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スーツを美しく着こなす ここがポイント

ビジネスシーンに欠かせないスーツ。でも男性に比べて、女性は着る機会が少ないですよね。いざ袖を通してみても、鏡に映る自分がなんだかしっくりこない、どうも格好良くない、なんて思うことはありませんか。日経ウーマノミクス・プロジェクトの女性会員を対象にしたスーツに関するアンケートでも、様々な失敗談やご意見が寄せられました。そこで、西武池袋本店(東京・豊島)の安斉奈央さん(29)に美しく着こなすポイントを聞いてきました。

スーツスタイル、61%が自信ない

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最初に約450人の方から回答が集まったアンケートの結果をみてみましょう。「スーツスタイルに自信がありますか?」と聞いたところ、61%が「いいえ」。「はい」は39%にとどまりました。どんな時に着用するかといえば「大事な商談」(58%)、「プレゼン」(53%)、「初対面の人との面談」(47%)と続きました。「ここぞ」というときはスーツを選択することが多いようです。

では、自信を持てるのはどんなスーツなのでしょうか。挙がったのは「きちんと感がある」(68%)、「知的にみえる」(59%)、「スタイルが良く見える」(46%)。ぴったり合ったものをかっこよく着こなして、知的に見せたい。そんな思いが伝わってきます。

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さらに数多く寄せられた失敗談を読み進めると、「サイズが合わなかった」「スカートが短かった」といったシルエットに関連するエピソードが目立ちました。西武池袋本店の安斉さんはスーツを着こなす基本として「肩のサイズが合っているか、ボタンを留めたときに変なしわがよらないか、スカート丈はどうなっているかをチェックしましょう」とアドバイスをくれました。

具体的にみてみましょう。

ジャケット丈はお尻の一番高い「頂点」「トップ」を目安にしましょう。ノーカラータイプならこれより少し短めが美しく見えます。肩は袖の切り替えしより外側にはみ出さないように。男性だとシングルは1番下のボタンを外すのですが、女性はすべて留めてもOKです。その際、留めたボタンに向かってしわが寄らないかチェックを。しわが寄るようだと見た目が悪いだけでなく、窮屈です。

就活生と言われないためには

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肩のサイズなどに注意しましょうと安斉さんはアドバイスする

スカート丈は立ったときに膝が隠れるぐらい、短くても膝頭の中心ぐらいで。そうすると座っても足元を気にしなくてすみます。スリットの深さは足さばきがスムーズになる「ほどよい」深さにしましょう。素材やデザインによって異なりますが、抑え目にした方が上品に映ります。プレゼンなど「仕事ができる」印象を与えたい際にはフレアよりタイトスカートがお薦めです。

パンツは足元を絞るタイプならくるぶしまで、ストレートタイプならかかとが半分隠れるぐらいが基本となります。「足首や手首を見せるとスタイルがよく見えるので、パンツなどはやや短めがトレンドです」と安斉さん。ジャケットなら袖を1回折り返し、手首を見せるのもひとつの方法です。あらたまった席でも、1回の折り返しなら顔をしかめられることはないそうです。

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紺やチャコールグレーは着回ししやすい

「黒いスーツを着たところ、入社試験を受ける学生と同じような格好になってしまった」。色に関してはこんな話もありました。ビジネスパーソンらしくすっきりみえて、しかも着回ししやすい色ってあるんでしょうか。安斉さんは「紺や濃いめのチャコールグレーだと合わせやすくて便利です」と強調します。幅広いシーンで活躍し、合わせるインナーも選びません。売れ筋もこの2色だとか。もしも黒を求めるのなら、光沢があったり、織り模様があったりすると、リクルートっぽさが消えます。

意外と多かったお悩みがインナーの合わせ方でした。たとえば同じ紺の上下でも、インナーひとつで印象はガラッと変わります。シャツスタイルはかっちり、ふんわりしたブラウスはやさしく見え、カットソーだと篠原涼子さんのようにかっこよく映ります。最近はリボンブラウスなど襟元を華やかにする人が多いようです。ジャケットなどと同系色でそろえると、少し「重たい」感じになるようですので注意を。

ニーズに対応、内ポケット付きジャケット登場

ほかに多くの方からもらったのが「しわになりやすい」という声でした。これは加工法や素材などに影響されます。ウール素材はしわになりにくく、ハンガーなどにつるしておけば自然と元通りになります。一方、綿や夏に活躍する麻はどうしてもしわが寄ります。それでも「ポリエステルや伸縮性のあるポリウレタンなど合成繊維が混じっていると、目立たないですね」(安斉さん)。

素材は洗濯でもポイントになります。家庭では正直難しいのですが、やっぱり洗いたいという方は洗濯表示のチェックをしましょう。表示で大丈夫となっていても、裏地に「キュプラ」を使っている場合は避けたほうが安心です。滑らかで通気性にも優れる生地ですが、家庭で洗濯すると縮んだりよれたりしやすくなります。

着心地も気になるところです。安斉さんによると「ポリウレタンなどストレッチ性のある素材を使った製品なら、動きやすくなります」。店員さんに相談するほか、インターネット通販で購入する際には素材にも目を配ってみましょう。

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スーツを豊富にそろえたリミテッド エディション @オフィス

失敗談にあわせて会員の皆さんにスーツに関する要望やご意見を募ったところ、多かったのがポケットを増やしてほしいというものでした。男性と異なり内ポケットがほとんどついておらず、「携帯電話や名刺をどうするか困ってしまう」そうです。

こんな声を生かして、西武池袋本店をはじめ西武・そごうの店舗では「リミテッド エディション @オフィス」売り場でポケットが4つある独自商品「スマートスーツ」を扱っています。アパレル各社と組んだコラボ商品もあり、どれもウエストより下に内ポケットをつけることで、シルエットが崩れないようにしています。

男性では一般的になったパターンオーダーのスーツも女性向けが少しずつ広がってきました。専門店のほか、リミテッド エディション @オフィスでも扱っており、同店では税込み4万2120円からその人の体形にピッタリあった一着ができます。

「人は見た目が......」ではないですが、ビジネスパーソンとして活躍するには外見で隙を見せないことも必要です。手持ちのスーツをもう一度見直してみてはいかがでしょうか。

 

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