過去開催イベントのレポート

広がる女性の活躍の場、自分らしくチャレンジ

第3回「女子学生のためのキャリアセミナー」開催

 7月11日(土)、日経ウーマノミクス・プロジェクト実行委員会は「女子学生のためのキャリアセミナー」を日経本社(東京・大手町)で開催しました。3回目となる今回は64人の学生が参加し、NTTドコモ、清水建設、東京海上日動火災保険、ボッシュで活躍する4人の女性社員から、仕事に対する考え方などを聞きました。業種の異なる企業で、それぞれのキャリアを積んできた方々でしたが、お話では共通して「自分の強みを理解し、妥協せずチャレンジする」ことの重要性を強調していました。

 セミナーは日本経済新聞女性面の佐藤珠希副編集長の講演でスタートしました。佐藤副編集長は日経グループが毎年実施している調査をもとに、企業の姿勢が変わり、女性が活躍できるフィールドがどんどん広がっている現状を解説しました。経営トップ自ら女性活躍推進の重要性を明言する企業の割合が増え、5割を超えたそうです。また女性が結婚・出産・育児を経験しながらキャリアを形成するには、「日ごろから目の前の仕事にベストを尽くし、周囲の信頼を“貯金”しておくことが重要。誰も手を挙げない仕事を引き受けるスタンスを持って」と話しました。

 パネル討論に登壇したNTTドコモの戸田陽子さんは2児の母。広告制作に携わる一方、社内の女性社員と連携して、働くママが活躍できるようにする仕組みの企画提案なども展開しています。育児が始まると時間的にも仕事に制約が生まれます。戸田さんは「自分ひとりで100の成果を出すのではなく、組織で120の成果を出すよう心がけている」と話しました。「自分としっかり向き合って、やりたいと思ったことに失敗してもいいからチャレンジしてほしい」とのメッセージには、学生の皆さんも聞き入っていました。

  清水建設の山出文香さんは学生時代に途上国を旅した際、橋など作ってくれた日本への感謝の気持ちを現地の人たちから聞いて、建設業界を志望したそうです。男性社会といわれる建設業界ですが、女性の現場監督も増えるなど、変わり始めています。山出さんは「変化の中に身をおいてチャレンジし、会社を変えていきたい」と抱負を語りました。現在は医業経営に関する勉強中。「高齢化社会などで必要とされる医療施設のあり方を提案できる営業になり、結果的に途上国の医療の質向上に貢献できればいい」と話しました。

 東京海上日動火災保険で保険商品の開発を担当する三水誉子さんは、「メンバー内で協力しあってやり遂げようと努力する姿を目にしたときなど、部下の成長を肌で実感できるのがやりがい」と話しました。「自分に限界を設けずチャレンジすることで、キャリアアップをし続けることができる。自分の成長は止めたくない」と考えて管理職となった三水さん。将来の目標は「女性の活躍を後押しできるような保険商品やサービスを企画すること」だそうです。学生の皆さんには「就職を考えるときは、企業分析よりもまずは自己分析」とエールを送りました。

 ボッシュの高野澤由樹さんは大学の理工学部出身。卒業時に女性が活躍できる就職先としてボッシュを選びました。入社当初の配属は営業。取引先企業の方々と接する中でたくさんのことを学び、仕事のやりがいを見つけたそうです。「テレビCMで自分が携わった部品が使われた新車を見ると、うれしくなる」と高野澤さん。開発部門に移った現在の目標は「お客様の声を開発の現場に的確に届ける役割を担うこと」で、そのために「オランダの開発部門でキャリアを積んで、もっと知識を吸収したい」と語りました。

様々なキャリアを積んだ先輩女性が登壇
様々なキャリアを積んだ先輩女性が登壇
交流会では学生の皆さんが積極的に質問
交流会では学生の皆さんが積極的に質問

NTTドコモ
清水建設
東京海上日動火災保険
BOSCH