日経ウーマノミクスプロジェクト

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ジブ研セミナーリポート テーマ:2018年のトレンド大予測

AI、IoT、ビジョナリーミントに注目

 ファッションの流行や政治・経済の動きなど、いち早くトレンドを知れば毎日の生活がより充実しそうです。「戌(いぬ)年」の2018年はどんな年になるのでしょう? 日経ウーマノミクス・プロジェクト実行委員会は17年12月8日、西武池袋本店(東京・豊島)で「2018年のトレンド大予測~ファッションから政治・経済まで~」と題した「ウマノミゼミナール特別編ジブンらしさ研究セミナー」を開きました。日々の取材を基にした今年のポイントを日本経済新聞社の木村恭子編集委員が話しました。

2018年の色はビジョナリーミント

 カリスマスタイリストを取材することもあるという木村編集委員は冒頭、参加者の関心が高いファッションのトレンド、流行色について話し始めました。ファッションの世界では国際流行色委員会(インターカラー)が2年前に流行色を選定し、発信します。これは主にアパレルなどの業界向けですが、日本流行色協会では一般向けにも毎年11月16日を「いい色の日」として、その年と翌年を象徴する色を発表しています。協会によると「単に流行した色、あるいは流行する色という意味ではなく、その時代のムードを象徴するさまざまなキーワードを包含した、その年の『テーマカラー』と言えるものです」とのこと。

 17年は「リーディングレッド」で、街角でも赤はトレンドとなりました。18年はきれいな水色「ビジョナリーミント」。ビジョナリーは「将来を見通した、想像力のある」、ミントは「未来、軽やか、透明感、きれいな空気と水」などを意味するそうです。

 ファッショントレンドは「これ」と言い切るのが難しいので、海外ブランドの英語の公式サイトをぜひチェックしてほしいと助言しました。「情報が早くて多いので、英語の勉強にもなり一石二鳥です」

 日本経済新聞社が年2回発表している「日経MJヒット商品番付」にも言及。新しい時代の到来を感じさせる消費として注目なのは、民泊、自動車、自転車などのシェアリングエコノミーです。「特に民泊は政策的にも全国で解禁になり、新しい業態の宿泊も出てきて、おもしろい時代になってきます」とみていました。「日経トレンディ」の2018年の流行予想1位は「マルチAI(人工知能)スピーカー」。AIとシェアリング関連が注目され、モノとモノをインターネットでつなぐ「IoT」と働き方改革に関係することがキーワードになるとしています。

ネットとリアル使いこなし、情報アンテナを

 経済と政治はどうなるでしょう。相場の格言では「戌笑う」、つまり景気がよくなり、市場も盛り上がるとされます。過去60年を振り返ると、1970年をのぞき株価は上昇しました。木村編集委員は「米国と北朝鮮の動向には注意が必要ですが、市場関係者の間では夏までは上がるとの意見が多いですね。でも投資は自己責任ですから、冷静に見極めて」と強調しました。

 衆院選も終わり、政治は比較的動きが静かになりそうです。注目点は日銀の黒田東彦総裁。任期が今年4月までとなっているため、続投するかどうか、情報が飛び交うでしょう。政治日程での節目は9月には自民党の総裁選、そして19年夏の参院選。「参院選にあわせて憲法改正の国民投票をするのでは、と政治部では関心を持っています。国民の判断を求められるかもしれません」

 景気が良ければ明るい色、悪ければモノトーンなど暗い色がはやると言われています。経済を見通すことは困難で、流行色を決めてもその通りにならないこともあります。「リアルな売り場で流行を観察する、新聞を読むなど、身近なところから情報をつかむことも意識してください。ネットとリアルの両方を使いこなし、情報のアンテナを張ることが大切です」と締めくくりました。

 質疑応答の時間も、多くの質問が寄せられました。参加者からは、「AIやIoTについてなど、2018年を見通すうえで非常に参考になった」、(30代・会社員)、「ファッションに興味があって参加したが、トレンドはもちろん政治経済や働き方についても勉強になった」(20代・フリーランス)など、少し先の未来予測を知ることで刺激を受けたという声が多く出ていました。

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