日経ウーマノミクスプロジェクト

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ジブ研セミナーリポート

テーマ:改元直前セミナー 平成を振り返り
令和時代の時流を学ぼう

人生100年時代、令和はマルチな生き方を

 2019年5月1日、平成から元号が変わり、令和の時代が始まりました。私たちは時代の大きな転換期に立ち会っています。そこで4月27日、日経ウーマノミクス・プロジェクト実行委員会は、ウマノミゼミナール特別編ジブンらしさ研究セミナーとして、そごう横浜店(横浜市)で「改元直前セミナー 平成を振り返り令和時代の時流を学ぼう」を開催しました。東海大学政経学部教授でもある日本経済新聞社の木村恭子編集委員が、新時代を迎える心構えについて話しました。

平和な平成が「戦後」イメージに幕引き

 政治部をベースに記者として大手新聞社、外資系通信社で活躍してきた一方、大学院での研究生活など、人生のステージに合わせて、自身のキャリアを変化させてきた木村さん。「はからずも、人生100年時代に突入する令和に合ったマルチな働き方だった」と振り返ります。日本の政治をベースに、海外を含めた政治・経済・社会のトレンドを取材・発信している立場から話をしたい、と切り出しました。

 まずは平成の振り返り。「天皇陛下(現 上皇陛下)のお言葉にもあったように、平成は戦争のない時代でした。私たちが落ち着いて平和に暮らせた平成があったことで、昭和から続いた「戦後」というイメージが終わったのです」。令和も引き続きそうであってほしいというのが、政治の世界からの望みであり期待なのだと木村さんは話します。

情報過多で消えるトレンド

 続いて、平成から令和のトレンドのサンプルとして、昨年大流行したDA PUMPのヒット曲『U.S.A.』を取り上げました。バブル期の流行の繰り返しと思いきや、情報化時代を迎え、トレンドは消失したのでは、という日本経済新聞に掲載された記事を披露。「どの情報が新しくて、どれが古いのかわからないので、状況が合えば、若い世代は自分がいいと思うものを新旧問わず受け入れ、そこからヒットが生まれる」との分析を紹介し、「情報過多で流行を追えなくなったことで、ファッションもシンプルになり、人とかぶっても気にしない時代になった。令和は、自分の目線や好きなものがはっきりしていると楽しい時代になるのでは」とまとめました。

学び、住まい、仕事を自由に選ぶ時代に

 令和の時代、女性の生き方はどうなるのでしょう。例として政府の「人生100年時代構想会議」のメンバーで、ロンドンビジネススクール教授のリンダ・グラットンさんが提示した「マルチステージライフ」を紹介しました。これは、今まで一般的と目されてきた「教育を受け、仕事をして、リタイアする」という3つのステージを単線で進むモデル、いわゆる「人生80年モデル」に替わる「人生100年モデル」として、勉強するタイミング、住む場所、仕事のやり方などを、人生のステージに合わせて自由に変化させるマルチな生き方を提唱したものです。

 「人生100年時代のマルチステージライフは、実は女性にとても合っています」と木村さんは指摘します。「それが必ずしも良いことばかりだったわけではありませんが、もともと女性は男性より役割が多く、マルチにやってきた経験があるからです」。これまではひとたび単線から外れると戻るのが難しい時代でしたが、令和を迎えたこれからは「人生を単線の時間軸で捉えるのではなく、現在の自分のステージは次のステージのための過渡期である、とマルチに考えてください」と締めくくりました。

 参加者からは「平成生まれなので頷ける内容でした」(20代・会社員)、「トレンドの消失が印象的に残りました」(40代・会社員)、「人生への前向きなエッセンスをいただけました」(50代・会社員)などの声が聞かれました。それぞれに、令和を生きるヒントを得られたようです。

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