過去開催イベントのレポート

ジブンらしさ研究セミナー「働く女性のお悩み最新事情&処方せん」

ウマノミゼミナール特別編@西武池袋店

 日経ウーマノミクス・プロジェクト実行委員会は9月16日、西武池袋本店(東京・豊島)に前の週にオープンした働く女性向けの売り場「@office」で、ウマノミゼミナール特別編・ジブンらしさ研究セミナーを開催しました。日本経済新聞女性面の佐藤珠希編集長が「働く女性のお悩み最新事情&処方せん」と題して講演。売り場に設けたコンパクトな会場には20人近くの働く女性が集まり、メモを取りながら熱心に聞き入っていました。

 女性活躍推進法の本格施行から半年――働く女性を取り巻く環境には、様々な変化が起こっています。講演では最近のアンケート結果で得られた働く女性の悩みを5つの観点から紹介しました。

 第一は「美容・健康」の悩みです。働き続ける女性にかかる心身へのストレスは「勤続疲労」と呼ばれ、慢性的な不調や婦人科系トラブルの原因になると指摘しました。勤続疲労を防ぐには、セルフチェックの習慣や一人でもできる運動、暮らしの中で自分を元気にするちょっとした習慣を取り入れるなど、無理のないストレス解消が必要だそうです。婦人科健診を定期的に受けることも大切で、20代から「かかりつけ医」を持つように勧めていました。

 第二は「キャリア」の悩み。産業構造の激変によって従来の積み上げ型のキャリアプランが描きにくい時代です。佐藤編集長は、変化に対応して価値を生み出し続ける力が求められると指摘し、チャンスが来たら迷わずに掴み取る姿勢が大切と強調しました。また、仕事とプライベートを対立概念で捉えるのではなく、両者を統合して私生活の充実と仕事のシナジーを自分でつくりだす「ワークライフ・インテグレーション」という考えがこれからは必要と話しました。

 第三、第四は「恋愛・結婚」「お金」に関する悩みでした。年々恋愛離れが進んでいる背景や女性の結婚観の変化について解説するとともに、女性の平均寿命が90歳近いことから、既婚者であっても「おひとりさま」への備えが必要と指摘しました。老後の資金についてはざっくりとでも計算し、65歳までに貯める戦略を立てるようアドバイスしました。

 第五の悩みは「なんとなく不安」という声でした。人と比較して自分はこれでいいのか、人から自分がどう見えているのかということを気にして、傷つきやすくなっている人が近年急速に増えているそうです。その理由を精神科医に取材したところ、いつでも人とつながるSNSが普及し、それが無意識的に不安を感じる要素になっているとのことでした。他人の充実した生活を見て自分を惨めに感じたり、自分が気軽に発信した内容に批判的なコメントが届いたりする影響があるのかもしれません。佐藤編集長は不安解消への3つのステップを紹介し「他者と比較するよりも、昨日の自分と今日の自分を比べて何が成長したのかを探し、認めてあげると前向きな人生が送れます」とのエールを送りました。

 コンパクトな会場でセミナー参加者と佐藤編集長との距離も近く、質疑応答も活発でした。「自分に合ったストレス解消法が見つけられない」「年上の部下への接し方がわからない」「会社の人事制度が変わり、資格が5年も上がらない」など具体的なお悩み相談が相次ぎ、佐藤編集長は一つひとつ丁寧にアドバイスをして答えていました。

西武池袋本店で開かれた「ジブンらしさ研究セミナー」
女性の悩みについて講演する日本経済新聞女性面の佐藤珠希編集長
セミナー会場は女性向け仕事服の売り場「@office」の一角