イベントリポート

夢叶う聖地熊野へのいざない~和歌山特別タイアップ・セミナー~

古来より人々の信仰を集めてきた聖地・熊野は過去、現在、未来が交錯する地とも呼ばれます。これまでを振り返り、次に向けて思いを新たにするための場所。働き女子にはまさに必要なパワースポットです。そこで、3月17日に東京・大手町で開かれた「働く女性のオン・オフに効く、夢叶う聖地熊野へのいざない~熊野本宮大社御創建2050年奉祝式年大祭を迎えて~」(主催:和歌山県観光連盟、共催:日経ウーマノミクス・プロジェクト実行委員会)をのぞき、熊野の歴史や魅力、旅の楽しみ方を学んでみました。

過去・現在を確認し、未来を誓う地

ユネスコの世界遺産に登録されている国内有数の観光地。しかも、聖地を代表する熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社という「熊野三山」の中の熊野本宮大社が今年、御創建2050年を迎えたこともあるのでしょう。会場には約200人の参加者が集まり、熱気があふれていました。

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熊野本宮大社は今年、御創建2050年を迎えた

セミナーの最初は熊野本宮大社宮司の九鬼家隆さんの講演。九鬼さんは昔と今の写真を比べながら、紀伊山地の霊場、参詣道、熊野三山について説明を始めました。

熊野本宮大社は明治時代まで、熊野川、音無川、岩田川という3つの河川に囲まれた中州、大斎原(おおゆのはら)にあったそうです。ここはスサノオノミコト、イザナギノミコト、イザナミノミコトという神々が降臨したとされる場所。奈良時代には仏教を取り入れて神=仏としておまつりするようになり、熊野信仰の中心として多くの人が参拝に訪れたと説明します。

1889年の大洪水で大きな被害を受け、「中四社」「下四社」とよばれる社殿は流失。「上四社と呼ばれる社殿は高台の現在の地に移りました」(九鬼さん)。大斎原には現在、流出した8社を祭る石祠(せきし)や、時宗の開祖、一遍上人がここで悟りを開いたことを記念した開眼供養の碑もあるそうです。

九鬼さんが特に強調したのは、熊野が過去、現在、未来を確認する場所だということでした。熊野三山の祭神は「権現」といい、熊野本宮大社はスサノオノミコト、熊野速玉大社がイザナギノミコト、熊野那智大社はイザナミノミコトを主祭神としています。この3柱の神を指して「熊野三所権現」といいます。熊野三所権現以外にも神々がいて、すべて包括して「熊野十二所権現」と呼ぶこともあるそうです。十二所権現は三山いずれにも祭られています。

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今と昔の写真を比べながら、熊野本宮大社宮司の九鬼家隆さんは聖地を説明

九鬼さんは「熊野速玉大社(イザナギノミコト)は過去を、熊野那智大社(イザナミノミコト)は現在を、熊野本宮大社(スサノオノミコト)は未来を確認する場所です」と解説。熊野に来ることで、「自身の過去を見つめ、現在の立ち位置を確認し、未来への生き方を誓い、そこから新たな旅が始まります」と力強く話しました。

神様とコミットする

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大斎原は神々が降臨した地といわれ、熊野信仰の中心となった

続いて熊野本宮大社参与で作家の和田裕美さんです。登壇されるや否や「熊野に行くと決めて!」と第一声を放ち、会場は和やかなムードに包まれました。

和田さんが熊野好きになったのは、初めて本を出した14年程前にさかのぼります。和歌山県新宮市の企業から研修の講師を依頼され、毎月新宮市に出向くことに。元々神社好きだったため、2年の契約期間中、毎日熊野本宮大社に通ったそうです。宮司をはじめ様々な方に覚えてもらったのはもちろんですが、「神様にも覚えてもらったような気持ちになりました」(和田さん)。

和田さんが熱弁をふるったのは参拝の仕方です。よく神様には「感謝だけを述べよ」といわれますが、「ご祈祷(きとう)のように、強い意志を持ち神様にコミットすることが大事です」。「今年こそ、これをしよう」と誓っても実行せず、結果うやむやにしてしまうことってよくあります。

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作家の和田裕美さんは「大社に通ううちに、神様にも顔を覚えてもらった気がする」

ではなく、神様にコミットする、約束・誓約すると、常に見られていることになると和田さん。「自分自身に嘘がつけなくなり、行動を起こし、変わることが迫られます。新しい何かを始める、何か大きな決断をするといった際には、生まれ変わる・よみがえる地である熊野にぜひ行って」と呼びかけました。

熊野ではまず大斎原に

そして、フリーアナウンサーの河西美紀さんがコーディネーターとなり、九鬼さんと和田さんを交えたトークセッションに。参加者の質問に答えながら、熊野の魅力を紹介しました。

「ずばり熊野の一番の魅力は?」という質問には、二人ともまず外せない場所として大斎原を挙げました。巨大な大鳥居以外は目立つものがない大地ですが、何かあると感じさせる場所だそうです。九鬼さんは一例として、大斎原での催事前に大雨が降り、ほとんどの関係者が不安にかられた際も、開始直前に雨が止んだことが何度もあったそうです。心配する関係者に「大丈夫」と九鬼さんは言い続けたそうで、「強い思いがあれば、それは通じます」。

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フリーアナウンサーの河西美紀(左)が加わったトークショーでは会場からの質問に登壇者が答えた

参拝法を改めて聞く方もいらっしゃいました。和田さんは「どの神社でも、神様の名前を知ってから行きましょう。営業に出かけるのと同じように、相手を知ってから行くか知らずに足を運ぶかでは差が出ます」と強調。仕事にも通じる部分があると話しました。

御創建2050年を迎えた今年、奉祝式年大祭ではどんな行事があるのかという問いも出ました。「年間通じて様々な行事が行われ、特に4月11日から15日にかけては様々な歌手の歌唱奉納が、5月12日には宮本亜門さんの講演会が開かれます」と九鬼さん。御創建2050年仕様のお札や手拭い、ペンダント、通常黒色の「勝守」というお守りの白バージョンなども現地で購入できるとのことでした。

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じゃんけんプレゼント大会には平安衣装姿の女性も登場

最後はじゃんけんプレゼント大会もあり、和やかなムードで終演となりました。熊野に行ったことのない筆者も、セミナーが終わった頃には頭の中は完全熊野モードに。来場者にとって熊野本宮大社だけでなく、"神社"に対しての考え方、見方が変わる"キッカケ"になったセミナーでした。

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