イベントリポート

「経済ってなあに? おカネのはたらきは?」 夏休みに親子で学ぶ

夏休みのひと時、親子で楽しくお金と経済について学んでみませんか――。こんな呼びかけで今夏、大和証券が主催する「夏休み特別セミナー 親子でチャレンジ!クイズで学ぶおカネ&経済2017」(企画協力:日経ウーマノミクス・プロジェクト)が開かれました。東京、大阪、名古屋の3会場で、マネーについて、お父さんやお母さんと一緒に学ぶ小学生たち。さあ、大人のみなさんも童心に返って、しばし学び直してみましょうか。

親子200人が机を並べて一緒に学ぶ

8月5日。JR東京駅に隣接する大和証券本社にはセミナー開始(午前10時半)の30分以上も前から、親子が続々と駆けつけてきます。受付を済ませると、われ先にと講壇の前の席から整然と椅子が埋まっていきます。みなさん、やる気満々の様子です。95組200人近くがそろい、"授業"がスタートしました。

oyako1_680x420.jpg
講師の本村修担当部長(右)が本日の勉強内容について説明。参加した親子はみなさん真剣な表情

「みなさん、おはようございます」。講師を務める日本経済新聞社人材教育事業局の本村修担当部長が挨拶すると「おはようございます!」と元気な声が返ってきました。まずはウオーミングアップ問題です。

Q:「1万円札で1億円」と「500円玉で100万円」、どちらが重いでしょうか?

oyako6_680x278.png
セミナー会場は東京駅に隣接する交通に便利な高層ビル。参加者には特製の「おカネの学習帳」が配られた

ヒントは1万円札1枚の重さは約1グラムあり、500円玉1個の重さは約7グラムあることです。1分間のシンキングタイムでは早速、計算を始める人もいます。正解は、500円玉で100万円でした。「よし!」と、親子でハイタッチする微笑ましい姿もありました。「でもみなさん、1億円のほうがいいですよねえ」。講師の相手役を務める日経CNBCキャスターの榎戸教子さんが軽妙な突っ込みを入れながら、授業は本題へと進んでいきます。

クイズに始まり、身近な話題から経済の本質に迫る

本日の勉強内容は7項目。「経済ってなあに?」「お金のはたらき」「ものの値段の決まり方」「お金の使い方」「金融とは?」「お金は経済の血液」「為替」です。どの項目もクイズに始まり、身近なニュースや話題から本質に迫っていく、いわば小から大へと展開していく構成です。

例えば、経済のしくみを理解する項目ではまず次の三択クイズで始まりました。

Q:日本で最初の株式会社は次のうちどれでしょう。
  ① 銀行 ② 貿易会社(商社) ③ 鉄道会社

oyako3_680x420.jpg
1時限目の「経済ってなあに?」では、株式会社の意義についても学んだ

このクイズを親子で考えてもらった後に、生産・流通・消費の経済活動を図解で示しながら「経済とは、生産、流通、消費といった経済活動を繰り返すことにより、お金を社会にめぐらし、私たちの生活を豊かにし、社会を発展させること」と説いていきます。そのうえで、経済活動の過程では長い期間にわたって多くのお金(資金)が必要になることから、たくさんの人からお金をだしてもらい仕事をする株式会社という仕組みができたとつながっていくのです。そして、日本で最初の株式会社は1873年(明治6年)に設立された第一国立銀行だったこと。長い徳川幕府の時代が終わり、時代は明治に移り、経済発展のためには多くのお金が必要だった背景。この時代に渋沢栄一が活躍したことなどへと、話が広がっていきます。

自分以外のために使うお金のことも考えて

さて、ここで再び問題です。

Q:次のうち、お金を使うことによって手に入れることができないものはどれでしょう。
  ① 時間 ② 発展途上国の生活向上 ③ 恋人の気持ち

oyako4_680x420.jpg
手ごわいクイズ問題が次々と出され、親子で一緒に考える場面が随所に見られた

正解は□□□□――。「エーっ?」と、今度は親御さんたちが苦笑いしそうなユーモアも交えながらのあっという間の90分でした。毎週、子どもたちに剣道を教えているという本村担当部長のやさしい語り口が呼び水となったのか、参加した小学5年生の男子からは「為替レートのところがわかったので楽しかった」との感想もありました。母親からは「いい意味で期待以上でした」「情報リテラシーはよく言われますが、こうした金融リテラシーへの関心も大切ですね」との声も聞かれました。

大和証券営業企画部の中塚希恵さんは「自分のためにお金を使うことはもちろんですが、時には人のため、日本経済のためにお金がどう使われるのかなども考えてみてくださいね」と話していました。

先ほどの「お金で手に入れられないものは?」という問題の答えですが、③恋人の気持ち、だそうです。

会員登録すると、イベントや交流会への参加、メールマガジン購読などご利用いただけます。