教室として使う自宅の部屋の選定、近隣宅への挨拶回り、ポスター貼りや学校前でのチラシ配りの手伝いと、すべきことはたくさんある。無料体験レッスンを見学し、マニュアルに沿って進められているかもチェックしていった。

家庭と仕事を両立できるのか。生徒は集まるのか。ホームティーチャーを始める女性から出てくる数々の質問、悩みに真摯に向き合い、考え、提案した。2年目ではあるが、神戸時代とあわせれば担当した教室は120。いろんな状況を、様々な対応策を見てきた経験があった。「あの先生はこのように対応されましたと助言すると、『私もやってみようかしら』と進んでいった」と話す。

高崎センターでは新規契約の獲得に成功した。「そろそろ子どもが手を離れるので、やってみようかしら」。数年前に問い合わせがあった先に電話してみると、期待できる返事が舞い込んだ。説明のために、すぐに自宅へ。そこではメリットだけでなく、デメリットもしっかり伝えた。フランチャイズ契約を結び、教室を始めるという行為は起業ともいえる。「だから、よい話ばかりでは先生のためにならない。マイナス面も踏まえて決めてもらわないと」。そんな姿勢を評価したのだろう。「正直に話してもらえたので、やる気になりました」との返事は間をおかず届いた。

働きやすい職場目指して

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見落とした業務はないか、笑顔で声をかける

経験を積み、大塚さんは対話力を磨いていった。

どれだけネガティブなことをぶつけられても、前向きになれる何かを見つけ、次につながるやり取りにする。「こうですよ」と断定的に伝えるのではなく、「私はこのように思いますが、どう思われますか」と相手の意見をしっかり聞くことも忘れない。

信頼関係を築くための勘所も見つけた。会話する中で、出てきた話題を必ず覚える。相手の誕生日でも、子どものことでもいい。次に会った際に「この前、こんなことをおっしゃっていましたね」と振り向ける。そうすれば、自分のことを覚えていてくれたと思い、親しみが増すのだという。「何も難しいことではない。その方に興味を持てば、忘れない」。少しの気遣いが、相手との距離を急速に縮めることが分かった。

「しばらく高崎かな」と考えていた18年4月、再び横浜センターに着任するよう言い渡された。しかも、全体を把握し、定めた目標に向けてスタッフを指導する「センター長」として。スタッフとして担当を持ちながら、センターの運営にも責任を負う。異例の抜てき人事だった。「異動が相次いだので、後輩を指導した経験もない。まさか自分がという驚きしかなかった」

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「将来、ホームティーチャーをやってみたい」

若手センター長としての仕事は始まったばかり。アドバイスの方法ひとつとっても、これから学んでいくのだと考えている。今はまず、13人を数えるスタッフが働きやすい環境をつくろうと心を砕く。「業務の中で見落としてしまうことはある。自分も経験した。だから、『そろそろこれをしなければならないけれど、大丈夫?』と声をかけている」

幸いにしてまだ壁にはぶつかっていない。「当然、悩むことも出てくるが、乗り越えるしかない。目標とする先輩を見習いながら、やっていきたい」と力を込める。ポジティブな思考は変わらない。

将来どんな道を進むのか。大塚さんはまだ決めかねている。ただ、「ホームティーチャーをやってみたい」との思いはある。

英語を教えるという入社時の希望がかない、これまでの経験が生かせる。「一人の経営者として、教室を切り盛りすることにも挑戦したい」とも。かつて、理想とする教室を見たそうだ。大きなリンゴの木が真ん中にあり、在籍する子どもたちがこの1年でやってみたいことが実に書いてあった。「あれもしたい、これもしたい。そんな子どもらしい心を育むことができる先生になれれば」。やさしい笑顔が浮かんだ。

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