イベントリポート

「伝える力」を磨く講座始まる 京都女子大×日経ウーマノミクス

京都女子大学が日経ウーマノミクス・プロジェクトと連携した特別講座「プロに学び、ジブンで作る新聞紙面」を10月4日にスタートさせました。学生たちは約1カ月にわたって日本経済新聞の記者らから取材の仕方や記事の書き方などを学ぶとともに、実際に京都の主要企業7社を訪ねて自ら取材をし、記事を執筆するフィールドワークに挑みます。プロの指導によってコミュニケーションの基本となる「聞く力」「書く力」「伝える力」を養う貴重な機会となります。

京都の主要企業7社を学生が訪問取材

「文章の書き方の基本を学びたい」(現代社会学部2回生)、「業界や企業のことを調べ、将来の就職に役立てたい」(同1回生)、「女性が活躍できる企業について知りたい」(発達教育学部3回生)、「新聞社・マスコミに興味がある」(家政学部3回生)――今回の特別講座を受講する京都女子大の学生約30人の動機は様々です。学生たちは11月上旬までに90分の講義を5回受け、さらに京都に本社・拠点を置く日本新薬、京都銀行、京都センチュリーホテル、宝酒造、タキイ種苗、京セラ、ワコールを数人ずつで訪問し、各社で活躍する女性社員にインタビューします。取材した内容をもとに原稿を書き、新聞社のプロが文章を指導しつつ、それを記事に編集して、12月に日本経済新聞夕刊に掲載します。座学だけではない充実した体験型のプログラムが最大の特徴です。

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京都女子大×日経ウーマノミクスの特別講座は昨年に続いて2回目。今年は1~3回生の約30人が受講する

10月4日の初日の講座はまず、新聞の読み方を学ぶレッスンからスタートしました。学生が就職活動やこれから社会に出るに当たり、関係する企業や業界の最新動向を知っておくことは欠かせません。講師となった日経新聞大阪本社販売局の今井博司マーケット開発部次長は「日経新聞の徹底活用講座」と題して、日経新聞に掲載される手厚いビジネス情報の活用法を伝授。「これから取材する企業や業界については事前に新聞で情報を収集・分析してください」とアドバイスしました。

受講した学生からは「漠然とではなく、これからは目的を持って新聞を読むようにしたい」(発達教育学部3回生)、「企業の研究をするのに日経新聞を活用していきたい」(文学部1回生)といった声が聞かれました。学生たちにとってはネットとは異なる新しい情報ツールを手に入れたようで、約1カ月後の講座のゴールに向けても前向きな気持ちになったようです。

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真剣な表情で初日の講師の話に耳を傾ける京都女子大の学生たち

体験的に学ぶことの喜びを知る機会に

続いて特別講座全体の教師役を務める日経新聞特別企画室の三好博司企画部長がオリエンテーションを実施し、今回の講座の心構えとして「文章とは」「質問力とは」「聞くこととは」の3点について説明しました。学生たちには「分かりやすい文章を書くこと」「適切な質問が世の中の本質の理解につながること」「相手を理解するには、よく聴く必要があること」を学んで欲しいと語り、この1カ月の特別講座を通して「体験的に学ぶことの喜びを知り、それを熱心に求めるようになります」と受講する意義を説きました。

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「よく聴かなければ、よい質問はできない」。講師の三好部長は講座の心構えを説いた

初日の講義に学生たちはさすがに緊張気味でしたが、新聞記者25年のキャリアがある三好部長の話を聞いた家政学部の3回生は「記者の方はさすがに対話力が優れ、話に引き込まれました。自分もコミュニケーション力を磨いていきたい」と講座への興味をさらに高めていました。

次回は日経新聞女性面の佐藤珠希編集長が「女性が社会で活躍するために」をテーマに学生たちに講義をします。働く女性を取り巻く昨今の社会環境の変化や学生たちが今取り組んでおくべきことなどを解説する予定です。その後は取材の進め方や原稿の書き方、積水ハウスの女性社員を招いてのインタビュー演習などの講座を受けながら、学生たちは京都の主要企業への訪問インタビュー、そして記事の執筆という実践編に臨みます。

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学生たちは今後予定する京都の主要企業の訪問取材に向けて企業・業界の研究にも取り組む

特別講座は大学の単位とは関係ありません。それだけに積極的に受講する学生たちの講座への期待度も大きいといえます。「普段の学校の授業は教授の話を一方的に聞くばかり。自分で考えて文章を書くことが少ないので、この講座を生かしていきたい」(現代社会学部2回生)、「企業取材がとても楽しみ。インタビュー相手が伝えたいことをしっかり把握するようにしたい」(同1回生)、「人同士でも国同士でもお互いが理解をするためには伝える力が大切と思う。文章力を身につけて相互理解を深められるようになりたい」(家政学部3回生)。講座が終了する約1カ月後には、それぞれの目標に近づいた学生たちの笑顔に会えますように・・・。

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初日の特別講座後に記念撮影に納まった京都女子大の学生の皆さん

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