日経ウーマノミクスプロジェクト

menu
ジブ研セミナーリポート

テーマ:今日から始める温活 冷えに負けない身体作り

すき間時間の運動、入浴で体質改善

 女性の大敵、万病の元などと言われる「冷え」。体の不調はもちろん、精神的にも影響するとされます。冷えに負けない体を手に入れるにはどうしたらよいのでしょう。日経ウーマノミクス・プロジェクト実行委員会は8月25日、そごう横浜店(横浜市)で「今日から始める温活 冷えに負けない身体作り講座」と題した「ウマノミゼミナール特別編ジブンらしさ研究セミナー」を開催。体温を上げ、冷えに打ち勝つ「温活」のノウハウを、医師でイシハラクリニック副院長の石原新菜さんが紹介しました。

下半身を鍛え、発熱BODYに

 「現代の夏バテは、冷房、薄着、冷たい飲み物で内臓が冷える『冷えバテ』です。女性の8割は平均体温が36.4度以下と50年前と比べ1度も下がっています」。冒頭、石原さんは語り始めました。体温が1度下がると代謝は12%、免疫力は30%落ちるそうです。血行が悪くなり、臓器の働きも低下。それが生活習慣病、更年期障害、アレルギー疾患、うつ病などにつながるとか。まさに万病の元です。

 「改善は意外に簡単。とにかく体を温めましょう」と石原さん。低体温の原因は圧倒的な運動不足と断言します。体温の4割は筋肉から生まれます。男性に冷え性が少ないのは、女性よりも筋肉が多いから。筋肉の7割は下半身にあるので、下半身を鍛えることで、自分で発熱する、冷えに負けない体づくりができるとアドバイスします。「ウオーキングを20~30分する、ちょっとした待ち時間にスクワットに取り組むなど、すきま時間に運動するクセをつけましょう」

食生活を見直し、短時間でも風呂に漬かる

 食べ物から体を温める方法も紹介されました。石原さんのお薦めはショウガ。「クリニックの治療に使う150種類の漢方の約4分の3にショウガが入っています。目安として1日親指2本分(20g)程度取ってみましょう」と呼びかけます。

 健康のために「減塩」している人もいますが、塩は新陳代謝を上げて体を温める働きがあるため、過剰に減らすのはよくないそうです。体を動かして汗をかいて塩分を排出すれば、塩を取っても心配ないとか。出して取るのが大事なんですね。またこの季節、まだまだ熱中症には気をつけるべきですが、水を飲みすぎると体が冷えるので、こちらも気をつけましょうとのことです。

 お風呂に漬かるのも冷え性対策には有効。石原さんが勧めたのは「3-3-3入浴法」です。42度くらいの熱めのお湯に肩まで3分漬かって、出て3分で体や頭を洗い、また3分漬かる、3分出る、最後にもう一度3分漬かります。湯船にいるのは合計9分ですが、汗が出て、1時間のウオーキング、30分のジョギングに相当するエネルギーを消費できるそうです。「汗が出れば、体温は1度上がっています。これができなくても、1日1回お風呂に入るといいですよ」と締めくくりました。

 参加者からは、「冷えが影響する体の不調が多くて驚きました。ショウガとお風呂を実行します」(20代・会社員)、「高血圧の夫に合わせてすべて減塩食にしていましたが、自分の食事は少し塩を増やそうと思います」(70代・主婦)など、さっそく実践したいことを見つけたという声が聞かれました。冷えに負けない体作りのヒントを得られた時間となったようです。

pagetop