イベントリポート

1分でつかむ イクメン&イクボスの心意気~越後の国から

日経ウーマノミクス・プロジェクト実行委員会は2月8日、新潟市で「経営戦略としてのイクメン&イクボス」をテーマにした特別セミナー(後援:新潟県)を開きました。子育てに積極的に参加する男性「イクメン」の流れが、部下のワーク・ライフ・バランスも考えながら自らも仕事と生活を楽しむ「イクボス」へと広がり、さらに育児参加を通じて地域とのかかわりを強める男性「イキボス」を増やしつつあるようです。セミナー当日の様子から、越後の国が育む働く男性たちの新たな風を感じとってください。

吹雪の中のセミナーに集う人々

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セミナー会場となった新潟県民会館

積雪33センチメートル、日中の気温はセ氏1度――。「市内でこんなに雪がある光景は初めて」と話すのは、この日のセミナーに登壇する清水建設人事部ダイバーシティ推進室室長の西岡真帆さん。かつては「ドボジョ」として何回も新潟を訪れていたそうです。時折吹雪く天候にもかかわらず、会場には75人の参加がありました。ある男性は「『よく聞いて現場でも生かしてくれよ』と社長に促されてきました」とか。

セイン・カミュさん「わが家」のルール

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講演するタレントのセイン・カミュさん

第一部ではイクメンとして知られるタレントのセイン・カミュさんが講演しました。ゴミ捨てもお風呂掃除も、3人の子どもたちを風呂に入れるのも、すべて準備段階から仕上げまでを夫がやり遂げるのが「カミュ家」のルールだそうです。「ありがとう」「助かるわ」「パパすごいね」。家庭ではご主人をほめて、居場所を増やしてあげることが円満の秘訣とも言います。さらには育児休暇を取得する男性が増えれば「育休の経験が仕事でのひらめきやアイデアにもつながるはずです」と価値観の良い変化にも触れました。

イクメン&イクボス企業が勝ち残る理由

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新潟県内外のイクメン&イクボス先進企業4社が登壇したパネルディスカッション

第二部のパネルディスカッションには県内外のイクメン&イクボスの先進企業4社が登壇しました。

「生産性の向上こそが経営戦略としてのイクメン&イクボスの狙い。取り組みを進める中で、短時間に集中して仕事をする好循環ができてきた」(シアンス社長の野口一則さん)

「わが社の取り組みを広く知ってもらうことで、優秀な社員の採用にもつながっている」(サイボウズ執行役員の林田保さん)

「トップ自らが旗をふるだけでなく、組織の中のキーパーソンにも発信させることが必要」(キタック社長の中山正子さん)

「男性中心の職場では抵抗勢力との戦いもたいへんだが、心が折れそうになってもポジティブに考えて共にがんばりましょう」(清水建設人事部ダイバーシティ推進室室長の西岡真帆さん)

新潟県の企業が挑む男性側の改革

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「新潟に杉と男は育たない」。新潟にはこんな言葉があるそうですが、真意はいかに。少なくとも海からの強風が杉の生育に影響を及ぼしているのかもしれませんが、この越後の国でイクメン&イクボスの木はすくすくと伸びてほしいですね。カミュ家ならぬ、あなたの企業、あなたの家のやり方で。

※ 詳細は3月の日本経済新聞新潟経済面などで紹介予定です。

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