過去開催イベントのレポート

働く女性と学生の本音トーク

女子学生のためのキャリアセミナー

 「働く女性を応援しよう」 こうした掛け声は多くなりましたが、働く女性の多くが様々な悩みや課題を抱えているのも事実です。これから社会に羽ばたく女子学生の皆さんにとっては、未知の部分が多いだけに不安もひとしおでしょう。日経ウーマノミクス・プロジェクトが6月28日(土)に開催した「女子学生のためのキャリアセミナー」では、企業で働く30代の女性たちが登壇。学生の皆さんと本音トークを交わしました。

 6月28日(土)、あいにくの曇天にもかかわらず、東京・大手町の日本経済新聞本社にあるイベント会場「SPACE NIO」には、定員80人を上回る94人の女子学生が集まりました。盛況のなか、まず登壇したのは毎週土曜日の日本経済新聞朝刊で、女性の社会参画について掲載している「女性面」の橋本圭子編集長。「女性が活躍できる会社とは?」をテーマに講演しました。

 橋本編集長は様々な調査データを示しながら、「育児休暇など制度の充実だけでなく、社員が実際に制度を活用している会社かどうかが大切」などと解説。「自分の目指す仕事があるか、社風に共感できるかなどを、インターンシップや先輩社員を訪問するなどして自分の目で確かめてみましょう」と呼びかけました。会場では熱心にメモを取る姿が目立ちました。

 続くパネル討論は、「将来の自分をイメージしよう」がテーマ。様々な業界で働く3人の女性が、これまでのキャリアを伝えました。大阪ガスの加藤里実さんは学生時代、電気や水道が十分に整備されていなかったインドネシアの山村を訪ねた経験が「生活インフラにかかわる仕事」を目指すきっかけになったエピソードを話してくれました。入社当初は大阪で家庭用ガス機器の営業を担当。「いつか国と国を繋ぐ仕事にかかわりたい」と実績を積み上げ、現在は液化天然ガス(LNG)の調達交渉で国内外を飛び回る日々、と夢に近づいていました。

 大手建設会社、鹿島の経営企画部で働く押尾郁恵さんは、新人時代に関わった羽田空港のビル工事現場を通じて得た、「自分の言い分を通したい時ほど上司や同僚・後輩の話をよく聞く」という組織でスムーズに働くためのコツを披露。東京海上日動火災保険の都内支店で営業の管理職を務めている二神貴子さんは「布団をかぶって泣いた時も、周りの誰かが手を差し伸べてくれた」と、同僚や友人と支えあう大切さを伝えました。登壇した女性たちの汗と涙と笑いがにじんだ体験談に、学生の皆さんも深くうなずいていました。

 パネル討論の後は、会場隣のカフェで交流会を開きました。学生の皆さんと先輩女性たちがいくつもの輪になって、働き方や人生の選択肢について活発に意見を交わしました。「迷ったら自分が大切にしたいもので判断してみよう」「学生時代からコミュニケーション能力や聞く力を磨いて」――。イベントは予定の3時間が短く感じられるほど、熱気に包まれたまま終了しました。

30代女性の働き方、職場の環境について熱心にメモを取る学生の姿が目立ちました。
カフェで軽食をつまみながらの交流会は、プライベートな話題も飛び出しました。
大阪ガス
鹿島
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