その3 たんぱく質の重要性

正しく知れば間食はこわくない!
夕方に小腹がすく、
働き女子に朗報です。

オッツカちゃん オッツカちゃん メモ帳

小腹がすいた。このリポートを書いている現在時刻は午後6時。今日の仕事はまだまだ終わりそうにないのに、ちょっとお腹が寂しくなってきてしまったのだ。たぶんこの記事を読んでいるみなさんも、似たような思いをしたことがあるのではないだろうか。こんなときに、ちょっと間食に手を出すか。それとも仕事が片付くまで我慢するか…。
そんな迷いの答えが得られたのは、『まるのうち保健室』の働き女子の健康生活部の活動。2月9日、3×3 Lab Future(東京・千代田)で開かれたセミナー。テーマは『正しい間食と大豆のチカラ』だ。跡見学園女子大学教授の石渡尚子さんの話は、迷える女子にとってまさに目からウロコだった。

9割の女性が間食しつつ、半分以上が罪悪感。
間食って、いいの?悪いの?

セミナーの最初に行われたのは、間食についての様々なデータの説明。多くの人が石渡先生の話にうなずき、熱心にメモをとっていた。

「間食の習慣に関するアンケートデータ」

(C)大塚製薬「間食調査(2015.2)」

多くの方が共感するように見入っていたのは、「あなたは普段間食をしますか?」というアンケートの結果データ。間食の習慣があるという人は実に全体の7割にのぼり、女性に限るなら9割が間食の習慣あり。そのうち3割以上が「毎日間食する」というデータも得られていた。やはりみな、間食はしたいし、実際にする。だってお腹がすいたら、やるべきことにも手が着かない。
しかし一方で、「間食はいいことか、よくないことか」というアンケートでは、「間食はよくないことだと思っている」という回答が6割近く。多くの人が、間食をしながら罪悪感を抱いてしまっているのだ。たしかに。お腹はすくけど、太りそうだし、食べたらやめられなくなりそうだし、でも仕事が終わるのは夜遅いし。ライター自身も心からの相づちを打っていたのだが、そんな雰囲気を喝破したのは、石渡先生の一言だ。

「じゃあ、いつなら間食してもいいのか?何だったら間食してもいいのか?今日はそれをみなさまにお伝えしていきましょう!」

残業する日なら、間食したほうが太らない!

いつなら間食してもいいのか?その問いに関する石渡先生の答えは、極めて明快だった。

「夕食が遅くなるに日には、間食が必要です!」

なぜ間食を我慢して夕食が遅いとよくないかといえば、結果的に食欲に振り回されることになり、夜遅くにドカ食いしてしまうことになるから。夜になると代謝も落ちるし、熱産生も少ない。いわゆる「溜め込みやすい」状態でドカ食いをすれば胃腸への負担も大きい上、太りやすくなってしまうのだ。

「いつ食べる?どのくらいたべる?」

「跡見学園女子大学教授・石渡尚子先生のセミナー資料」より抜粋

そこで石渡先生が勧めるのは「今日はちょっと遅くなるかなと思った日には、昼食後4時間以降に間食を食べる」ということ。間食をして食欲を満たしておき、遅い夕食はその分少なくする。「間食=おやつ」と考えるよりも、「間食=夕食までのつなぎ食」と考えることが重要なのだそうだ。そのとき間食するならば、1日に摂取すべきカロリーのうち1/10程度。成人女性なら150〜200キロカロリーくらいが適しているとのことだ。つなぎ食を食べるべきではありつつ、食べ過ぎは禁物。夕食は間食したカロリー分を差し引いて、ちょっと少なめに取る、ということを必ず忘れないようにしよう。

おやつではなく食事の意識を。
たんぱく質こそ、我々を救う栄養素だ。

夕食が遅くなるときなら、間食すべき。ちょっとだけ安心したような気持ちになるところだが、では、間食として食べるならば何を食べるべきだろうか?

そこでまた高らかに、石渡先生は言う。

「間食はおやつではなく、つなぎ食。あくまで食事ですから、栄養が極端に偏っているものはあまりよくないですよね。私のオススメは、たんぱく質を意識的にとってみることです」

たとえばチョコレートやクッキーだと、栄養素は糖質がほとんど。糖質ばかりのつなぎ食だと、血糖値が上がりやすく、食事に対する満足感も得られにくいのだという。しかし同時にたんぱく質をとれば血糖値の上昇は緩やかになり、満足感もアップ。つなぎ食を食べるなら、150〜200キロカロリーのたんぱく質を含むものがオススメ、というわけだ。
たんぱく質といっても、種類は様々。お肉や魚もあるし、チーズとか、豆乳とか、卵だってある。多くがある中で、石渡先生が勧めるのはズバリ、大豆食品だ。理由ははっきりしている。女性に不足している栄養素がたくさん含まれている万能感のある食品だから。大豆に含まれているのは、たんぱく質はもちろん、食物繊維、カルシウム、カリウムに葉酸、鉄…などなど。女性の大敵である肌荒れや便秘など、カラダのプチ不調解消につながる栄養素が盛りだくさん。

大豆スナックや黒豆の甘納豆、豆乳、おのろけ豆。「絹豆腐を温めて黒蜜きなこをかけるとおいしいよ」なんて情報まで、石渡先生は笑顔で教えてくれた。デスクに常備しておけそうなものや、オフィス近くのコンビニでも手に入れられるものも多い。

こわいのは間食ではなく、よく知らないこと。
正しく知れば間食は女性の味方になる。

来場者の方もこの内容には大いに納得。「今日からたんぱく質を意識しながら食事を考えてみようと思います!」と意欲的な声を聞かせてくれる方が何人もいた。

「最初は部活動のチラシを見て興味を持ったんですが、こんなにデータなどに裏打ちされた専門的な話がきけるなんて本当によかったです」
「インターネットの記事やスーパーフードと言われるものを闇雲に信じていたんですが、そういったものに振り回されない生活に変えていけそうです」

と前向きな表情だった。

帰り際には、会場に用意された大豆スナック製品を手に取りながら、明日からの間食メニューにいいかも、と考えている方もいた。もう今日からは、間食に悩むことなどない。帰りが遅くなると思えば、夕方に迷わず間食、いや、つなぎ食を。そして食べるなら、150〜200キロカロリーで、大豆製品などのたんぱく質を含むものを。

ほんのちょこっとのルールを守るだけで、罪悪感の原因だった間食が一転、私たちの強い味方になってくれるという勇気のもてるセミナーだった。

同時開催で会場が大いに盛り上がっていたのが、雑誌『Tarzan』編集長・大田原透さんが講師を務めた『まるのうち保健室 ポジティ部!』というセミナー。自らの目標を『Tarzan』の表紙風に仕上げ、帰宅後部屋に貼ってモチベーションを保とう、という趣旨のものだ。
大田原さんが伝授するのは、売れる雑誌のタイトルや見出しと共通する、目標の立て方やそのソリューション考案の仕方だ。「週2でジム通い!」よりも「週2のジム通いで女子腹に縦スジを!」の方が、雑誌としても、掲げる目標としてもキャッチーでしょう、と目標の立て方ひとつでさらにポジティブなモチベーション維持を狙えることがアツく語られていた。

ワークシートに目標を書き込み、できあがったらポジティ部内で目標を宣言し合う時間に。自分の目標を仲間に聞いてもらえば、より高い意欲で目的に向かって歩むこともできそうだ。

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